幕間 ある復讐者の独白
二度とはないはずだった機会が再び巡ってきた。
一日千秋の思いで、訪れる可能性がゼロに等しいこの復讐のチャンスを待ち焦がれてきた。
今心にあるのは、狂おしいまでの歓喜。
やっと、やっと、この場所に。
ようやく全員が揃った。十五年前のままに。
もうずっと昔に終わったこと?
この胸で燃え盛る復讐の炎は、五十年経とうが鎮まりはしない。
許さない。
絶対に、許さない。
命を奪ってまで手に入れようとした遺産ごと、お前達の全てを奪ってやろう。
奴らを地獄に突き落とすために、この場所へと舞い戻ってきたのだから。
外部から持ち込まれた機器は全て遠隔操作が妨害されるが、内部のネットワークは館内の隅々まで張り巡らされている。
すでに全てのカメラやセンサーから集まる情報は掌握できた。
この屋敷にいる人間はもはや、一人残らず監視下にある。
公開処刑が始まるのは、もう間もなくだ。
喉から手が出るほど欲していた遺産を目の前にぶら下げられたまま、その遺産によって恐怖の内に悶え死ね。
まずは第一ゲームだ。
最初に処刑台に立たせるのは、この中の誰にしようか?
妙な動きを見せた奴からにしよう。
ようやく舞台に役者が揃った。
さあ、あの日の続きを始めようか。