第6話 ほとんどざまあ。お役目終了?
いよいよざまあ!
……まだ続くの? でございます。
「アントラサイト。なぜお前が聖獣様と聖女コーパルの近くに?」
なぜ?
問い返したい王子の問いを、おんおんが一喝!
『王子よ。我の命を覚えておらぬのか! 許可を得るまで聖女の視界には入るなと申したであろう!』
「聖獣様、この国の王子としまして、婚約者が聖獣様と聖女の邪魔をいたしませぬようにと……」
『アントラサイト嬢には、我と聖女の近くに在る許しを与えた。むしろ、其方の婚約者たちとの友誼を深めたいという聖女の邪魔をしているのが、其方たちなのだが?』
「滅相もございません! アントラサイト……嬢は、僕らと聖女……様の仲を誤解しておりまして!」
それを言うなら、滅相もないことでございます、だよ……。
『そのとおりだおん』
呆れ念話のおんおんが、モフモフの中から聖魔力で輝く鏡を取り出した。
『……これを見、聞け』
おんおん、威厳のひと言。
聖女ちゃんたちの姿が鏡に現れた。
すごい!
『私は、聖女としましてもまだまだ未熟にございます。皆様も民とご自身の御為に、勉学にお励みくださいますよう。または、ご婚約者様方のもとでお過ごしくださいまし』
あ。スレで話題になった『聖女ちゃんはまともな件について』だ!
聖女ちゃんは、真面目に勉強したい、な子。だから、ほっといてやれよ! なんだよね。
こいつらだと、聖女じゃなくても特待生レベルな学力の聖女ちゃんには勉強を教えられないの。全員、悪くはないけど、なくらいだから。
「解釈に齟齬が……」
『そのようなものは、無い。其方たちの家々にもこちらは伝えてある。令嬢たちならびにそれぞれの家へは正式に詫びをと、国王らが申していた。追って沙汰もあろうが、其方らの有責による婚約解消は当然と心せよ』
「ちちう、国王が……」
「そんな……」
「まさか……」
取り巻きたちもかい!
いや、まさか、じゃないでしょうよ。
それにしても。
ざまあ全開? 展開早いなあ。
私、お役目果たせてるのかな?
ちょっと、心配。
『お役目、してくれてるおんよ。おんおんに希を叶えさせてくれたおん。聖女コーパルは遠慮して、希をなかなか言わなかったんだおんよ』
ああ、そうかあ。
個人の願いになるから、だね。聖女ちゃん、謙虚。
『性根がなおりそうもない連中が将来国の高位に就くことを阻止する、という意味で民と国のためになる、とおんおんが判断したおん。で、聖女ちゃんに伝えて、そのあとでおんおんと一緒にあなたを呼ぶ準備をしたんだおん』
なら、私はお役目完了かな。
まあ、アントラサイト様と直接会えたから、ね。
あ、帰る前に、おんおんをたくさんモフモフさせてもらおうっと!
『え。まだばいばいには早いんだおん!』
……なんですと?
あと二話、続きます。よろしくお願い申し上げます。