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A.I. WON(t) you.   作者: schecter
3/5

03

最近は蒸し蒸ししててキツイです。飲み物ばっかで食欲失せるし。そうめんとかなら食べたい。


「やぁ、噂の記憶消失の病人君。僕はとある組織で働いている研究員だ。実はね、僕は君の病気の正体をほぼ知ってるんだ。」


……?!

突然の告白。ストーリー殺し的な展開になった。

その組織になんだか怪しさを感じた。

全然解明が進んでないこの病気を暴いている?本当にそうなら色々聞いておいたほうがいい。

"とある組織"と所属先をぼやかしているあたり、もしかすると公に出来ない機密組織なのかも知れない。


まず、どうして自分の声が出ないのか気になった為、必死に喉を指差す。


「あぁ、そういえば君は声が出ないんだってね。それを聞いておかしいと思って、君の細胞を少し拝借して調べてみたんだ。異常はなかった。もしかして、長く寝てたから喉が渇ききってるだけじゃないのかい?」


そんなバカな、と思って睨みつける。


「まずある程度、君の体について話しておこう。君の細胞が異常をきたしている、というのは知っているんだろう?実は君の細胞、普通の人間の本能とも言えるものの大半が欠如しているんだ」


ん?どゆこと?


「っていっても、僕に語彙力がないから分からないよね。簡単に説明すると、君は"喉が乾く"っていう機能自体が消えているんだよ」


たしかに…… かれこれ1日程度はここにいるだろうが、一向に喉が乾かない。

どうやら彼の言っていることは本当みたいだ。


「水を飲んでみな? 声が出るはずだよ。」


水なんてこの部屋に…… AIに頼めば出るのか。

すぐさまAIを起動させ、衣食住の食を開いてみる。


やはり飲み物は得られるみたいだ。水を頼んでみた。


「かしこまりました。あと3秒お待ちください」


の声とともに、機械の中で水を注ぐ音が聞こえ始め、本当に3秒後に、液晶から少し離れた機械の側面が開き、そこから紙コップ一杯分の水が出てきた。


感動はひとまず置いといて。水を飲む。

喉が潤った感覚はほとんどない。もしくはないかもしれない。


「どうかな、声は出せる?」


「あーあー。あめんぼ赤くないよあいうえお……出る」


「やっぱりね。声が出ないのだけはどうしても調べても分からなくてね。それを確かめるためにここに来たんだ」


六分の感謝と四分の恐怖心から、痩身メガネ男に問い詰める。


「貴方は何者なんですか?どうしてこの病院?施設?の医師たちでもわからなかった僕の細胞の状態をそこまで解明してるんですか?」


「君はまだ僕のことは知らなくていい。知らない方がいい。君はいずれ僕のことを知ることになるから……」


濁された。それよりも自分の体のことを知る方が先決だと思い、


「僕の体のことをもっと教えてくれませんか?」


「んーー。そうだ。そのAIはジュースとかは出せるのかい?」


少しいじってみると、たくさんあった。試しにメロンジュースを出してみる。


「果汁の濃淡はいかがしますか?」


こってこてに濃いものを飲みたかったため、濃いものを頼んだ。


「果汁を絞り始めます。完成まで約3分です」


「え、長っ!やっぱ薄いのがいい」


「わかりました。変更致します。完成まで残り10秒です」


てなわけで10秒待ったら、水と同じところからメロンジュースが出てきた。


「で、僕はこれを飲めばいいんですか?」


「飲んでみたら何かに気付くはずだよ」


実際に飲んでみる。うん普通のメロンジュ…………

……味がしない!? これって濃いやつを飲んでも味がないのか??


「味がしないだろう?それは君の味覚が機能停止してるからなんだ。ちなみに君の髪、今の状態から伸びることはない。ちなみに髪に関しては抜けても痛覚は働かないよ」


自分の今の体を自分で把握するために、髪を抜いてみる。


ぷちっ

「痛っ」


痛えじゃねぇか!ホラ吹きやがって!


「ははははは。ごめんね。髪が抜けても痛くないってのは嘘なんだ。からかってしまってごめんよ。真摯に聞く君をみてるとつい騙したくなってね」


……こいつ絶対性格悪い。

こいつとはあまり深く関わらないようにしよう……


「でも、髪が伸びないっていうのは本当だよ。君の体の毛は全て成長が止まってるんだ、毛の成長、と言うよりは 君の細胞が毛を伸ばすことを拒んでいる と言った方が正確な表現なんだけどね」


細胞の異常ってかなり細かいとこまで影響してるんだな……

でもなんでそんな些細なことまでこの人は知ってるんだろう……?


「あ、こんな時間!そろそろこのラボの人たちが来ちゃうから僕はこれで失礼するね!また来るよ!じゃあね!」


「え、ちょっと、まっ」


まるでハンターを見つけた逃走者のように一目散に逃げていった。

彼は誰だったのだろう。また来るっていうのは恐らく間違いない。あの人とはいずれ何かある。そんな気がする……


「あれー、電気消したはずなのになー。おはようございまーす?」


聞き覚えのある、聞きたかった、女性の声が聞こえた。

Χくんの声、本当は思念系の装置で会話できるようにするつもりだったけど、流石に未来的すぎるかなーと。それで結局こんな感じになりました。

話的にはつまんないけど、分かりやすいですよね?

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