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エドワードside :心の中はいつもハリケーン

お読みくださりありがとうございます。

少し遡った辺りからの エドワード視点です。

エドワードなりに頑張ってます。


 

今日から僕の執務室にリナが来る。

リナに毎日会えるぞー、イヤッホー!

リナの顔が俺から見えやすい位置に、リナ専用の机も用意したし、準備万端だ。

これで毎日眺め放題だ。


トントン

 キタ━━━━━━━━!!


扉近くの兵に開けるよう指示しながら、自分も扉に近づく。

今、迎えに行くぜ!愛しのマイハニー。


 わぁあああ~、可愛い。可愛い。俺の天使。

 ハッ、とりあえず、席に案内しなくちゃ。


「やあ、いらっしゃい。さぁ、こっちにおいで。」


 触っていいかな、えーい、触っちゃえ。

 は~、いい匂い。最高かよ。

毎日、リナを会えるなんて、俺は幸せだな。

うんうん、挨拶するリナも可愛いな。


 んんん……あれ?さっきから、全然しゃべらないな、表情もないし。

 あっ、そうだった、男装の時は、アルムに成りきっているのだった。


アルムに成りきって、もの凄く我慢しているのとか、耐えているのとか、時々しているのが分かるから、その姿も頑張っていて滅茶滅茶、可愛いんだよな~。


 それよりもちょっと距離があるな。

話もしたいし、もっと近づきたいな。

どうするかな?


そうだ、呼び寄せて、意見聞きつつ近くで作業させよう。

 積極的に動くって決めただろう。

俺、頑張れ!!


「アルム、そこの資料を持ってきてくれる?」

「これでしょうか。」

さぁ、近くにおいで~。


「アルム、ここの所、どう思う?」

「この件でしたら~」

よし、この手も使える。コイコイ。


「アルム、ここきて、これを確認して。」

「えっと、これでしょうか…」

さあさあ、隣においで、幸せだ~。


「アルム、アルム、アルム…早く。」

もっと近くで話していたい!好きだ!大好きだ!


ドアの激しいノック音。

 あっ、義父様がきちゃった。ブウウウウー。


でも、ここはいったん大人しくしておかねば。

義父様を怒らせて、来させられなくなるのは困る。

 はぁああ、お昼の間、会えないの、寂しいなぁ……。


 ***


 午後はエッヘン。

リナに王妃教育を学ばせちゃうぞ!計画を実行するのだ。

リナは王子妃になるのだから、将来の義兄嫁がなる王妃様の補佐という仕事を学ばなければならない。

 今から少しずつ学ばせないといけないと母上から言われたのだ。


 父上も母上も、リナが婚約者になるのは認めてくれているし、俺に協力してくれると言ってくれている。

 教師も万全の準備が出来ていると言っていた。


さて、どう誘おうか、少し気が引けるが、うむ、そうだな同情心を使おう。


「君は頭がよいだろう?私が理解できないところを、一緒に学んで教えてほしい、もしくは議論など、一緒に出来る相手がほしいのだ。ダメだろうか……。」


 即座に、了承だと!?

なんて心優しいんだ、リナ!

 うう、僕の事を気づかってくれるなんて、嘘ついてゴメン。

本当にごめん。


 好きだ!!!!!!


教師よ、リナを立派な僕の妃にしてくれ。


「頼んだぞ。」

「はい、心得ております。殿下。」

真剣な顔で教師に強く後押しした。


凄くまじめに受けているな。

 真剣なリナも可愛い。

うーむ、リナは可愛いうえに、賢いとは、最高かよ。

 ハッ、気を抜くな。

 終わったらすぐにお茶だ!

 何としても普通の会話をしたい。


チラッと侍女達に目をやると、やる気に満ちた顔でスタンバっている。

よし、頼んだぞ。

今だ、出陣。

さすが王家の侍女、完璧だ。


 王妃教育を楽しいと言ってくれた。

嬉しい。

また俺の為に受けてくれるのを了承してくれるとは、なんて健気なんだ。

 そして、これって、王子妃になるってことで、OK出たってことなのかな?

いいよね?OKだよね?


リナと何気ない会話が出来て、凄く嬉しい。

定期報告だと、返答が一言二言で終わっていたし。

今度はどんな話をしようかな。


 ***


  はぁ、やりすぎた。

義父様がお怒りで、監視を付けた。

カイルが来てからほとんど接近できない。

 どうにか改善しなくては……。

うう、でも呼びつけるのは、リナも辛かったみたいだし、自粛せねば反省。

 

ん?今、カイル何て言った?名前、呼びつけだし。

オイオイ、お前ら、どんな関係だよー。

違うよな、まさかラブな関係じゃないよな!?


ちょ、カイル、今何言おうとした?

 リナの事は聞き逃さないぞ。

アーハイムのお見合い茶会にリナが参加する??


「待て!アルム、そのお茶会、妹君も参加するのか?」

「あっ、はい。母さまが約束をしましたので。」


 なっ、何だと!?まずい、見合いだぞ。


 公爵家、あの噂のハロルド、確か、なかなか良い容姿で色気があり女性にモテるから婚約者候補が殺到しそうだって、俺の婚約候補話も少しの間、静かになりそうだと兄上が言っていたぞ。


 そんな奴なら、俺のリナが取られてしまうではないか、どうにかしなければ。


 ***


翌日。

「おはようございます。エドワード殿下、今日は私が代わりに来ましたので、あしからず。」

「おい、アルム、今から茶会に行くぞ。」

「茶会って、もしかして聞いちゃったんですか?」

「あぁ、聞いた。用意も指示もすべて整えてある、お前も行くだろう?」

「まぁ、愛しの婚約者と可愛い妹がおりますから。」

「さぁ、行くぞ。」


トントン。

こんな時に、誰だ。


「俺だ。」


ええ、なんであの人が?

 エドワードは直ぐに扉近くの兵に開けるよう指示をだす。

 

 扉が開くと、エドワードと同じ髪色だが肩まであり、エドワードと同じ金色の目で、顔のパーツは似ているが、エドワードよりもずっと柔らかい顔立ちで、少しばかり背の低い青年が入ってきた。

 第一王子、アレクシス殿下である。


「兄上、どうなさいましたか?」

「話は聞いたよ、今日、急遽、外出するんだってね。」

「ええ、大事な案件なんです。」

「……そうか。」

 アレクシスがアルムへ体を向ける。


「妹か?」

アルムに尋ね。


「ええ。」

そう短くアルムが返事をした。


 この二人は、この国で主流のボードゲーム、テンペストの共闘仲間なのだと、最近知った。

 テンペストは、小判型のボードにマスが描かれ、この上をそれぞれの役割をもつ駒を用いて、進み、敵 陣地に居る相手の王様を奪うか、敵王の支配する領地を駒の数で奪い取り勝敗を競うゲームである。


 歴代、貴族がテンペスト団体の代表を務め、今は兄が代表でリーグの開催もしているらしい。

 ちなみに、リナの父親、大臣が二人の師匠なのだと、大臣に手を貸した兄上から聞き出した情報だ。


「兄上、今日、行かねば、あいつに取られてしまうかもしれない。絶対に阻止せねばならないのです。」

「お前は、何でも卒なくこなして優秀なのに、なんで、自分の恋愛に対しては、そんなにポンコツなんだ?アルムもアルムだ、なぜ止めない。」


 ひとつ、ため息をついてから、アレクシスはエドワードに尋ねてきた。

 アルムはいつもの無表情だ。


「ポンコツって……リナを前にすると緊張してしまうのです。思うように動けなくて、言葉が出なくなってしまって。最近はカイルも邪魔してくるし、本当に焦っています。」

「そうか、そうか分かったよ。大臣ばかりの肩を持つのは、やめるよ。可愛い弟にも少しは協力しよう。不甲斐なさすぎて正直驚いたよ。そうだね、カイルにも話をしておくから、協力を頼もう。」

「ありがとうございます。兄上。」


 ヤッホー!心強い味方をゲットだぜ。

 アルムが兄上に、大臣を裏切るのかと、背中に黒い影背負って、脅しをかけていたけれど、そんなことは、いつものことだから、俺は全く気にしないぜ。


 ***


 さてさて、お茶会の会場に来たものの、なんだ、この寄ってくる大勢の令嬢たちは獣かよ…。

俺はお前らなんて興味がないんだ。

散れー。


 ゔ、ごうずいぐざい。

 それより、リナは、リナは何処だ??

人が多過ぎるぞ。

 クソッ、王族だから無下に出来ないのが、やるせない。

 早くリナに会いたい!


「アルム、リナは何処だ?」

「おそらく僕の言いつけを守っているのならば、端っこのあの辺りかと、あっ、ほら居た。言いつけ守っていて、本当に我が妹は可愛いな。」


 イタ―!男装じゃないリナだ。

 可憐なる乙女バージョン!

 はわわ、きゃわゆい!!!!!!


 本当に地上に舞い降りた天使だな。

 令嬢同士で戯れ、笑っている俺の嫁、まじ最高。

 うん、早く結婚しよう。


「よし、直ぐに行こう。」

 善は急げ。


 ん?何やら話しているな、相手は男!?あれはハロルドか!?


「もちろんです。カイルとマリ姉から仲良しの従兄だと聞いておりますわ。こちらこそ、よろしくお願いします。」


 ん?何?何がよろしくだって?誰が?誰と?婚約の話じゃないだろうな。


「何がよろしくだって?」

 思わず声に出して聞いちゃったけどさ。


 バカップルのせいで、さっきから俺、みんなに無視されてるんだけど。

 ハロルド、なんでここにいる。

 俺のリナに近づくなよ。


 それより、俺、みんなに見えてる?居るよー。ここにいるよ。


「おい、私の問いに答えろ、リナ嬢、何をよろしくなのだ?」

 くそ、むかつくぜ、ハロルドのやろう。

 リナ狙いなのか。


 絶対阻止。

 断固阻止。


「アーハイム殿、リナ嬢を婚約者に決めたのか?」

 許さんぞ。


結婚するのは俺だから、お前の入る隙間なんてないから、帰れ。

 俺の嫁だ。


 あれ?何だか雰囲気ヤバい、アルムが完全に怒っている。

 手紙の件も手伝ってくれなくなるかもしれないな。


 それより、リナも怒っていたかも……。

 嫌われた?

 まずい、どうしよう。

……どうしよう。

どうしよう……。



次はハロルドが家に来るよ。


評価、ブックマークしてもらえるとは思ってもいなかったので、とても嬉しいです。

ありがとうございます。

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