3話
オレの名前は五十嵐友祈
二十一才無職だ
ヤクザに追われてガケから落ちた所を二人の男に助けられた
カミサマだと言うソウとアクマだと言うマロン
現在オレはこの二人の家にイソーロー中
ソウがカミサマの会議があるからと言って出掛けてから一週間が過ぎた
その間マロンのキゲンはすこぶる悪かった
今回ソウに連れて行って貰えなかったことがよほど気にくわないらしい
「だいたいさ、なんで一週間なんだよ、いつもだったら三日で帰ってくるのに、それにさ、オレを連れて行かないなんてことはイマまで一度もないんだぜ?」
「オレに、そんなこと、言われても、、、ソウに何か事情があるんでしよ?」
オレが言うと
「まあ、オマエを一人だけおいていけないというのは事実だしな、それにしても、、、」
マロンがいいかけた時、マロンのケータイが鳴った
マロンは嬉しそうに
「もしもし、ソウ?」
と言って電話に出たが直ぐに浮かない表情になった
「どうしたの?何かあった?」
「会議は終わったけど、寄るところがあるから帰りは明後日だってさ!!」
確実にさっきより苛立っている
「絶対に、おかしい、ソウはオレに何か隠しごとしているに違いない」
「隠しごと?」
「人間界ではよくあるだろう?旦那や恋人が出張だと言って、ホントは浮気旅行に行っていたなんて話」
エッ?待って?
マロンとソウって恋人?
オレ、そう言うのに疎いから全然気がつかなった
「まあ、ソウはオレの旦那でもないし、恋人でもないけど、、、」
マロンはあわてふためいて言葉を付け足した
「そんなに気になるなら、聞いてみれば?」
「聞けるかよ!オレは変なこと言ってソウにきらわれたくないからな」
「じゃあさ、アクマなんだから、魔力とかあるんでしょ?その力で調べればいいんじゃない?」
「ハア?オマエバカなの?アクマだからって、魔力があるとか、そんなわけないじゃん。それは人間が勝手に作り上げたものさ、、ホント人間ってヤツはワガママで自分勝手だよ、何か悪い出来事がおきたらさ、、自分たちの何が悪かったかなんて考えることもなく、すぐに、アクマや悪霊などのせいにするだろう、アクマだって、幽霊だって人間に対して悪さなんてしないのにさ」