10 中世欧州編?
「姫って呼んでいいっすか?」
「殴られてぇのか?」
「だって、これから行くところの奴ら、知らないでしょう?中身おっさんだって事。だったら見た目で行動しないと」
「俺が幼女姫らしく行動できると、お前は本当に思うのか?」
「ごめんなさい、無理言いました!!絶対ムリっす!!」
「それはそれでなんかアレだが、、、だからこのまま押し通す」
「んじゃ俺は白泉さんの配下らしくしますから!とっても配下らしくっ!!」
「・・・・いや、仕事を押し付けようとは思ってないから。ただ、オレにはできないことが多そうなので、手伝ってくれってぇだけだから」
「はぁ、、それが問題で、、なので、向こうでいい部下みっけて手駒にしますからね?じゃないとオレ死ぬから、確実に!!」
「まぁ、好きにしろ、雇うときはオレにも会わせろよ?」
「当然っす!!」
占領地
うちの領主サンのお城が和洋折衷みたいなもんだとしたら、占領地の城はもろ中世欧州のこぶりな城。
中は、、逃げていくときに洗いざらい持っていこうと努力したんだろうなぁ、、と努力の跡が見えるありさま。
うちんちの皆はお宝とか全く興味ないんでどーでもいいんだが、
効率的ではない城の作りとかが、この人たち「白泉占領地管理チーム」の面々には問題と映るだろうな。
わかりにくい通路など、一応防衛の一つらしいんだが。でも城内部に入られた時点で終わりだろう?とっとと隠し通路から逃げればいいだけじゃね?
いろんなものを持っていこうとするから時間稼ぎが必要になる。結局そういうバカだから負けるんだろうな。目的が曖昧なんだよバカは。
んー、、なんか、町中酷いなー?戦争うんぬんというより、もともと貧乏くさい?
貧民街がそのまま王都になりましたー♪、みたいな?
上の方の連中は皆一族郎党首を刎ねたらしいが、一般人の下級官吏達は残っている。
顔つきみただけで、こいつはダメだ、ってのがほぼ全部。無能だわ下劣だわずうずうしいわ卑劣だわ、みたいなのだけ。だが、中に一人「なんでここにいるの?」みたいな普通のがいた。
「おにいさんこっちこっち、、」とその彼を呼び、町中を一緒に歩いた。連れ回した。
あっちは何?こっちは何?いろいろ質問しながら。
で、顔の反応見る限り、この人かなりまともっぽい。思考の基礎がまともな教育じゃないといろいろ厳しいことになるけど、もともとの資質自体は悪くないと思う。素直かな。人間性高いし。一応白泉さんに面接してもらってから側付きにした。
この王都までの道中を見る限り、田畑面積は少なくはない。農家のご子息である俺の見立て。でも手入れの程度が良くない。人手が足りないのか、質が悪いのか。収穫量も、土地の持つ資質の半分いくかいかないか、くらいじゃないかな?かなりの飢饉レベルだ。完全な人災。それがこの国の政権だったわけだ。その尻拭いを、我が国が望んで行った?
どこまで人が良いのやら、、、ココの奴ら、きっと感謝なんかしないぞ?
・・・ただ戦闘したかった、とかじゃ、ないよな?ないよな?、、、他の国への牽制等正統な理由があるんだよねきっと多分。
小さいながらの首都に残った敗戦国民達を広場に集めた。
「あー、占領軍の占領地管理長官の白泉氏と、オレが副官小館だ。
状況を見る限り、おまえらの政府は最悪だった。
農地の収穫量は半分行くか行かないか程度だろう?耕す者がいない。手入れをする者がいない。人手が足りず、収穫時期をのがしてしまう。などなど。
だが、そんなこた、家族が兵隊に取られたときにわかったこと。
収穫ができても全部持っていかれてしまうなら、やらないでも同じだろう?
ならば、なぜ逃げなかった?
ここにいたら、延々と同じことの繰り返しだとなぜ気づかない?
気付いていても見ないふりするほうが楽だからだろう?無意識にそうしているんだお前らは。
それがお前らの罪。
お前らが逃げないから、この国は先日まで生き延びてきてしまっていた。生き延びさせたのはお前たちだ。
この戦争をこの国が始めることができたのは、お前らが耕したからだ。お前らがこの戦争好きな国を支えていた。
逃げなかったらだ。お前らが、生きていくのもやっとの状況からさえ、逃げようとしなかったからだ。
もしお前らの半分が、逃げていたら?
うちの国(領地)に来ていれば、うちの国は人手が増え、田畑は倍になっていたろう。
お前らは、最低3年は衣食住を保証され、開墾に精を出すことができたのだ。
そして、この国は人手を失い、収穫は無く、貴族王族どもは食うものに困るほどになっていたはずなのだ。
その場合、戦争は起こり得なかった。
だが、現実は、お前らはこの奴隷よりひどい状況から逃げることすら考えず、兵士や貴族王族のためのみに、畑を耕し続けた。
自分たちの食い分さえも取り上げられると知りながら!!
その王族、貴族、兵士たちは、皆 俺 達 が 成敗した。うちの国に侵略をしたのだから当然だ。
おまえらは、お前らの家に入り込んだ盗賊を許すか?お前らの家族を殺した盗賊を許すか?しないよな?
俺達の国の者たちも当然怒り心頭だ! お前たち全員を殺害しても気が収まらないだろう。
そして、
べつに俺達の国は、お前たちを一人たりとも必要ともしていない。
この国の土地をも必要としていない。
だが、残しておくと、再度我が国を侵略してくるだろう。そういう国だから、そういう者たちの国だからだ。
俺達の国はとても強い。だが、侵略はしない。売られた喧嘩を買うだけだ。今までもそうであったし、これからもそうだ。
だから、うちの国の者たちは
”お前らの国の者たち全員を排除し、国土を荒廃させ、誰もいさせないようにすればいい。必要なのは国境の砦と街道だけだ。”
と主張している。
とても正しいことだ。
この国の者達以外の、全ての国の者たちは、同様に考えている。
お前たちは、人類の誰からも「不要」だと言い切られている。害悪だと!!
さて、
お前ら、
人類に貢献するか?
害悪のままか?
選ぶ権利だけ、くれてやろう。」
白泉氏に代わる。
「たった5000人の我が国精鋭に、お前ら8万人の部隊が完全に滅ぼされた。歴史上まれに見るほどの弱軍ぶりだった。
私はその戦場で先頭に立ち、お前らの陣に切り込んでいった。だからわかる。弱すぎると。
だから暴虐な貴族王族に逆らうことも、逃げ去ることすらできないうぬらの心の弱さ。うさぎのほうが強心臓だな。
うさぎだって戦うことを知っている。実際戦うからなぁうさぎ達は。お前たちとは違うのだ。
昔は、お前らのこの国も、我が国以外の国にも侵略し、奪い尽くしていた。
お前らの国に負ける国など国として意味ないのでそれもいいだろう。
だが、バカだけはいただけない。なぜ自分たちの何十倍も強い者たちに喧嘩を売ったのか?
底なしのバカがお前らでありお前らの集合体であるお前らのこの国だ。
我が国全体で、お前らの国を完全に滅ぼして、この世から災悪の根幹を完全になくそう、と話は進んでいる。
他国も完全に同調している。
お前らが全く反省しないならば、一人残らず、一人残らず粛清するしかない。悪意は伝染するからな。
お前らが、「どう反省をしたのか?」を、世界に見せつけることができるか?
お前らが、「どう世界に貢献できるか?」を見せつけられるか?
もし、その2つができるのであれば、世界がどう言おうと、私がお前らを守ることをしてやろう。
何もしなければ、お前らは終わるだけだ。私達は仕事を終えて、国に帰り、領地の民と幸せに暮らすだけだ。
俺の主である領主様の領民はお前らと違う。
我が国では、
悪い領主になれば領民達は総出で一揆を起こす。一揆が起きれば国王が動き、悪い領主は罰される。
悪い国王になれば、領主達が許さない。武力もつかう。
安全装置は、民も持っているのだ。領主も持っているのだ、勿論国王も。
だから、うちの国は、内外でも常にほぼ正しい国と呼ばれている。たまに間違いを起こしても、すぐ修正できる力量があるのだ。
お前たちと我が領民は全く違うのだ。
お前たちが領主らの横暴を許すから、抵抗して領主を滅ぼすことをしないから、悪徳は肥大化していった。
まともなオツムがあればそのくらい予測は付けられるのだ、しかし、自分に都合の良いことだけ考えようとする者達には絶対にできないが、な。
お前らが、「どう反省をしたのか?」を、世界に見せつけることができるか?
お前らが、「どう世界に貢献できるか?」を見せつけられるか?
猶予を3日やる。」