15話
朝食の準備をしようとキッチンに行くとソウがいた
「ソウ、おはよう、早いね」
「おはよう、トモキ、昨日はゴメンネ」
ゴメンネってなんだろう?ソウとマロンがケンカしたこと?
「別に気にしてないよ、お粥?えっ?ソウが熱あるの?それとも、マロン?」
「風邪じゃないよ、マロンは今日二日酔いだろうからね、マロンは二日酔いの時はボクが作るこのお粥じゃなきゃダメなんだ。白菜とミョウガを入れたお粥だよ。そのうえに大根おろしをのせるんだ。さっぱりして食べやすいからね」
マロンは昨夜ソウとケンカして出掛けたあと、酔いつぶれて帰って来た
「そうなんだね」
お粥の他にもしじみ汁とだし巻き玉子も作ってある
「ボク、マロンにこれ、食べさてくるから、トモキは少し待っててね」
「わかった」
食べさてくる?ソウは、やっぱり優しいんだな。ってか、マロンはソウがオレに甘いって言ってたけど、マロンだって大切にされてるじゃないか
しばらくすると、ソウがマロンのところに運んで行った食事をそのまま持ち帰って来た。マロンは食欲がなかっのだろうかと思っていると、ソウの後ろに隠れるようにして、マロンが立っていた。ソウよりマロンの方が体が大きいから隠れ切れてはいないけれど
「どうしたの?ソウ、マロン」
「マロンが朝食はみんなで食べたいってさ、それに、、」
ソウがいい掛けると
「おはよー、トモキ、、えっと、、昨日は、、ゴメン」
と、マロンが言った
「おはよう、マロン、、別に気にしてないよ、、」
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「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
三人ほぼ同時に、食べ終わった
「片付けはオレがやる」
マロンが言う
「片付けはオレがするから、、だって、オレ、家政夫じゃん」
だって、オレは家政夫兼助手として、ソウに雇われてここに住まわせてもらってるんだよ。昨日の夕食も今日の朝食もソウが作ったんだよ。片付けとかもしなかったら、オレ、ホントにここにいる意味なくなるじゃん
「そんなこと気にしなくて良いって言ったでしょ」
「そんなこと気にするな」
ソウとマロンが同時に言う
ソウが言うのはわかるが、マロンまで言うなんてどうしたんだろう
「ボクもマロンもトモキのこと、大切に思ってるって言うことだよ」
「?」
「トミさんのお孫さんだからね」
そう言えば、死んだばあちゃんの知り合いみたいなこと、前に言ってたけど、どう言う知り合いなんだろう?ってかなんでソウとマロンはばあちゃんと知り合いなんだろう?ソウとマロンが人間界に居たことがあるのだろうか?それとも、ばあちゃんがこの世界に居たことがあるとか?
「前から、気になってたんだけどさ、ソウとマロンってばあちゃんとどういう知り合いなの?」
オレは今まで聞けなかったことを思い切って聞いてみた
「知り合い?知り合いって言うよりトミさんはボクとマロンの恩人なんだ、だから、トミさんに恩返しをしたいとずっと思っていたけれど、トミさんはもういないでしょ」
ばあちゃんはオレが高校を卒業してまもなく、亡くなった。それから、オレはずっと一人で生きて来た
「だから、トミさんの代わりにトモキに恩返ししたいと思っている。トモキには幸せになって欲しい、マロンも同じ気持ちだよ」
ソウはマロンの方をチラリと見た
「オレだって、トミさんには感謝しているし、トモキには幸せになってもらいたいとは思っている、、だけど、、ソウが、、トモキに優しくしているところをみていると、、ときどき、、イヤな記憶が、、」
「イヤな記憶?」
「トモキが気にすることじゃないよ。ボクもマロンもすごく長い間生きているからね。色々なことがあるんだよ」




