第二話 能力育成学校
俺つきのメイドに教えてもらったことなのだが、この日本には112人の能力者がいて、その全員が学校に来るらしい。
やってきました。育成学校。校舎は普通の学校の三倍はある大きさで、サッカー場ほどの大きな訓練施設。それに、生徒が住む10階建てのマンション。全てあわせてこの学校ならしく。壁で覆ってある。
クラスは能力測定をしてその結果でクラス分けをするらしい。
クラスはレベルごとに分かれていて、レベル一から十まであり、どんな能力だからレベル何々ではなく、力の大きさで決めるらしい。
人によっては同じ能力が発現する人もいるのだ。例えば水を操れる能力だったら、池の水全てを操れる人がいたり、百ミリリットルぐらいしか操れない人もいるのだ。
受付の女に政府からもらった登録書をみせて番号が書いてある紙をもらい、訓練場へ入る。
壁側にベンチがたくさん並べられていて、一番最後の列に座る。
訓練場には色々なものが置いてあった。石ころやバケツに入った水、砂山や木で出来た的、金属の板やプール、車や風速計。その他にもたくさん並べられている。
そして右端に5人の学校の関係者と審査員と思われるくずが並んでいる。
「では次。29番の方」
ちなみに俺は35番なので、後6番先だな。
1番前にならんでいた細めの男は前に出て能力を言った。
「えっと、僕の能力はテレキネシスです」
どうやら俺と同じ能力ならしい。ごみが。
『ご主人様と同じとは気に入りません』
本当にな。ごみ29番め。
「それでは、この訓練場にあるもので全力で能力を使ってください」と審査員五人の中で真ん中に座っている男が言った。
「はい」と29番は答えると、手を直径三十センチほどの石に向かって手をかざした。
「はぁ!」
気合と共に石が五十センチほど浮き、すぐに落ちた。
「はぁはぁはぁ」と29番は方で息をしている。正直しょぼい。
『ご主人様と同じ能力なのに情けない』とみう。
どっちかと言うと俺がおかしいんだけどな。みうよ。
「レベル四のクラスです」
29番は審査員の所まで行き、紙を受け取り、出て行った。
「次、30番の方」
いちいち解説するのが面倒なので、能力とどんなことをしたかとクラスだけ報告することにしよう。
30番。発火能力。両腕の手首から先だけ火をまとわせた。レベル6。
31番。金属を操る力。5センチほどの金属の板を十秒ぐらい空中で自由に操った。レベル7。
32番。金属を操る力。5センチほどの金属の板を二十秒ぐらい空中で自由に操った。レベル7。
33番。水を操る能力。大体2リットルぐらいを自由に操った。レベル6。
34番。空を飛べる能力。空中を3分近く自由に動き回った。レベル6。
さぁ、やってきた俺の番。前のごみ共がしょぼすぎて半分寝てしまっていた。
「次、35番の方」
行きますかね。
「俺のはテレキネシスだ」
「では、この(以下略)」
俺が目をつけたのは車だ。どうせこの学校に入るのだから最高クラスを目指すのだ。
「ここにあるものを壊してしまったら弁償か?」
弁償だったら困るので一応聞いておく。
「あ、大丈夫です。この学校で起こったことは全て学校の責任ですから」
審査員の真ん中の人が答える。
じゃ、遠慮はいらないな。
「・・・」
ワゴン車くらいの大きさの車を三メートルほど持ち上げる。
そこで、審査員や待ってる人からどよめきがおこる。
車を一気にバスケットボールぐらいの大きさに圧縮する。
「グシャ!」
そして、なぜかあるバスケットゴールに突っ込み。
「スリーポイント!」と、叫ぶ。
やった。決まった。
「「「「「・・・・・・」」」」」
審査員全員が驚愕に目を見開いている。
ふん。ごみ共がいちいち驚いてんじゃねぇよ
「れ、レベル十です」
おぉ~、と再度どよめきがおこる。
俺は審査員から紙を受け取ると訓練所を出た。
計算どおり最高クラスだ。
『おめでとうございます。ご主人様。当たり前ですけど』
ありがと。みう。