11 おバカ
結果
予想通りというか、妥当と言うか
2つに別れた。
1つ目は反省し努力するとした勢力。全体の一割程度のみだ。
2つ目は「おら達は悪くない、被害者だ」という勢力。こちらが大半を占める。
なので、賠償金請求を2つに分けた。
1つめの奴らは国境付近に移住させ、うちの領地の植民地とする。あがりの3割を賠償金返済へ、3割を税金、4割を農民取り分とする。もともとの国よりはかなりマシになっている。これで不満を述べる者がいたら、即2つ目の場所に送り出す命令を出した。不満を述べた者を匿った者も同罪。悪意は伝染するから。
2つ目の勢力は、国中央部の荒野と森林地帯の分け目に移住させた。一応森林地帯に川が通っている。
1つめの移住グループはそこそこ優秀で、旅程を立て、持っていく可能な物資を見繕った。絶対に必要な物、薬品など。それから、全体で必要なもの、それなりの量の食料、現地で住居など建築のための道具、鍛冶道具、などなど。最後に、個人のものも、何を優先すべきか、などの指針を出していた。
反して2つ目のグループはまとめ役が率先して自分勝手で、全体図など見ることなどできない者達であった。
2つ目のグループは、現地に着く前に脱落者が多く、死者が3割超えた頃、反乱が起きて監視の兵たちに鎮圧された。なので生存者ゼロ。そこまで2週間かからないほどの早業で滅んでくれた。いい仕事だったな2つめグループ全員!!
自称100万人はいたとされたこの国も、今は1つ目のグループの千人にも満たない数になっていた。大半は悪政のために死んじゃったみたいだけど。餓死病死でや犯罪で。村1つ盗賊に全滅にされたり、村1つ餓死したり、村一つ病死したり。餓死直前だと病気になりやすい。
これから道中が困難になるほど不満を吐く者達が増え、半数以上が2つ目の場所に送られるだろう。たどり着くかは不明だが。
1つ目のグループには1つの特長があった。人間が少ない。亜人が多かった。こっちに来て初めての亜人!!まだ会ってないけど!存在確認だけでも嬉しい!!モフだろーなー、だといいなー、じゃないといやだなー、モフ以外認めん!!
さて、敗戦国民の全てが出発し、王都には占領軍だけになった。
ココにいても意味ないので、王都監視の一部隊だけ残し、あとは帰国させた。我が国との国境以外の国境は、他国が監視を強化してくれている。しかも、周囲の国はどこもこの国の国土も国民もを欲しなかった。「面倒を背負い込む」だけだ、と。
我が国は、周囲が全て傍観を決める中、火中の栗を拾ってくれた唯一の国だったのだ。
そんな国の唯一の例外。
国の中央を東西に走る山脈に少数民族が住んでいる。数も少ないし、特長もない。
価値無しとしてこの国の中央から放置されていた。
白泉と学は、やはりこれを放置し、様子を見ることとした。
一般に、知識として「情報が無い」は、何も存在しないわけではない。何があるのか?何がないのか?などが全くわからない、ということなのだ。
この少数民族の「特長がない」の無いの意味が実際はどうなのだろうか?
「あーめんどくせー、植民地リーダーに丸投げできないかなー」と俺
「まだ早いのう、、せめて農耕をはじめ、最初の収穫を終えてから、丸投げだな」白泉氏
敗残兵も全くいないほどきれいに清掃された国内は、主要街道どころか地方街道でも充分安全だ。野盗のたぐいは全くおらず、危険なのは猛獣か、魔獣(ほんとにいるのか知らん、見たこと無い)だけだ。
「白泉さん、名前略していいっすか?」
「言いにくそうだもんなぁww好きにせい、へんなんは困るぞ?」
「あ、あだ名でもいいってことっすか、でもー、泉さんでいいっすか?
いっそのことこっちに来たのでこっち名にしちゃえば?俺もまなぶからがくになちゃったし、、
そうだな、いずみ・白社 とか、そんな感じで考えてみたらどうっすか?完全に変えるのもおもしろいけど、、
くろがね・しろばら とかwくろがねは本人、白バラは肉体の人のほう、みたいなー」
「完全にあそんどるなー、、しかし、一興ではあるな、、名を変えるのは出世の証でもあったからなぁ」
「泉さん(仮)、「いや、(仮)はとっとけ、、まだ変えるとは決めておらん」はい、で、泉さん、我が国の国名とか、この元国の国名とか、周辺国の位置とか関係とか、聞いていますか?」
「いーや?さっぱり」
「・・・・」
「そういうのは副官の役目じゃw」
「そうっすか、、」俺らってのんきだよなー
俺は残った部隊の部隊長と副官に、そのへんを詳しく聞きに行った。側付きにも知識与えるために連れてった。
我が国は”武国” そのまんまだろー!!!!!
で、この元国は”攻国”、、突っ込む気しない、、
武国の東が攻国、北に広がる農国、西には海、南に小国郡の小国・中国・微国の3国。突っ込む気全くしないのはなぜだろう?
攻国以外は、基本的に自国から軍を出さない。侵攻するどころか侵攻に与することもしないということ。
内政はそれなりに安定している、ということでもあるのかな?わからんが。
部隊長達もそこらへんはあまり詳しくないとのこと、、まぁ武国は脳筋国なんで、情報戦は苦手かもね??帰国したら聞いてみよう、、無かったら、、まぁ、商人達と仲良くするか、、
で、攻国の逆側国境を接するのが”日の出る国”、、、
自分でいうのもなんだが、、今思えば「厨二クッサイ名前」だよなぁ?
当時、中国とその周辺では、東を日の出ずる方角と呼んでいたらしい。
当時の世界でも大国の漢だかなんだか中国の皇帝がかなりムカついたのは無理もないよな?
「日の出る国の王から、日の没する国の王へ」だっけ?喧嘩売ってんのか!!って思うのが当たり前だよなー、、
当時、芥子粒ほどの小国もいいとこだった日本の連中、頭おかしかったんじゃね?この武国みたいに実力ありゃー別だけどな。滅ぼされなかったのは奇跡かも。
まぁそれはそれとして、、その厨二国も、基本戦争しません、でも隙があったらいただきまーす♪みたいな。
なので、占領国である武国は、厨二国国境から元攻国中央までは無人にした。「もってけ!!」ってことだ。
でも今までどこの国も「いらね」だったんで、手を出すバカかどうか、、、
厨二国の北は、やっぱ農国が広がっている、広いね農国。
南はやっぱ小国の東国、東東国がある。もう突っ込むとかそういうの超越したかなー
小国郡5カ国の南は全て海が広がる。だから小さい国でも食べていける。侵略被害も受けない。
小さい国だらけだから攻めるのにも危険だったのかな?小さいんで一国とるのは容易だが、とっても挟まれた状態だし、しかも小さいから両側から侵攻されたら即終わりっぽいし、海からの侵攻も小国郡ならお手の物。うまくしたもんだねー、って、元1国から、族長の子らが分家して国家郡になったって?、、偶然だか賢いんだかしらんが、うまくやってるなー。
まぁ、武国が把握しているのはその程度だろう、ということだ。
基本、武国情報内での各国は、あまり他国と国交無い。自国内で全てできちゃっているから、とのこと。
できなかったのは攻国だけ、というか、できる素地はあったのに食いつぶしてしまった、人間がどーしょーもない国、というのが昔っから攻国人の評判だ。
学者や魔法使いなどを、甘言で弄して騙して移住させてもいたらしい。でももともとバカなんでホントに優秀な者達にはすぐ逃げられてしまう、と。
暇にあかせていろいろ聞いてしまった。部隊長たちもヒマしているしねぇ、、
半月かひと月ほど待って、山の少数民族からすらなんもなかったら、俺らも引き上げる、とのこと。
国からは、西側(武国から見て東)の国境接する一部だけ植民地として「緩衝地」にできればよい。
とのことだった。
だよねー、この間みたいに領土内で戦闘とか超迷惑だわな。
など、部隊長達と話したことを話題に、泉さんと雑談をしていた。暇だからなー
泉さんは、
「まぁ、器を持って王になるんじゃないと思うぞ?殆どが、たまたま機会に恵まれただけだ。
こういう逸話がある。
北条氏康の名言と言われているのだが、(俺の日本と同じ日本だったのか?)
氏康が子の氏政と飯食っているときに、氏政が飯に二回目の汁をかけた。
それを見た氏康。
毎日食う飯に必要な汁の量くらいわかるはずなのに、二度も掛けるんじゃ、手下の気持も知ることもできない愚か者だ。
と。
ここの教訓は、
箸 の 上 げ 下 ろ し に ま で ご ち ゃ ご ち ゃ 言 う ク ソ ジ ジ ィ に 育 て ら れ た ら 、 ど ん な 人 間 も 萎 縮 し た い じ け 人 間 に な っ て し ま う 。ということだ。
だってだな、食い物なんて好き嫌いだろう?最初は硬めが食いたく、後半はドロドロが食いたいなーって気分でそうやってたら?
毎日同じものを全くおなじように食う奴ほど ”面白くいない平べったい薄っぺらな人物” だと思わんか?
そんなやつにへいこらついていくのは低能の寄生虫だけだわ。
聡明で奥が深い者ってのは、奥が見えないほど面白い者に付きたいし、それが主にふさわしいと思えば、一生尽くす。そんなもんではないか?
氏康は、家康と同じタイプだな。ごく普通。家康と違い、氏康は権力を持っただけで勘違いしちまった。
持った権力が自分の器だと思ったら大間違いだ。小物はすぐそのように勘違いする。見ていて笑えて仕方がないわなぁ?」
「まぁ、、、付いていきたい人、ってのはいるかもしれませんね、俺はまだ若いから人生経験などほぼ無い状態。
こっち来るまで学生だったから、それまでは人生経験、社会経験はゼロです。
これから、今現在こんなことしているように、一歩づつ経験を積んでみます。
その間にあるじになってほしいような人が見つかれば、ラッキーなんですかね。」
「ふん、まぁそうなるわなぁ、、やっと箱の外に出始めた箱入り息子みたいなもんか、、
幸運にも今まで生きてこれたのだ。こっち側はいわゆる余生分なはず。
そう思って生きていけば、随分違うものになるとは思うぞ。俺はそう思ってこっちで生きている。」
「そうですね・・・余生、か、、」 あー、向こうの俺は多分死んでるんだなぁ、、その辺の記憶ないけど、、
「あ、氏康の教訓、俺の世界の学校の教科書では、氏康の言い分が正しいので人々の良い教訓だと広まってました。
なんか,変だなぁ、と思ってたんで、泉さんの話を聞いて腑に落ちました。
つまんない事でつまんない言い方するより、氏康自身が氏政も感動するような教訓になるような行動を見せつければ一発だったのに、小姑みたいな言い方は反発買う場合もあるし、バカですよねー、、、
つか氏康に共感しているバカが多すぎるのが元の世界の致命傷なんだろうなー」
「何事も、そういうことだ」