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「そこですわ」

目の前にはBOSSへと続く扉が存在している。

ダンジョンの第3層、そこにはゴブリン・エンペラーが待ち受けている。

初心者殺しと呼ばれるそれは、8本の腕で、巧みに剣を操るといわれている。

「遂にBOSS戦だね。」

「ここまで来るのに1か月も鍛錬を積んできましたのよ。成果をみせる時ですわ」

「気を引き締めていくの」

「距離間さえ間違えなければ、問題ないだろう」

「うん。『飛燕剣』にだけは気を付けてね」

扉を開く、中央には挑戦者を待ち受けるかのようにゴブリン・エンペラーが待ち受けていた。

「ぐわぁあああ」咆哮をあげながらゴブリン・エンペラーはこちらに向かってきた。

それをミシャが大盾で待ち構える。

ガシンっ金属がぶつかり合う音が響く。

「こちら側は引き受けたなの」右側を抑えることに成功する。

アリシアと連携しながら左側から攻めることにする。

アリシア・アティの糸が伸び、ゴブリン・エンペラーの腕を拘束しようとするが、剣で切り裂かれてしまう。

大剣を振りかぶり、ゴブリン・エンペラーへと切りかかる。4本の剣を超えることが出来ない。

ガギンガギンっと金属を打ち続ける音だけが響き渡り続ける。

距離を取り、弓に切り替える。剣の隙間を縫って狙うがこれもまた弾かれてしまう。

アリシアの糸が一本の腕を拘束する事に成功し、チャンスが訪れる。

腕の一本に矢が突き刺さった。

「ぐぎゃ」短い悲鳴が上がり、拘束していた糸が外れる。アリシアに向かって剣が振り下ろされる。

それを私は大剣に切り替えて防いだ。それと同時に剣を跳ね上げ、本体に向かって斬撃を放つ。

私の大剣がゴブリン・エンペラーを捉えた。が、浅い。

悲鳴を上げながらゴブリン・エンペラーは距離を取る。

逃がさない。私は弓に切り替えて追撃を行う。数本の矢がゴブリン・エンペラーへと突き刺さった。

『飛燕剣』8方向から斬撃が飛んでくる。私たちはミシャの後ろに隠れ、それを防ぐ。

仕切り直し、ゴブリン・エンペラーが再び肉薄する。私は大剣に切り替えてそれを迎え撃つ。

8本の腕から放たれる斬撃を大剣を盾にしながら、さばいていく。

「お待たせしたなの」そういってミシャの大盾が再び片側を防ぎ始める。

アリシア・アティの糸が縦横無尽に動き、ゴブリン・エンペラーの腕を拘束していく。

残った腕の剣を弾き、私は斬撃を加えていく。再び距離を取り『飛燕剣』が飛んでくる。

それをミシャと私で防ぐ。弓に切り替えてゴブリン・エンペラーに矢を放つ。

足に深く矢が突き刺さりゴブリン・エンペラーが片足をついた。

大剣に切り替えて、ゴブリンエンペラーへと斬撃を放つ。体の中心を捉えたそれは確かな感触と共にゴブリンエンペラー討伐を達成した。

「やったんですわよね…」

「うん。強敵だったね!」

「腕がしびれているなの」

「よくやったぞ。さすが俺達の娘」

「そうだね。100点満点あげよう」

「BOSSの瘴気なかなかの美味であった」

BOSSを解体し、一回り大きな魔石を回収する。これがランク1に昇格する為の条件となる。

私たちはギルドに報告する為に街へと戻るのだった。

「おめでとうございます!ランク1昇格です!」

「「「ありがとうございます」」」

「これでインスフィールの塔に挑めますわね」

「うん!明日に備えて今日はもう解散でいいよね」

「ゆっくり休むなの」

「そうだな。塔の敵は普通のダンジョンより手ごわい。しっかり準備するんだぞ」

「といっても明日からは僕も手伝うから。守りはまかせてね」

「我はより濃い瘴気を食すのを楽しみにしておる」

そういいながら解散する。

「今日はお疲れ様」

「うん、大変だった。誰も傷を負わなくてよかったよ。」

「そうだな、安定した戦いぶりだったぞ。俺の出番がなくてよかった」

肉体をリンクしている為、自由に体を動かすこともできる。いざとなったらロディに切り替わる予定であった。それではディアの成長に繋がらない。鍛錬する際には重宝していた。

「我慢しなきゃいけないのもつらいよね」

「でも、それが親の務めだからな」

「うん!見守ることも重要だよね!」

「うむ、我もそう思う。成長する為には冒険しなければならない」

家へとたどり着く、お風呂を用意しながら、帰りに買ってきた食材でアイシャが料理をし、お腹を満たした。

腕輪から装備品を取り出し、ロディが整備を始める。

そして、お風呂を済ませ眠りにつくのであった。

インスフィールの塔の攻略、次のダンジョンへ向けての期待でなかなか眠りにつくことは出来なかった。

次の日、寝坊して怒られたのはここだけの話だ。

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