第一話 異常な力
俺の名前はキール。
ダサい日本語の名前が嫌いだったから自分で名づけた。
あの隕石が直撃し、5年がたった。やっと他のクソ共にも能力が現れてきたらしい。遅い。遅すぎる。
俺は隕石が直撃して1時間後に能力が発現した。頭の中に俺の能力の詳細が入ってくるのだ。
俺の能力はテレキネシス(念力)だ。
初めは小さな小石が動かせる程度だったが、一週間立つと車が、二週間立つと地面を殴ればクレーターが出来、その衝撃で地震が起こるほどにもなった。それからもずっと力は上昇しつづけた。パワーが増えるだけでは無く、繊細な動きや自分から離れてても力をコントロールできる技術力も上昇した。
一ヵ月後には、空気さえもテレキネシスで操れるようになった。
アニメや漫画に出てくる魔法の火の玉を再現しようと思いつき、やって見たら実際に出来たのだ。
高速で空気を振動させ摩擦により熱を発生させ、火を作り出し、酸素をテレキネシスでコントロールして送り込み、火を持ち上げたり押さえつけたりすることで火の玉を完成させた。
岩を粉々にしたり、自分を持ち上げて空中散歩なんて朝飯前。空気を押さえつけて偽の重力を生み出すなど本を読んでいても出来る。
将来この力のせいで銃で撃たれたりするかもしれないから、音速以上で飛来する物体を自動的に跳ね返す障壁を作ったりもした。
一年後には、本気を出せば地球さえペシャンコに出来るほどの力がついてきたので、力の制御と繊細なコントロールの練習をし始めた。
そして力は増えつづけ、5年立ったある日超常的な力を持った人が現れたと言うニュースと共に、米国に保管されていた5年前の隕石が粉々に崩れ落ちたという情報が報道された。それから、次々と能力者が増えていった。
俺はそのはじめて超能力者が見つかったと報道される1日前に力の成長が止まった。
どうやら俺は、特殊な体質ならしく、隕石から5年間ずっと力を奪いつづけていたらしい。そして、隕石のパワーがほとんど無くなった時に粉々に崩れ落ちた時にその粉が空気に溶け、能力者を生み出したらいい。
何故俺がこんなことが分かるのかと言うと、俺の中に人工知能が現れたからだ。
決して妄想とかではなく俺の力が人格を生み出したそうなんだ。彼女談。
そいつは女らしい。人工知能に性別があるのか分から無いがそいつはそう言っているからそうなのだろう。
名前を付けてくださいと言ってきたので、みうと名づけてやった。
みうは俺のことをご主人様と呼び、慕っている。
「んで、何で能力者なんか現れたんだ?」
『ご主人様が力を吸収しつづけた隕石が粉々になり、空気中に触れたからです。最後の力と言うものですね』
「ふ~ん。それって俺みたいに化け物が生まれたりしないわけ?」
『それはありません。空気中に解けた程度では、適合者に能力を与えるだけの力しかありませんから。』
「それってじゃあ、いつか空気中の力がなくなったりするの?」
『後500年くらいしたら消滅するかもしれません』
「結構あるんだな・・・・・・」
俺は能力者の発見から一ヵ月後に能力が発現したと言うことにして、政府に報告した。
そして一週間後に手紙で政府から三週間後に能力者育成学校が完成するので、それまで政府の施設へおこしくださいと書いてあり、その次の日、でっかいリムジンで迎えをよこした。
政府の施設と言うと、なんか人体実験をイメージするのだが、俺の力の前では全て無力なので普通に警戒せずについていった。
病院みたいな施設で過ごすこと三週間。ついに能力者育成学校の建築が完成した。