小話 鳥と人と綺麗な石
リク・ワイアンドは一人、森を突っ切っていた。実は先ほど、町で話し声を聞いていた。
「俺が聞いた話なんだが、どうやら山賊……ほら、最近シルム町を襲う山賊達がいるだろ? アイツ等、自分たちのアジトに不思議な石を大事にしまっているそうだ」
「またやられたのかい?」
「いや、山賊ならある物、皆持っていくさ。だが、ヤツは違う。一番上等な物しか取っていかないのさ。ある意味、山賊よりもやっかいな生き物だよ。もっともヤツの姿を見た者はまだいないがね」
「野生の生き物……?」
その話をまとめて、リクは一つの答えにたどり着いた。
「その生き物のはきっと、いい物いっぱい隠しているはずなのれすー!」
そのため、リクは森の中を駆けめぐった。
「生き物さんの巣~生き物さんの巣はどこれすか~?」
と、大空に一羽の鳥が巣に戻るのを見つけた。どうやらかなり大きい鳥のようだ。
「鳥さんなのれす~追いかけるれす!」
急いでリクはその鳥を追いかけた。それは風のように。木々を揺らし、木の葉が舞い上がる。
たどり着いたそこには、鳥だけではなく、先客もいた。
「!」
「だ、誰ですか~?」
長い髪の女性がそう、リクに尋ねる。隣には幼い少女と白い豹の姿も見える。
「はうっ!」
リクは判断した。多勢に無勢。ここは一つ逃げるが勝ち。
「に、逃げるれすっ!」
一目散にその場を逃げる。が、それは表向き。実はその様子を少し離れた岩陰から見るのが目的だ。様子をうかがい、あわよくばなんかよさげな物が欲しい。
女性と少女はしばらくリクの逃げた方向を見ながら首を傾げていたが、すぐに鳥の方へ視線を変えた。どうやらこの二人は鳥に用事があるらしい。少女は鳥に抱きつくと、鳥は嬉しそうに鳴いて見せた。と、ばたばたと右の翼をはためかす。少女が何かに気づいたようだ。女性も気づいたらしく、翼を見ている。棘。翼には大きな棘が突き刺さっていた。まずは少女がそれを引き抜こうとした。しかし、抜けない。今度は女性。女性も一生懸命に引き抜こうとするが、鳥のじたばたと動くのでなかなか抜き取れない。
「何しているんれすか? もっとぎゅっとやれば抜けるんれすよ?」
その二人の様子を見かねて。
「次はリクがやるれす! ぎゅっと抜くれす!」
その様子に女性も少女も驚いているようだったが、すぐに笑みを浮かべ、迎えてくれた。リクはそそくさと棘に手をかけるとひょいっとそれを抜き取って見せたのだ!
「すごいにゃー! すごいにゃー!」
少女が喜んでいるようだ。
「ボクでも抜けなかったのに~、すごいです~」
女性も喜んでいる。リクは照れたように頭を掻いた。
「とりさんもありがとうっていってるにゃ。にょ? これあげてもいいにょ?」
鳥さんは少女に何かを渡したようだ。
「これ、とりさんがおれいにあげるっていってるにょ☆」
そう言って渡した物は親指ほどの大きさの赤い宝石だった。
「え? いいんれすか?」
宝石をもらってご機嫌なリク。その後、盲目の少女、プリムヴェール・ティラォンとリア・エルル・アスティアと仲良くなったのであった。
しかし、その後、リクは不幸な出来事に遭う。
「とりゃあああああ!」
森で突然、熊のような大男に捕まってしまったのだ。果たしてリクの運命は?




