19話
オレの名前は五十嵐友祈
ヤクザに追われてガケから落ちたオレをソウとマロンが助けてくれた
ソウはカミサマでマロンはアクマだ
ソウの家は神社だ。ソウは神社の仕事の他に居酒屋を二店舗経営している。いわば社長だ
そして、オレは今はマロンと一緒にソウの秘書をしている
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マロンが、『これから、年末年始に向けて、居酒屋も神社の仕事も忙しくなるから』と、言っていた通り、年末年始はとても、忙しかった。ソウの神社は、普段はあまり、参拝客などこないのだが、やはり、お正月は特別なのだろう。西澤さんの神社ほどではないが、それなりに、参拝客も来たし、居酒屋の方も、忘年会や新年会などの予約がかなり入って忙しかった
それに加えて、ソウの思惑通りに、オレはK学院大学を受験することになったので、オレのスケジュールはいつもギシギシだった。まあ、受験は、前にソウが言っていた通り、書類提出して、面接だけだったので、受験勉強する必要はなかったから、それがせめてもの救いだった。これで、受験勉強が必要だったら、確実にオレはぶっ倒れていただろうと思う
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一月の末日に合格通知がオレの元へ届いた
「おめでとう、トモキ」「おめでとー」
ソウとマロンが同時に言う
「ありがとう」
とは、言ったもののオレは少し複雑な気分だった
正直、ソウの神社を継ぐ覚悟がまだオレにはない
それでも、K学院大学に通ってもよいものだろうか
「合格祝いしなくてはいけないね、あと、入学式にに着るスーツも買わないとね、マロン、明日は確か、何の予定もなかったよね」
「ああ、そうだな」
マロンが言う
「じゃあ、明日、スーツを買いに行こう」
「スーツを買う?いらないよ、スーツなら、今、仕事で着ているのが、あるし」
「あれは、仕事用でしょ。それに、もう一着くらいは持っていた方が良いよ。ボクが、合格祝いとして、プレゼントするよ」
「いらないよ、だって、この前もスーツ買ってもらったし」
今、仕事で着ているスーツもソウが就職祝いと言う名目で買ってくれたものだ
「遠慮しなくて良いんだよ」
「遠慮とかじゃなくて、、」
遠慮とかじゃなくて、本当にそんなにスーツいらないと思うんだけどな
「ちょうど、ボクとマロンのスーツも新調しようと思っていたところだから」
「でも、、」
「じゃあ、こうしよう。スーツは買いに行く、でも、、合格祝いじゃなくて、出世払いと言うことで」
「出世払い?」
「うん、将来、出世したら払うっていうことで、決まりね」
出世なんか、オレ、できないと思うんだけどな




