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夢を見る。まどろみ訪れる奇跡の時間。
「私の初めての冒険はどうだったかな?」
私に似た少女が私に話しかける。
「えっとディア様でよろしいですか?この場所は…?」
「ここは私のスフィア・ガーデン。夢を見ている間、限定で繋がるように設定しておいたの。えっととりあえずお茶でもいれよっか?」
「はい、よろしくお願いします!」
「で、もう一回聞くけど私の初めての冒険はどうだったかな?」
「正直、私達とそんなにかわらないなー。便利になったなーって感じです!」
「あはは、そうだよね!私だってそんな大した人間じゃないし」
「そんなことないです!ディア様のおかげで安全に冒険が出来るようになっています」
「そうなんだ?みんなで考えたかいがあったよ!それであなたは管理者を目指してくれるのかな?」
「はい!そのつもりです!」
「大変だと思うけど頑張ってね。」
「はい!」
「オルタナは迷惑をかけてない?」
「相変わらず欲望に忠実というか自由にいきています!」
「ふっ我は欲望の化身。当然であろう」
「ってオルタナいたんだ…」
「一緒に取り込まれたではないか」
「オルタナ久しぶりでいいのかな?別れてからこっちじゃそんなに時間はたっていないのだけれど…」
「んっそうでもないぞ。我はちょくちょくきているではないか?ガーデンに引きこもっていないでディアも自由に生きるといい」
「私には管理者の役目があるから。というか最近好き勝手しすぎで大変なんだからね!」
「我だって管理者の一人。自由にできる部分を自由にしているだけだ。」
「ちょっと待ってください。ディア様って生きてるんですか?」
「うむ、生きているぞ。リディアは生まれ変わりなどではない。しいて言うなら先祖返りだ。」
「私は概念で寿命を弄っちゃったからね。だから管理者を求めてはいるけどそんなに焦る必要はないよ」
「そうなんだ…ずっと生まれ変わりだと思っていたからちょっとショックです。」
「それでも魂の波長はほとんど私と一緒」
「故に我とリンクするのも楽なのだ。慣れ親しんだ魂というやつだな」
「なるほど、ってことは私も勝手に体を動かされたりしてるってことですか」
「無意識に介入するのは簡単なことだ。思考もリンクして、食事時などは誘導しておる」
「気づかない内に体動かさせられるからね。統合体は」
「統合体?」
「うん。私たちみたいにリンクしている状態に名前を付けたの」
「統合体の利点はスキルの共有。他の人の経験を自分のものと出来る事だな」
「そう、だから私はパパとママのスキルも使える。オルタナのように願いを叶えることもできる。今はリンクを解除しているから使えなくなっているけどね」
「なるほど、という事は私ともリンクすれば願いを叶える力が使えるという事でしょうか?」
「うむ、まぁ食事時以外リンクする気はないが…」
「管理者ってのは一言でいうとオルタナの面倒を見ることだからね。後は黒い靄の管理。」
「そういった意味では既にリディアは準管理者といえる。良かったではないか!」
「んーそう言われるとあんまり嬉しくないかな」
「管理者になれば一つだけ願いを叶えることが出来るようになっているの」
「うむ、我がその役目を担っておる。」
「だから、願い事を考えておくといいよ!きっとリディアは管理者になれるから」
そう言われて私は戸惑う、私の夢はディア様のような立派な管理者になる事。でも、どーすればそれになれるかは分かっていない。ダンジョンを管理するだけで管理者か?そうではないことだけは分かる。
「なに、簡単なことだ。人々の為に何をなすのか?それを考えるのが管理者の務め」
「そうだね。そんなに難しく考える必要はないよ。どうすれば便利になるのか?それを考えてみてね。宿題だよ」
「はい!頑張ってみます」
「そろそろお目覚めの時間かな?他に何か聞いておきたいことはある?」
「えっとお会いできて光栄でした。またここに来れますか?」
「うーん、そうだね。次の日記帳を使用した時に出会えるように設定しておくよ」
「なに、伝えたいことがあれば我に言えばよい」
「そろそろ限界みたいです。またお会いできることを楽しみにしています。」
「うん。それじゃあ無理だけはしないでね!」
「我もついておる。なにも問題なかろう」
「暴走しないように怒っておいてください!それではまた」
「うん。またねリディア」
そうして、私とディア様の初の邂逅は幕を閉じるのだった。




