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やはりこうなる

「ちょっといいかしら」

「はいはい?」


いつも通りに学校に登校しようとしていたら一人の女性に話しかけられた。もしかして俺以外に話しかけたんじゃないかっていう疑問を持てないくらい俺へ向けて発せられていた。


「どこかで会ったことありましたっけ?」

「いいえ、初対面よ」


どうにもどこかで見た気がする。不思議なものだがどうにも思い出すことができない。


「私はこういうものなのだけど」

「……警察?」


目の前に出された手帳を見るにそうだろう、実際に見るのは初めてだが。


「それで多忙な警察さんが俺のような一般人に何の用です?」

「実は聞き込みを行っているのよ。えっと……この人。何か知らないかしら」

「ふむ……」


俺の前に出された写真には一人の女性が映っていた。ていうかこれはこの前女装した俺だ。ってことはこの人がテーマパークの事件担当してる人なんだろうな。


「知らないですね」

「……本当に?」

「ええ、ただこんな感じの人をテーマパークで見た気はしますね」

「そう……」


そうすると彼女は自分の携帯を一瞬見つめると再び俺に向き直ってきた。


「それじゃ、ここからは純粋な興味……いえ、雑談なのだけど」

「はい」


さて、どんなのが来ることやら。


「あなたとこの女性の関係性をあげるとしたらどうなるかしら」

「そうですね……」


これまた不思議な質問だ。まあ何と答えようが問題ないだろう。


「切っても切れない間柄ってところでしょうか」

「切っても切れないね……」

「そうですね、それじゃ自分は学校行くので聞き込み頑張ってください。犯人が見つかるといいですね」

「……ありがとう、あなたも気を付けるのよ」


そういった後俺は普通に学校へ向かい歩いて行った。


・・・


「どうだった美月」


私は裏路地に隠れてもらっていた妹の美月に話しかけた。


「うん、さっき送った通り知らないっていうのは嘘。ただ他は全部本当」

「最後の質問も?」

「そう、よくわからないね」


彼はふざけたように切っても切れない間柄と言っていたようにも見えたけどそれが美月に本当だって判断されたならそうなんでしょう。


「でもやっぱり彼は事件のカギを握っていそうよね」

「うん、やっぱりそう思う?」

「ええ、ただどうやってこの女性のことを話してもらおうかしら。直接言ったら話してくれると思う?」

「多分無理、家でも行ったけどどうにも彼私の能力を何となく理解してるっぽいし今までろくに話してこなかった人にこの女性について教えろって言われても答えないでしょ?」

「そうね……」


となるとちょっとあれだけど任意同行を求めるっていうのもやぶさかじゃないかしらね。


「まあいいわ美月、あなたも学校でしょ遅刻しないように早く行きなさい」

「あっ、ホントだ!じゃあ行くねお姉ちゃん、何か手伝えることがあったら言ってね」

「ありがとう、その時はよろしく」


学校へ向けて駆けていく美月を見ながら私も歩いて行った。



嘘わかるってつよいよな

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