22話
オレの名前は五十嵐友祈
ヤクザに追われてガケから落ちたオレをソウとマロンが助けてくれた
ソウはカミサマでマロンはアクマだ
ソウの家は神社だ。ソウは神社の仕事の他に居酒屋を二店舗経営している。いわば社長だ。そして、マロンはソウの秘書だ。
そして、オレは、ソウに神社と居酒屋の経営を継いでほしいと言われている
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「ただいま」
西澤さんの神社の手伝いから帰ると
「お帰り」「お帰り」
ソウとマロンが一緒に出迎えてくれた
「今日は節分だから、キムパプとチュンピンだよ」
ソウが言う
「?」
「オマエがまえにいた世界の恵方巻もあるぞ」
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「ごちそうさまでした、オレ、チュンピン初めて食べたけど、おいしかった」
「良かった、トモキに美味しいって言ってもらえて」
ソウが言う
「あっ、そう言えばさ、節分祭の豆まきの掛け声って、鬼はうち、福はうちなんだね」
「うん、この世界には色々な種族がいるでしょ、皆平等だからね、鬼も人も皆幸せになるように、鬼はうち福はうちって言うんだよ」
ソウが言うと、マロンが
「だいたい、鬼だからって、悪いやつばかりじゃないし、ニンゲンだからって、悪いことしないともかぎらないだろう」
と、言った
オレは、それもそうだなと思った
昔読んだ絵本でも、良い鬼が登場するお話もたしかにあった
「そうなんだね」
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本当は節分祭の掛け声のことを聞きたかったわけじゃない
この世界はオレが元いた世界とは違うのだから、風習も違ってあたり前だと思っている
本当にオレが聞きたかったことは、何故ソウはオレに神社と居酒屋の経営を継がせたがるのか?マロンとソウの関係って何?そして、何よりも、今日西澤さんが言っていたオレが似ているという『あのお方』とは誰?
でも、聞けない。多分、聞いてはいけないことなのだろう。だけど、神社を継がせたがる理由だけは、聞いても良いかな?
だって、一番重要なことだよね
だって、理由もわからずに、『神社継ぐよ』なんて軽々しく言えない




