綾女の章 2
「お、大吟醸あるや~ん! さっすが養老町民!!」
「お前、人んちの台所を勝手に漁ってんじゃねーよ!」
あ、ども。こんばんは、綾女っす。
風俗屋さんじゃおはようとかいうんすかね? まあいいや。
今日は郁恵先輩に晩御飯奢ってもらって、『この後どうする?』『ウチで飲むっすか?』って流れになって、丁度家に到着した所っす。
「それ、親父の秘蔵の地酒だからな、出来れば勘弁願いたいが……」
「んく……旨い!
これは燗より冷で飲んだ方がいいね!」
……相変わらず人の話を聞かない先輩っすね……
「お! このぐい呑み、黒織部じゃね?
こだわってやがるな養老町民!!」
「……ステーキ屋のチューハイで無駄に酔いが回ってやがるな……」
余談っすけど、岐阜県養老町には『居酒屋 養老ノ滝』のネーミングの由来にもなった、日本の滝100選の一つ『養老の滝』がありましてね、水と酒の味には定評がある町っすよ。
ね
けど、まあ ど
け
養老町には す
ん
『居酒屋 養老ノ滝』は い
無
も 田舎すぎっすよ養老町……
店
一 あ、父ちゃん帰ってきた。




