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ジークハルト4

「リリアーナとの婚約を解消するつもりはない。わたしの心にいるのはリリアーナだけだし、わたしの婚約者はリステネ侯爵令嬢、リリアーナだけだ。

君のことは何とも思っていない。君と周囲に勘違いをさせたのは、わたしの落ち度だ。そこはすまない。しかし、君を婚約者にするなどあり得ない。君には何の興味もないし、今後一切、君と関わるつもりもない」

男爵令嬢にそう告げた。

何か言いたげにしながら、それでも近づいてこようとする男爵令嬢を無視し、踵を返した。

あの女に興味はないし、周囲の学園生たちにも興味がない。リリアーナ以外に何と思われてもかまわない。思わせ振りなことをして弄んだと、男爵家から抗議がきてもかまわない。


教師の控え室に行き、早退する旨を伝え、学園を後にした。屋敷には戻らず、直接リステネ侯爵家へ向かう。

しかし、リリアーナには会えなかった。

門番に約束はないがリリアーナに会いたいことを伝えたが

「旦那様から、来客は一切通さないように申し使っております」

そう言うばかりで、どうしても通してもらえない。

自分たちではどうしようもないと思ったのか、門番が家令を呼んできた。

リリアーナに会いたいと頼んだが、家令の返事も門番と同じだった。

「お通しできません。お嬢様は体調を崩して休んでおられます。面会等は全て断り、ゆっくり静養させるよう言われております」

「リリアーナが体調を崩したのか?大丈夫か?どうか見舞わせてくれ」

そうとりすがるが、家令の態度は変わらない。

「あなたがお嬢様を気遣われるのですか?」

家令にそう睨まれた。

「とにかく、屋敷へお通しすることはできません。お嬢様への面会もお断りするよう申し使っております。これ以上騒がれるのでしたら、旦那様に報告させていただきますが」

そう言われて、リステネ侯爵家を後にするしかなかった。


キリアス公爵家へ戻ると、父から呼び出された。

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