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臨時パーティ

俺はミノタウロスに殺されかけたところを、俺と歳があまり変わら無さそうな少女に助けられた。

……ってか、

聖剣(ホーリーセイバー)…?何で、その技を…?」

何で、神殿騎士しか使えないはずのスキルを使えるんだ…?そう指をさしながら聞く。すると、

「……実は私は教会の奴らに裏切られてな。このダンジョンに捨てられたんだ。」

とニヒルと笑う少女。……こんなにも若い、未来ある少女を捨てるなんて…!

「教会は、腐ってんだな。」

と小さくつぶやく。すると、

「フッ、どんな所でも、どこかは仄暗いとこはあるもんだ。そうしなければ、この世界では切り捨てられるんだ。」

とどこか遠い目をしている。

「……助けてくれてありがとうございました。あと、名前を聞いても良い、か…?」

立ち去る前に名前を聞いておこうと思って話を振る。

「……人に名前を聞くときは自分から言うべきでは?」

と言われる。俺は、そういや父さんにも教えられたっけ?

「ああ、俺はロッド。『獣王の双牙』の元パーティメンバーだ。」

そう自己紹介すると、

「そうか。ロッドだな。私はリーネ。元神殿騎士だ。よろしく頼む。」

と手を差し出されたため俺は理解をできていないがとりあえず手を取るすると、ピロン!と音が鳴り、

『リーネの臨時パーティへと加入しました。』

と頭の中に流れて来る。

「え!?り、臨時パーティ!?ど、どういう事!?」

そう混乱していると、

「お、上手くいったか!と、言うわけで、これからこのダンジョンを抜けるまで一心同体というわけだ!よろしく頼む!」

とリーネが屈託のない笑みを見せる。どうやら一緒に行ってくれる人を探していたようだ。……別に俺には助けて貰った恩があるから言ってくれればこんなことしなくても…。そう思いつつ俺は、

「ははは! じゃあ、これからよろしくお願いします。」

そう言い、ミノタウロスの斧と魔石をバッグに無理やり入れる。その後、この階層から出るため、下に降りようとすると、

「ああ。あと敬語はいらないぞ。してロッド、何で下の方の階層に行こうとしているんだ?戻るなら普通上のほうに向かうはずだろう。」

と、リーネが不思議そうに聞いてきた。

「あー、あの長い道のり戻るよりも、あと一階層でボス戦だからそっちの方が楽でいっかな。と思ったんだけど…。」

と言うと、

「……私たちでボスに勝てると思うか?」

と聞かれたので、

「まあ、俺のスキルの効果、効果範囲がどこまでか分らないから俺のことは当てにならないと思うが、リーネの聖剣(ホーリーセイバー)があれば余裕だろ?」

と言ってほほ笑むと、

「ロッド、すまない。言い忘れていたことがあった。実は私の使う『聖剣(ホーリーセイバー)』は一撃に特化した攻撃だ。故に魔力を大量に消費するため、一日に数発撃つことはできない。」

と言ってきた。……マジか。まあでも、どうりであの威力。くそ、これは想定外だぞ!どうすれば、どうすれば良い!?

そうして考えていると、一つ思い出すことがあった。あいつら、『獣王の双牙』とのミノタウロスに襲われたときに言っていた言葉。

「――!そうだ!MPポーション!あれがバッグの中に入っていたはずだ!!」

そうして

守った荷物の側まで行き、バッグの中身を漁る。確か、MPポーションの色は薄い紫色!そうしてバッグの中を漁っていると見つける。薄い紫色の液体が入った瓶。

「あ、あった…!これをリーネに飲ませれば…!リーネ!」

と今先ほどあったことを説明し飲んでもらうためにこっちに呼び寄せる。俺も荷物を持ってリーネの方へと向かう。リーネはこちらに来て、

「何かあったのか?」

と聞いてくる。俺はこのダンジョンから早く出たい!出られるかもしれない!そういう思いが強くなり、早速話し始める。

「実はこれを見てほしくてさ!」

そう言いMPポーションを見せる。

「これは?」

「MPポーション!これを飲むと魔力が回復すんだ!因みにHPポーションもあるからこれもあげるな!」

と言い、リーネにMPポーションを5個、HPポーションを5本押し付け……ゲフンゲフン。渡す。……いや、しょうがないじゃないか!今まで耐えてきたけどあの荷物超重いんだぞ!少しぐらい負担を分け合っても…って違う!俺はリーネを万全の状態で挑ませたいんだ!じゃなきゃ帰れないかもしれないし!

そうやって言い訳していると、

「ロッド、何故、MPポーションがこれほどまでの量を…!?」

戦慄していた。

「いや、それ低品質のMPポーションだから安いだけじゃないか?」

「いや、そんなことは無い!私の目がおかしくないのなら、このポーションは全て高品質のMPポーションだぞ!?」

と有り得ない話をしてくる。全部高品質?んなバカな。俺が買い出しに行ってちゃんと証言をもらって買ったんだぞ?

「まあもうそんな事は良いからさ、それ飲んで準備してくれ。用意ができたら呼んでな。」

そう言い、待っていると、

「わ、分かった。なら遠慮なくもらおう。」

そう呟き、MPポーションを一気飲みする。すると、

「お、おl!今まで倦怠感が凄いあったが急になくなったぞ!流石だな!高品質のポーションは!な、なら一応こっちも…!」

そう言いHPポーション一気飲み。反応は、

「ふおおぉぉ…!こ、こちらも凄いな!今までの疲れがすべて飛んで行くようだ!あんなに重かった身体が今じゃ羽のように軽い!やはりどちらも高品質…!」

……なんか、小さな声で言ってるけどなんて言ってっかいまいち聞こえないな…。まあ、いっか。

「準備できたか?」

そう聞くと、ビクン!として、

「あ、ああ。問題ない。準備万端だぞ!」

「なら、行こう!頼りにしてるぞ!」

そう言い、ボス階層へと向かうのであった。


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