11話
オレの名前は五十嵐友祈
二十一才
ではなくて
この間誕生日を迎えたので、ニ十ニ才になった
ヤクザに追われてガケから落ちたオレをソウとマロンが助けてくれた
ソウはカミサマでマロンはアクマだ
そして、今オレはソウの家の家政婦兼助手として働いている
ソウの家は神社だ。ソウは神社の仕事の他に居酒屋を二店舗経営している。いわば社長だ。そして、マロンはソウの秘書だ
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先月ソウが、『お祭りまでは忙しくなるから』って言っていた通りこの一ヶ月間は嵐のような忙しさだった
そして、祭り当日
こんな派手なお祭りは見たことがないと言うくらいにぎやかだ。お祭り広場では、三日間ステージイベントが行われ出店もたくさんある。ステージではさまざまな郷土芸能とよばれるものが披露されている。何よりもオレが驚いたのはお神輿のきらびやかさと、担ぎ手の威勢の良さだ。派手に装飾されたお神輿が街中を激しく掛け廻る。見物客もたくさんいる
あれっ?待てよ?この光景見たことがあるような気がする。なんだろう?いつだったかな?子供の頃?そうだ、ずっと昔、まだ両親が生きていた頃、両親に手を引かれて見たような気がする。あっ、でもこの世界はオレが元いた世界とは違うから気のせいか?似たようなお祭りがオレが元いた世界にもきっとあったんだな
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三日間開催されたお祭りが終わった
「トモキ、はい、これ」
ソウから封筒を差し出された
「何これ?」
「特別手当て」
「特別手当て?」
「うん、トモキにはいろいろとムリさせたからね」
「?」
「お祭りまで、ほとんど休みなしで働かせてしまったし」
「でも」
受け取るのをためらっていると、
「遠慮しないでもらえ」
マロンが言う
「心配するな。オマエだけ特別って訳じゃない。オレももらったし、他の社員ももらっている。毎年お祭りが終わったら、ソウは皆に特別手当てを渡すんだ。ほら、オマエが元いた世界にもあっただろう。サラリーマンがもらうボーナス?そんなようなものだ」




