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勇者と魔王の話は数多く存在する。ひとつだけ言っておこう私にとっての勇者はパパとママだった。
これは実際に魔王が存在していたころの話。
「あーもう退屈だよ!」
変わらない毎日。僕はその日も退屈をしていた。読みかけの勇者物語を投げ出して僕はその場にぱたりと倒れる。ちらりと本をみてつぶやく。
「秘宝かぁ…僕もそんな冒険をしてみたいなぁ」
外の世界は危険が多いと聞いている。魔王と呼ばれる存在が魔物を解き放ち、各地で猛威を振るっていた。
幸い僕たちエルフの里は、結界に守られ平和そのものだった。
「よし、決めた!こうなったら僕が魔王を倒してやる!冒険者になってやる!」
そうして僕事、アイシャは旅立つことにした。
エルフの里からファーストの街へと向かう。その道中で出会ったのが後の旦那様ロディだった。
僕はさっそく外の世界の洗礼を受け、ゴブリンに囲まれていた。
「坊主、こんなところで一人で何してやがる」
そういいながら、ゴブリンを切り倒していく。
「僕は、女の子だよ!」
「んっあぁそうかそれは悪かった。」
「まったく失礼な人だね!でも助かったありがとう!お礼にご飯作ってあげるよ!」
少し離れた野営場所に向かいながらそういう。
「こいつはうまいな!」
「ふふん、でしょ?僕は料理が得意なんだから!」
話を聞くとロディは各地にいる魔物を討伐しながら、冒険を続けているという。
「いいなぁ僕もその旅についていきたい!魔王を討伐するのが夢なんだ」
「っつてもなぁ。レベル差がある。俺には付いてこれないぞ」
「まぁしばらくはファーストの街を起点に活動している。よかったらまたご馳走してくれ」
次の日、僕たちはファーストの街へと到着して、その場で別れた。
「よし、さっそくギルドに登録してダンジョン探索だ!」
午前中いっぱい使用してギルドへの登録を済ませる。
「ここがダンジョンかぁ…じめっとして気持ち悪いね」
出てくる敵はゴブリンとコボルト、物語でよく見かける種族だった。
僕は他の人に比べて少し小さい。自分と同じくらいのサイズを相手にしなければいけない。
幸い力負けするようなことは無かったけれど、それでも、自分と同じサイズのものが自分に殺意を向けてくるというのは恐怖心を少なからず呼び起こす。
「はぁはぁ、なんとか倒せたね!」
そういいながら討伐部位の剥ぎ取りを始める。
「んー昨日も思ったけど、この感触は慣れそうにないなー」
「とりあえずレベルが上がったから次はだいぶ楽になるかな!」
僕はそのまま、階層を下っていく。
さっきの戦闘に比べて能力値は倍になっている。結局レベル差というものはどうにもならないほど大きな壁だ。
「んっまたレベルアップか!体が軽すぎる!慣れるのに時間がかかりそうだよ!」
僕は低レベルだった為、ガンガンレベルが上がっていく。
ステータスに振り回されて、体が付いていかない状態だった。
普通であれば、少しずつ攻略を進めていくものである。一日のうちにこれほどレベルを上げるものはそういない。
僕は、ギルドに登録したその日のうちにフロアBOSSへと続く扉の前へとたどり着いてしまった。
「さすがにBOSS戦は早いかなぁ…でもいけそうな気がするんだよね!」
僕は一瞬、躊躇したが、えいままよ!とBOSSへと続く扉を開いた。
そこには、ゴブリンエンペラーが待ち構えていた。
僕は、エンペラーに向かって駆けだした。相手の剣を躱しながら双剣での斬撃を加える。
相手の剣が振り落とされる。それを『氷華』で防ぐ。相手の腕が凍り付き、僕はそれを砕いた。
腕が一本無くなる、それだけで余裕が生まれる。襲い掛かってくる斬撃を僕は払い、撃ち落し斬撃を重ねていく。
『氷華』でもう一本の腕の破壊にも成功した。これでまた一歩勝利へと近づく。
体が酸素を求めていた。距離を取り、ポーションを煽る。
「ふぅ、なんとかなりそうだね!」
そうして僕はファーストの街、最速でゴブリンエンペラーの討伐に成功するのであった。
「えぇーー今日登録したばかりですよね!もしかして他の冒険者から買い取ったとか…」
「そんなことしないよ!」
そういってステータス画面のログを見せる。
そこには確かにゴブリンエンペラー討伐と書かれていた。
「失礼しました!ちっちゃいのにすごいですね!」
「うん!ってちっちゃいは余計だよ!」
そういって体を乗り出そうとすると後ろからつかまれる。
「はぁお前はなにをやってるんだよ…」
ロディだった。経緯を話す。
「危ないことをするな!」
そういって僕は頭を小突かれるのであった。




