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9話

オレの名前は五十嵐友祈(イガラシトモキ)


二十一才無職


ではなくて


今はソウとマロンの家の家政夫


そして、ソウの助手?


家政夫は職業だけど助手って職業なのか?


まあ、どうでもいいか


ソウとマロンはヤクザに追われてガケから落ちたオレを助けてくれた


ソウはカミサマでマロンはアクマだ


そして、オレは昨日役所で住人登録して身分証なるものをもらった。その身分証に区分と言う欄があり、(ニンゲン)と記載されていた。マロンが言うには、オレは人間界から来たから、(ニンゲン)、マロンはアクマ界から来たから(アクマ)、ソウはカミサマ界から来たから(カミサマ)なのだそうだ


ソウの家は神社だ。ソウは神社の仕事の他に居酒屋を二店舗経営している。オレはソウに『神社を継いで欲しい』って言われている


ソウの神社には、昔の偉い人が、神様として祀られているらしい

『ソウの神社にもきちんと神様が祀れ(まつら)ているよ、ずっと昔、この世界を守った偉い人、名前なんだったかな?それは、忘れたけど』って昨日マロンが言っていた



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「トモキ、明日は休みにするから」


ソウが夕飯を食べ終わってから突然言った


「休み?」


「うん、トモキ、ウチ来てからずっと働き通しだったし、それにこれからは忙しくなるから」


「忙しくなるって?」


「来月お祭りがあるんだよ」


答えたのはソウではなくマロンだった


「お祭り?」


「うん、三日間開催されるんだ。その準備がいろいろとあるから」


と、ソウが言う


「神輿の担ぎ手(かつぎて)を募集したり、白張り(しらは)を準備したり、あと、役所の人や商店街の人たちとも打ち合わせしたりしなきゃないからな」


と、マロンが言う


「お神輿が出るの?ってか白張りって何?」


「神輿の担ぎ手が着ているだろ?白いやつ、オマエはもう少し神社関係のこと勉強した方がいいぞ」


自分だって神社に祀られている人の名前忘れたって言ってたくせに何言ってるんだよ


「ソウ、神社に祀られている人の名前って何?」


「名前?」


「うん、昨日マロンが『ソウの神社にもきちんと神様が、祀られているよ、ずっと昔、この世界を守った偉い人』って言ってたから」


「あっ、そうか、トモキにはきちんと教えていなかったね、と言うか、、マロンは中途半端に教えたんだね」


と、ソウは言いながらチラリとマロンの方を見た


マロンが少し萎縮しているように見える


「この世界ははるかずっと昔は二つに別れていたんだ、東と西に、そして、仲が悪くていつも戦いをしていた。でも、その戦いを終わらせて二つの世界を一つにまとめて今の平和な世界を作った人がいたんだ。東の世界の巳之松(ミノマツ)さんと西の世界の巳之助(ミノスケ)さん。この世界の住人たちはこの二人に凄く感謝して、二人が亡くなったあと、神社を建てて、神様として祀ったんだよ。ボクの神社に祀られているのが巳乃松さんでニシさんの神社に祀られているのが巳之助さんだよ」

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