後後40 峠の宿屋南部版 やっぱメシウマだったが、秘密在り?
「ほう!昇りでもこの速度か!」泉さんの喜ぶ速度
「いくら4頭引きっても、大丈夫ですかね?」
「ああ、この大きさの馬車の半分近くの軽量化して、しかも各部の摩擦など極力減らしているんだろ?ウマは軽く感じてるだろ」
「ええ!お客さのの言うとおりでさ!ウマがきつく感じたらすぐあっしにわかるんで、そしたら速度おとしまさあ!」御者。耳いいな?
「ほれ!」と得意げな泉さん
「それにお客さん達、荷物が殆ど無いのが随分たすかってますわ」御者
「ソー言えばそーだな。」
「メシスキーさん、荷物は?」
「仕入れたのは全て送ってます。少しだけ持ったって大した違いにならないんで、いっぺんに送るほうが痛まないですよ。
それにしても、、今日はどこまで行くんでしょうかね?」
「ああ、今日は峠まで行ってみるわ!こんな距離走るの初めてだわ!はっはっは!何事も挑戦だ!!あっはっはっはっは!!!」
速度ハイになってる?
「いやはや、、3日分を一日で!すごいですな、、早馬で飛ばすのと変わりないですなぁ」
「あー、ウマでこの距離は、乗りたくないなぁ、、」泉さん
「俺はそのまえにグロッキーです」
「鍛えろ」
「無理」
・・・・
「学者さんが、結構馬に乗るんですか?」
「あー、いやー、、」
「こいつ、学者とか言いながら戦場に引っ張り出されたり戦後処理させられたり、結構荒事もこなすんですわ、あっはっはっは!!」
わらいごっちゃねーっすよ、、、
「つーか、引っ張り出すのは領主様と泉さんでしょ!!」
「あっはっはっはっは!!」
っこいっつ!!
「あ!思い出した!!!」いきなりメシスキー!どうした?ハイから爆発へ?
「あなた!あの数年前の領内闘技会で優勝してた!!あの!!」と泉さんを思いっきり指差す!!失礼なw
「あー、そんなことあったなー」
「泉さんあれでデビューでしょ?あれなきゃ戦場とか行けなかったでしょ?」
「あー、そーか、あれで実力認められ、何でもさせてもらってるんだなー」
やっと自覚、少しだけ?
「はぁーーーーー、、、なるほどなぁ、、なるほどなぁぁぁーー、、」
いきなり納得しだす。
それが納得できる理由なの?
流石武国人だけあるなー。
俺にはまだイマイチわからん、、、
「あ!あ、あ、あああああ・・・」
窓の外を眺めていた泉さんががっかり声を、、、
「どしたんすか?」
と外を見ると、あ、、宿が遠くに去っていくー
「今日は昼抜きですねー、、つーてももう昼とうにまわってますけども」
そう、早すぎて昼前後の場所なんぞ都合よく店があるわけがない。
「お客さんすみませんねー!馬達がノリノリなんで止まれねーんですわ!わっはっはっはっはっはっはっつ!!!!」
いや、あんたのノリノリが馬に感染ったんじゃないのかな?
戦場や野宿では食べなくとも平気なのに、こういう平時には食わないとへばる泉さん。俺の膝枕でふて寝。
腹時計3時間くらいで馬車は峠のてっぺん近くに来て、ようやく速度を落とし始めた。
気付く泉さん
「お、、やっとメシか」
それかい、、まぁ、、だよねー
宿は峠の頂上の南側斜面緩やかなところにあった。
「北側は寒いんだろ」泉さん
宿の周囲の木々の背は高く、風が強くないことを物語っている。
「いい場所みたいですね」
「ああ、そうだな、ここなら居心地良さそうだ」
と馬車の前で離していると
「わかりますかね、ここはいーですよー、いーですよーここは。温泉も出ますしねぇ」宿の主人?おじいちゃんっぽい人、、妖怪ではないよね?
「おお!温泉か!久々だな!!」
「あーですねー、、いつ以来だろ、、プチビーレ?」
「今日も世話になります」メシスキー
「ああ、もう商売おわったんかい、、まぁ何もないけど、ゆっくりしてください」ようk,、宿の主人
まずはゆっくり温泉に入って、それから食堂に行った。
山鳥の焼き鳥。串焼きではなく、大きめのもも肉、の皿と、胸肉の皿
「どっちにします?」
「うーん、、もも肉食いたい」
泉さんにもも肉のあるほうの席に着かせる。
で、燗酒をもらって、メシくながらちびちびやりながら、おかずをつつく。肉以外は漬物、味噌汁、山菜ときのこのおひたし。どれもこれも丁寧に美味しく作られている。
「うまいっすねぇ、、、」
「ああ、この宿一軒のみなんだから、ほどほどでも客は来るのに、ここまでやってるのが好きだな俺は」
「ええ、俺も。あの、北山領から農国への峠の宿と同じですね」
「あ、ああ!あそこな!そうだよなーあそこも一軒だけなのにうまい飯出していたなぁ、、も一回行きたいなぁ」
「ほう、そんなに美味かったんですか!」メシスキー
「ああ、この旅で一番最初にであったうんまいメシだった!しかも宿賃も安くてなぁ、、、ありゃ仙人がやってる宿かよ、ってくらいでなぁ・・・・・あ?」
「・・・・・へんなフラグ建ててないでください、もうたっちゃったモノは仕方ないけど、、、」
で、泉さんが席を降り、とととと、、と調理場の宿のじいさんのところに行く。
ほどなく戻ってきて、、
ひそひそ(あー、、ここも、あの宿も、、知り合いだとよ、、なんでも200年位前からだと、、)
(あー、やっぱ、、、、なんだかなぁ、、美味いと必ず?)
(この世界の食生活は精霊に支配されてるのか?)
・・・・・・・
「「ま、美味いからいいか!!」」泉さん&俺
当然酒は中級酒のみだった。深酒されて面倒になっても困るからね。
早めに寝た。
翌朝明け方に起き、もう一度温泉に入ってから朝飯食べて、、これも同じようにうまうま!お代わり!!どーせ今日も昼抜きだろーからね!
まだ朝早い時間に馬車は宿を出た。