14話
「ただいま」
「お帰りトモキ、夕飯出来てるから食べよう」
ソウが言う
「えっ?」
「どうしたの?」
「あ、いや、最近オレ、家政夫としての仕事してないんじゃないかなと思って」
「そんなこと、気にしなくて良いよ。それに、他の仕事たくさんしてもらってるし、今日だって、ニシさんの神社の手伝いに行ってもらったしね」
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「そう言えばさ、今日、西澤さんが『ソウさまはこの世界の神社全てを取り仕切ることのできる偉いお方』って言ってたんだけど」
オレは夕飯を食べながらソウに聞いてみた
「別に偉くはないよ、ただ、試験に合格したって言うだけだから」
「宮司になるのに試験があるの?」
「まあ、そうだね」
まあ、そうだねって簡単に言うけどさ、じゃあ、オレ、やっぱりこの神社継げないんじゃないの?オレはソウに『この神社を継いでほしい』と言われている
「じゃあさ、もし、オレがこの神社継ぐにはさ、ソウと同じ資格?みたいなものを取らなきゃないけないんじゃないの?」
「別にそう言うわけではないよ、この間言ったでしよ、K学院大学で勉強すればこの神社は継げるよ」
良くわからないけど、まあ、いいか
「もし、オレがこの神社継いだら、ソウとマロンはどうするの?」
「マロンと二人山奥に引っ込んでのんびりと隠居生活を楽しむよ」
「居酒屋はどうするの?」
ソウは神社の仕事の他に居酒屋を二店舗経営している
「誰かに譲るよ、、まあ、ボクとしては居酒屋の経営もトモキに継いでほしいんだけれどね」
「はあ?ソウ、何言ってるんだ」
さっきまで、黙々と食事をしていたマロンが急に口を挟んだ
「神社の件は聞いていたし、オレも納得している。だけど、居酒屋の件は、オレ、何も聞いてないぞ」
「まあ、言ってないからね」
「だいたい、ソウはコイツに甘過ぎるんじゃないのか?」
マロンがオレの方を見て言う。確かにオレもそう思う。死んだばあちゃんの知り合いらしいから、オレに親切にしてくれるんだとは思うが度を越してるんじゃないかなと思う時がある。この間オレが熱を出した時だって、ソウは仕事を休んでオレの看病をしてくれた。ソウがオレにここまでしてくれる理由ってなんなんだろう?
「マロン!!」
ソウが言う。いつもだったらこの一言でマロンは黙り込んでしまうのに、今日は違った
「ごちそうさま、、オレ、出掛けて来るから」
不機嫌そうにマロンは出て行ってしまった
オレはマロンを追いかけようとしたが
「放っておけば良いよ」
と、ソウに止められた
「でも、、」
「ダイジョーブ、こう言う時のマロンの行動パターンは決まっているから」
そう言って、何処かに電話を掛け始めた
「モシモシ、ボクだけど、たぶん、マロンが行くと思うから、、うん、しばらくしたら、ボクが迎えに行くから、ヨロシク」
ソウは電話を切ると
「ゴメンネ、トモキ、せっかくの食事が」
「だいじょうぶだよ、それよりマロン、、」
「マロンの心配してるの?やっぱり、トモキは優しいね」
「優しくはないけど」
「優しいよ」
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やっぱり、眠れないな
夕飯を食べ終わってしばらくしてから、ソウは『ボク、マロンを迎えに行って来るから、トモキは寝てて良いからね』と言って出掛けた。『寝てて良いからね』って言われたから、布団に入ったものの、やはり、眠れない
しばらくすると、玄関の開く音がしたので玄関まで行ってみた。すると、小さな体のソウが酔いつぶれた体の大きなマロンを軽々しく俵担ぎをしていた。どこにそんな力があるのだろうか
「お帰りなさい」
「トモキ、起きてたの?」
ソウが言う
「今、目が覚めたから」
「それより、マロン、」
「心配しなくて良いよ、酔って寝てるだけだから」




