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冒険者として活動し始めて一週間。

レベルの上昇も緩やかになり、ステータスもだいぶ体に馴染んできた頃。


「そろそろBOSS戦に備えて、武器も買い替えなきゃだね!」

今日も魔物との戦いを終え、武器をみると刃先がボロボロになってきていた。

転移結晶に触れ、街へと帰還する。フロアの攻略も進み10層まで僕はたどり着いていた。


「おじさん!これ下さい!」

「おう!嬢ちゃんまいどあり!」

古い武器を下取りに出し、新しい武器を購入した。

「えへへ、新品はいいね!」

「にしても、どんだけ魔物を倒してきたんだ?ボロボロじゃねーか。」

「んー覚えてない!ずっと塔に籠ってたから!」

「嬢ちゃんは手入れの仕方も覚えた方がいいな。よし、教えてやろう!」

「うん、ありがとう!」

そうしてレクチャーを施された。

「冒険者って、覚えることが多いなぁ。」

「そうだな、でも知識は生存に繋がる。覚えておいて損はないぜ」

「頑張るよ!」


そうして再び塔へと舞い戻る。

さきほどBOSSへの扉は見つけている。今回は事前情報も予習済みだ。

扉を開けると、ゴブリンエンペラーの強化種が待ち受けていた。


8本の斬撃『飛燕剣』が飛んでくる。それを『氷華』で防いだ。

クールタイムがあるうちに敵の懐に飛び込み、斬撃を加える。


スピードは僕の方が上だ。が、力で弾き飛ばされてしまう。

一進一退の攻防が続く、前回同様『氷華』で腕の部位破壊を狙っていく。


『氷華!』ゴブリンエンペラーの腕を2本凍り付かせることに成功し砕く。

敵の攻撃が緩やかになる。そこに更に斬撃を加えていく。


クールタイムを見ながら僕は適宜『氷華』を放つ。

全部位の破壊に成功し、後は一方的な攻撃が続くのであった。


「うん、楽勝だったね!これでセカンドダンジョン解放かぁ。次は昆虫なんだよね…僕、虫は嫌いなんだけどなぁ」


そんなことを一人つぶやきながら街へと帰還した。

ギルドにたどり着き、強化種の素材を売り払う。今回は揉めることなく順調に手続きを済ませられた。


「ロディ!」

「んっなんだ嬢ちゃんか」

「聞いて!今日ね…」

フロアBOSSに挑んだこと。武器を新調し、手入れの仕方を覚えたこと。等を話していった。

「そうか、じゃぁ嬢ちゃんも明日からセカンドダンジョンか。」

「うん!ってもしかしてロディも?」

「あぁそろそろ次の街にいこうと思っていたところだ」

「それじゃあ一緒に行こうよ!」

約束を取次、その場は解散する。

「えへへ、今日は贅沢してもいいよね!」

フロアBOSSを倒し資金は潤沢だった。オーク肉のステーキを注文する。

「魔物肉かぁ、どんな感じなんだろう?」

一口、口に頬張る。とても柔らかく、肉汁が口の中にあふれてきた。

「おぉーこれは美味しいね!」

食事を終え、店を出てしばらく。

「坊主、金を持ってそうだな!俺によこしな」

「僕は、女性だ!」

「おう…そうか…ってそんな事はどうでもいい!」

「懲らしめて欲しいってことだよね!」

「素直によこせばケガをしなくて済んだのにな」

男の剣が、振り下ろされる。それを難なく躱し、懐に潜り込む。

剣の柄で男の腹部を殴打する。

「ぐはっ」

「これに懲りたら、二度と悪さしないことだね」

そうして、駆けつけてきた衛兵に男を引き渡し、宿へと向かうのであった。


「ふぅ、お風呂はいいねぇ。」

魔物との戦闘で汚れた箇所を入念に落としていく。

湯船につかると、僕は少しまどろんでしまった。


ある物語にはこう記されていた。

「勇者とはなんだ!」

「おまえのような悪から人々を守る存在だ!」

「お前と私の何が違うというのだ?生存競争の為、生き物を殺すことで領域を広げるこれの何が悪さだ」

「人には感情がある。」

「魔物にだって感情はある。子だってなすのだそれを殺して回っているではないか?」

それに対して勇者はなんと答えたのだったか…

僕はこう考えた。結局のところ正義とか悪とかはないんだ。自分が守りたいものを守る。どちらも勇者なんだって。そこに快楽を求めるのが魔王だと僕は思う。

楽しみながら殺すもの。勇者ならそこに葛藤が混じる。それだけの違い。


僕は、今のところ魔物を倒すことになんの葛藤も混じらない。言葉を話す魔物がいれば別なんだろうけれど、ダンジョンと塔の魔物は感情を持っていない。


この先僕はどう考え、どう動くのだろう?少なくとも人々の側に立っていたいと僕は考えている。

そんなことを考えながら僕は、部屋に戻り眠りにつくのであった。

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