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我は欲望の化身オルタナティブ。今回は我が用意したクエストを紹介しよう。
欲望には捌け口が必要だ。故に我は一つのパーティにつき一つの王国をくれてやることにした。
ここだけの話、NPCは痛みを感じない。そこでは犯罪を含め何をするのも自由だ。
ディア達は博愛主義すぎるきらいがあり、強くこのクエストは反対された。
が、我はこのクエストだけは譲ることが出来なかった。
平和な世界は退屈なのだ。ちっぽけな悪意が無ければ物語は始まらない。と我は思っている。
悪意に立ち向かう事で英雄が生まれることを知っているからだ。
我は英雄が生まれる物語をこよなく愛している。故に自由にできる場所を用意した。
様式美として野党に襲われるお姫様を用意する事から始めるとしよう。
現実世界で碌な護衛をつけずに旅に出るお姫様などそうそう存在しない。
知識チートがしたいという要望にも我は答える。現代は発達しすぎているのだ。
物がそんなに普及していない世界を用意した。なにを持ち込んだとしてもチートになるように。
様々な人間が存在するようにこの王国は様々な発展を遂げるだろう。我は暇さえあればなるべく干渉しないようにこの王国を訪れることにしている。
文明が発達するのが楽しい。悩み苦しむ姿すら我にとっては愛しいものだ。
我の本質は悪なのだと再認識する。
ランク5を超えるとそれぞれの王国に行き来できるようになる。その時、人はどう思うだろうか?
自分たちの方が旨くやっているとほくそ笑むのであろうか?憧れをいだくのだろうか?なぜそんな世界にしたと憤るのだろうか?我はその瞬間を楽しみにしている。
英雄が生まれるかもしれない瞬間だからだ。悪は滅ぼされなければいけない。
悪趣味だと人は言うだろう。諸悪の根源はそれを許している我なのだ。
故に我は魔王とならなければいけない。
滅びろ世界滅びるな世界の精神こそ、世界を延命する為のコツである。
賛同者は少ないだろう。それでも、我と同じ考えのものは現れる。
それを見極めるためにも用意した世界を使うことは出来る。
我こそが真に後継者を求めている。
願いを叶えることの出来る存在となる為には、悪すらも許容しなければならない。
否、悪を愛さなければならないとすら考えている。
永遠を生きるためには滅びも受け入れなければならない。平和な世界というものは全てリセットしてもう一度やり直すべきなのだ本来は。
リディア達が管理者になる際は、どちらを選ぶのか?見ものである。
出来れば我に賛同してほしいと願っている。
世界に必要なものはちっぽけな悪意なのだという事をもう一度言いたい。
発達しすぎた文明はいずれ停滞する。そこに悪意を解き放ちたい。
そこに生じる小さな亀裂がやがて世界の器を大きくするのだ。
永遠を生きるのだ。少しでいい。少しずつでいい。進んでは戻るを何度も繰り返してほしいと我は願っている。
ディアは少なからずこの説明で納得してくれた。
次の管理者も受け入れるだけの精神を持ち合わせてほしいと願っている。
正義こそが我にとっての悪意なのだという事を出来れば学んでほしい。
我にとっての正義は退屈な世界を滅ぼすもの。
魔王が生まれることを心より願っている。それを打倒し、再び管理者に返り咲く。
それを繰り返したい。歪んだ英雄願望。
切磋琢磨できる相手がいるというのはそれだけで幸せなことなのだ。
故に我は人類を鍛え上げる。我を打倒し、魔王となる存在を求めている。
さて、ここまで長い話に突き合せて悪かった。リディア達がこのクエストを発生させた後にこの演説を流れるように設定しておこう。
その時、リディア達がなにを思うのか楽しみである!
我はしれっとした顔をしたまま、飲食を楽しむことにしたのだった。




