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実際の捜査などしらん

「いやー、にしても早速接触があるとは流石に優秀だな警察」


帰り道誰に話すでもなく独り言を呟く。


桜ノ宮さんに接触されたけど多分彼女は警察関係者なんだろう。高校生の内にそういう件に介入できるのかとかの謎はあるがおそらく能力が優秀なんだろうな。


俺との会話をしたときに何か反応していたし封魔石を着けてなかったことから何かしらの能力は発動できていたはず。


おそらく火や風を起こす戦闘系ではなく非戦闘系だろう。会話に関係するとなると……


・違和感をより強く感じられる

・嘘か本当かわかる

・事実かどうかわかる

・声を色にして見れる

・心拍数などの変化を見れる


って所か?会話に反応するとなると大体が結果的に嘘を見抜くことができる能力ばかりだろう。


一応言葉では否定したけど能力で俺が事件の犯人について知っている事がばれただろう。流石に即拘束とはならないと思うが本格的に警察が来るかもな。


ふふっ、これからが楽しみでしかたがない。


・・・


「――――と、言うことで何か些細なことでもいいのであの事件の日に気になることはありませんでしたか?」


私は今能力で判明した三人の内の一人である女性の家で話を聞いている。事前にアポをとって空いてる時間帯に会って貰ったので時間的余裕はある。


「ええと……特になかった気がするんですけど」

「何でもいいんです。本当に些細なことで」

「うーむ」


そういって頭を捻る女性、私は美月のような能力は無いが何となく人が嘘をついていたらわかる。彼女からはそれが見られないので本当に思い当たる節が無いんだろう、ただ実際には私の能力に反応したため何かは知ってるはずだが。


「あっ!思い出しました!」

「は、はい……」


唸っていた彼女は突然机を両手で叩きながらこちらに向き直ってきた。


「私って結構目がいいんですよ」

「はぁ」

「私達放送がかかる少し前にジェットコースターに乗ってたんですけど、その時にあの……何でしたっけあのテーマパークの一番高い建物の上に誰かが立っていたんですよ」

「!!。もしかしてこの人ですか?」


私は彼女に正体不明の女性の写真を見せつけた。


「ん~?……ああ、そうですそうです!多分こんな感じの人でした」


予想外の進展に思わず震えた。


「かっ、彼女がそこで何をしてたかわかりますか!?」

「えっ、あっ、うーん……何してたかは分かんないですけど何か持ってましたね赤いのが入った袋みたいなの」

「赤……袋……!」


それなら確か資料にあったあれにちがいない!


「ほっ、他には何かありませんか!」

「いやっ、それ以外は特に……」

「ありがとうございましたっ!」

「あっはい」


急に立ち上がって頭を下げた私に驚いたのか彼女は目を丸くしていた。そんなことは気にせず私はその足でテーマパークへ向かった。


「あれね」


警察手帳を見せて中に入ると女性が立っていたという場所へ向かった。あそこは関係者しか入れない場所らしく一応正体不明の女性についても聞いてみたけど空振りだった。


「ここがその場所……」


そこは景色のいい場所だった。テーマパーク全体を見渡せるし人がいたらもっといい景色になるんだろう。今は警察しかいないが。


そんな景色の中でここからでも犯行現場を見ることができた、それにジェットコースターの最も高い部分はここをやや上回っていたので彼女の証言は間違ってないんだろう。


「む?これは……」


屋上をしばらく探索をしていると一つの赤黒い点を見つけた。それはとても模様には見えずまるで血痕のようで……


私はすぐさま鑑識に依頼をした。結果としてあれは本当に血痕で今回の事件の被害者のものだということが判明した。


本来なら調査がさらに一歩進んだと喜ぶべきなのかもしれないが結果として謎が深まっただけだった。


これであの女性が言っていた赤い何かが犯行現場付近で見つかった潰れた心臓の入ったゴミ袋であろうことがほぼ確定したが、逆になぜそれがここにあるのかがわからない。


結局のところ正体不明の女性を見つけないことには始まらないのだろう。


そんなことを考えていた私のもとへ一通の電話がかかってきた。



全て想像やで

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