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1-11

強化種との戦いの日の翌日。私は「ディアの日記帳」を使用する。

黒い靄に包まれ私の意識は遠のいていった。

「そろそろギルドに向かうべきではないか?」

「おはよう。オルタナ」

私はオルタナに声を掛けられて目を覚ます。

そう今日は私が初めてダンジョンに向かう日だ。急いで朝食を済ますと私はギルドに向かって駆けて行った。

「遅いですわよ。ディア。」

そういいながら汗だくの私に向かってハンカチを差し出す。

「ありがとう。アリシア。」

私は素直にそれを受けとって使わせてもらうことにする。

「おはようございます。ディア様」

「おはよう!ミシャ!」

ダンジョンに向かうためにはまず講習を受ける必要がある。

午前中いっぱい掛けて私たちは冒険者の基礎を叩き込まれた。

「いよいよダンジョン攻略ですわね」

「うん、どきどきする!」

「我も楽しみなのである!」

「お嬢様たちは私が守るなの」

「あぁ俺たちもついている。周囲の警戒は任せろ」

「危なくなったら僕の『氷華』で守ってあげるからね」

ダンジョンにギルドカードを掲げるとダンジョン内に転移した。

「ここがダンジョン…」

「なんというかじめじめしていますわ」

「ちょっと気持ち悪いなの」

「そうなのだ。我のいたところもずっとじめじめしておりずっと不満だった」

「まぁ慣れてしまえばどうという事はない」

「僕はいまだに慣れないかなぁ」

そんな会話をしながらダンジョンの攻略に乗り出すのだった。

探索を開始し、一時間ほど、1体のゴブリンと出くわす。

「アレがゴブリン…」

「思ったよりも小さいですわね」

「それでも魔物なの。気を抜いてはダメなの」

「一般的なサイズだな」

「そうだね。まずは弓で引きつけてみよう!」

その提案で私は腕輪を弓に変形し放つ。ゴブリンの肩に命中させることに成功する。

怒ったゴブリンが私達に向かって突進する。

それをミシャさんが大盾で防ぐ。その隙にアリシアが糸でゴブリンを拘束する。

私の大剣でゴブリンはその場に倒れた。ゴブリンから黒い靄があふれ私達に吸収される。

時間が経つと魔物は消えていく仕様らしい。

「初戦としては悪くないのではないか?」

「そうだな。ちゃんと連携も取れているようだし。」

「そうだね!あとは剥ぎ取りをしなきゃ」

ゴブリンの討伐部位は耳と魔石。それを私達は剥ぎ取っていく。正直戦闘よりもこちらの方が苦戦する。

やはり生き物を解体するのは抵抗感があった。

()は思う。ドロップのシステムに切り替わっていて良かったなぁと正直解体作業は思ったよりもグロかった。

「それじゃあクエスト達成の為に後、2体探しに行こう!」

「警戒は怠るなよ?」

「分かったよ!パパ・ママ!」

「先ほどのように順調にいけばいいのですけれど」

「気を引き締めていくなの」

次に出会ったのは2体のゴブリンだった。

先ほどと同様弓に変形させた腕輪で牽制を行う。一体は肩、もう一体は太ももに命中させることに成功する。

ゴブリンの攻撃がミシャの大盾に吸い込まれていく。その隙間を縫って私は大剣を振りかぶる。が、躱されてしまう。もう一体のゴブリンが追いつき。私に向かって攻撃を仕掛ける。

ゴブリンの攻撃が私の腕を掠めた。アリシアはミシャと連携を取り一体のゴブリンに対して拘束を試みている。

私はもう一体を受け持つことにする。ゴブリンの錆びた剣と私の大剣が重なる。

私が打ち勝った。最弱と呼ばれる魔物。それほど力はないらしい。

跳ね上げた剣の隙間を縫って私の大剣が振り落とされる。一体倒すことに成功する。

その間にアリシアもゴブリンの拘束に成功していた。私は止めを刺すために駆け寄っていった。

「念の為、ヒールなの」

暖かな光が流れ込み、私の傷が塞がる。

「ありがとう。ミシャさん」

「今回は戦闘らしくなったな」

「そうそう順調にはいかないよね」

「避けられたときはひやりとしましたわ」

「さすがに2体以上になるとやっかいなの」

「ふむ、痛みというのも悪くはない」

解体をしながら私たちは今回の反省会を行った。一回のミスが致命的になる。それが冒険だという事を改めて知ることが出来た。

冒険というのは常に死と隣り合わせだ。自分の能力を見誤り死んでいく冒険者は多い。

自分に出来ることを少しずつ増やしていこう。そう心に誓うディアたちであった。


「おかえりなさいませ」

ギルドに来て今回の報告を済ませる。報酬を受け取り、宿屋へと私たちは戻っていった。

「お風呂ーですわ!行きますわよディア・ミシャ」

「おーなの!」

「あぁ、なんというか俺が居たたまれない…」

「こればっかりは仕方ないよね」

「お風呂はいいものである」

こうして私たちの初めてのダンジョン探索は終わりを告げた。

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