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雨降りの巫女と氷結の魔法士  作者: 渡辺 佐倉


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 今日もいい雨ですね。

 毎日している挨拶を思い出す。


 私はこの挨拶が好きだ。

 とてもとても好きだ。


 私の咎は何もないのだと言われているようで。

 私がそこにいていいのだと伝えていてくれるようで。


 ディーデリヒ様は私が雨を降らせることに感謝していると言っていた。


 彼にとって、私がアルノー様の元にとどまるのと、彼の元で雨を降らせるのとどちらがより役に立つのだろう。


 ディーデリヒ様に「今日もいい雨ですね」と言って欲しい。


 けれど、本当に水魔法士の地位向上に役に立つのならそちらの方がいい気もする。


 それに、自分が結婚するかもしれない。と考えたときに気が付いてしまったのだ。

 貴族であるディーデリヒ様もきっと近い将来結婚するのだと。


 結婚が半ば貴族の義務であることは短い勉強の期間でも分かっている。

 愛を育むディーデリヒ様の近くでそれを見ながらただ雨を降らせ続けることのが私にできるのか。


 ヨイヤミさんが私たちの力は感情に左右されると言っていた。

 幸せそうなディーデリヒ様を見て果たして私は『今日もいい雨ですね』と言ってもらえるような雨を降らせ続けられるのだろうか。


 それならば、迷惑をかける前に彼の役に立つ形で離れた方が良いのではないか。

 大きな戦闘の時はそこへ共に行けるように。

 そういう約束をとりつければいいのではないか。


 こういう時、人はどうやってどちらかの道を選ぶのだろう。


 読んだ物語では友に相談している場合が多かった。

 けれど、私に友と呼べる人はいない。


 こういう時は誰に相談したらいいのだろう。


 ラウラ先生は話を聞いてくれるのかな?


 水魔法士達は皆団結していてお互いに色々話せるのかもしれないけれど、私はまだそこまで仲のいい人もいない。

 そもそも友達というのはどう作ればいいのかも分からない。


 それを相談する人もいない。


 堂々巡りだ。


 とにかくまずは、予想通り、婚約者候補となるかもしれないことをきちんと報告せねばならない。

 そんなことばかり考えていて、その日私はお茶会以降自分で何をしているのかよくわからなくなってしまっていて、気が付いたら婚約者候補の部屋のベッドの上だった。


 勉強も今日はあまりできていない。

 役に立たないといけないのに何もできていない自分に少し嫌気がさした。


 雨は今日も降りやまない。

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