星屑
雪を意図的に降らせることが出来る割合は二割より少ない位になった。
その間にも邪木は数を増やし、あちこちに出現しているらしい。
ディーデリヒ様は討伐部隊のメンバーを決めて発表された。
研究家の中からも数名メンバーが選ばれていた。
私は後詰めにいることになったので、ディーデリヒ様の様子は分からない。
「おそばに」とわがままを言ってしまいたかったけれど、命を懸けて戦う人にわがままをぶつけるのは違うと思ってやめた。
私がしなければいけないことは後方でちゃんと必要な分の雨を降らすこと。
出来れば邪木の動きを止められてかつ効率よく凍らせられる雪を降らせること。
一番大きな群れが現れているという森に向かう。
ディーデリヒ様は戦装束をまとっていた。
私も巫女のドレスを着ている。
「ご武運を」
私がそう言うと、ディーデリヒ様は私の手をとって強く握りしめた。
ディーデリヒ様の手は少し冷たい。
氷結の力が指先までいきわたってるときは冷たいのだと聞いた。
そのひんやりとした感触が私は好きだ。
戦いというものがどういうものなのか私は戦ったことは無いので知らない。
だから彼の無事を祈ることしか私にはできない。
「これが終わったら結婚式を挙げよう」
ディーデリヒ様が私に言った。
今までの私なら、私なんかと返事に悩んでしまったかもしれない。
けれど、その時の私はただ素直に「はい」と頷けた。
私に青空をくれた人と幸せになりたいと素直にそう思えた。
ディーデリヒ様はにっこりと笑顔を浮かべると「君の元までスターダストを届けます」と言った。
「星を?」
私が聞くと、「それは見てからのお楽しみさ」とディーデリヒ様は言った。




