エドワードside : 僕の離宮に連れていきたい1
お読みくださりありがとうございます
お茶会前日あたりからになります。
エドワード視点です。
全てをリナに告白し、あれから2日たった。
リナ不足だ。
1日半ほど、リナに会えていない……。
ああ、毎日会いたい。
毎日会う為の王城勤務だったのに。
今日もリナは出勤していない。
それもこれも、あのバカ王女のせいだ。
俺がリナに会う1年前、あいつは、ペネジル国王に連れられて、我が国に遊びに来たのだが、その時に俺の事を見惚れたらしく、その時から猛烈にアタックしてきた。
一国の王女だけあり、見た目はそこそこ良いそうなのだ。
まあ、俺はリナ以外、誰も良いとは思わないが。
しかし、王女であっても、中身は言葉の通じないキーキーと煩い猿だった。
いいや、猿の方が空気を読むし、賢いだろう。
あいつは、当初会った頃から成長しない。
俺の邪魔や嫌がらせばかりしてくる。
何度も婚約話はハッキリと断っているし、嫌だと言っても寄ってくる。
西海へのルートを持つ国の王女であるから、無下にも出来ず、扱いずらく、今まで家族や臣下達が、全力で協力し庇ってくれていた。
だが、ようやく解放される。
長い、長い道のりであった。
あれは、父上が、兄上とメイデン王国の第3王女との婚約を決めた際のことだ。
ネペジル国が他国を巻き込み、かなり難癖付けてきて、酷い目にあわされそうになり、大変だったとか。
このままでは、ネペジル国の王女を第2王子、俺に押しつけられるかもしれないと危機感を抱き、自国の弱点をなくすために、豊かではなかったハルク国を支援して、協賛国を募りまとめあげ、西海への道を通すことを押し進めたのだった。
それから計画に着手し、山を切り開くのに地盤が緩く、災害が起きたりと、結局10年近く掛かってしまったけれど、ようやく完成したのだ。
間に合った。
まあ、間に合わなくても、俺の手腕(パワー系)で有無を言わさずにあの国を黙らすことは容易いのだが……ハルク国は国内外大きく発展し、我が国とよりよい親密な関係を築くことが出来たから、このやり方が我が国にとって最善策であったのだのだろう。
ハルク国の西海ルートを使い始めた国々や協力した国々にも、大変良くして貰えているしな。
さっすが、父上!!!
それにしても、ペネジル国は隣国、ハルク国の発展に気が付いていないのか?
そんなわけないよな?
ぶっちゃけ、うちは、外交手段の妨害に協力した国になるのに、王女をひょいひょい寄こすとか。
本当にペネジル国は何を考えているのだろうか?
あいつらも、あいつらで、本当によく来たよなぁ~。
国同士の建前上、呼ぶしかなかったとはいえ、母上も最後まで渋って嫌々ながら招待状を出していたのに。
どうせ出さなくても来るでしょ!と、母上は滅茶苦茶、嫌な顔をして書いていたなぁ。
あと数日逃げ回れば、あいつと、いや、あの国との関係は断絶してもよいくらいだと、兄上も言っていた。
ハルク国の道路開通正式発表まで、あと少しの辛抱だ。
家族や臣下達の全面協力もあるし、俺も頑張ろう。
そう考えて、この二日間は逃げ回っていた。
「エドワード殿下、大変ですよー。アレクが、クソ女の防壁、出来なくなりました。こっちにクソ女が突撃してくるようです。アレクはですね、先程、城に到着し、謁見したネペジル国の第6王女、あいつがアレクに一目惚れして突撃しているようで、あちらも大変な様子になっておりまーす。」
平坦な口調と無表情でアルムが報告してきた。
「う、嘘だろ!?」
第6王女はましだって、アルム言ってたじゃないか!
その会話のすぐ後に、
「エド様、み~っけ!」
少し離れた場所から聞こえてきた、甲高いイザベラの歓喜の声に恐怖し、瞬発的に全力で逃げだしていた。
それからしばらくは、アルムが作戦を立てて逃げ回っていたのだが、昼頃に疲れたから少し休憩を貰うと言って、城から居なくなってしまった。
その時が本当にヤバかった。
喰われるかと思った。
近衛に全力で助けられた。
忠臣達に心から賛辞を。
想っていたよりも早くアルムが帰還してくれて、本当に助かった。
リナに言われたから仕方なくと聞いた時は、さすが俺の嫁!と、思わず歓喜の声が口から出ていた。
その後、しばらくの間、アルムに放っておかれた。
近衛達が俺をもの凄い目で睨んできた。
俺が、主のはずなのに……。
ああ、離宮に引きこもりたくなっちゃうよ。
いいや、今はダメだ。
あの準備が、バカ王女に見つかったら、大変なことになるだろうからな。
あの幸せな空間を汚されたくない。
あと少しだ、よし、頑張ろう!
***
本日、何とか逃げ切り、お茶会当日だ。
あいつらは着飾るために朝から居ない。
静かだ。
実に平穏だ。
自由だー!!
もうお茶会は始まっているな。
俺達は、後から顔を出すという演出らしい。
いわゆる、サプライズゲストだ。
よっ、憎いね、母上。
だから今、控えの部屋で、俺と兄上は時間をつぶしている。
いや~今回は、お互いにやばかったな~と、談笑中だ。
その時、そこへ、少し強めのノック音が響く。
その後すぐに、侍女の息が途切れ途切れする声で入室許可を願ってきた。
物凄く、急いで来たのだろう。
目茶苦茶、フーフー言って、息切れを整えてる。
母上付きの1番信頼している侍女だった。
兄上が許可すると、扉を騎士が開く前に、勢いよく入室してきて、俺を見つけると足早に近づき、背筋を伸ばすと、はっきりと伝えた。
「リナ・ハートフィル様が、例のブローチを着けていらっしゃいます。」
それを聞いた瞬間、俺は立ち上がり、部屋を飛び出していた。
嬉しくて、嬉しくて、王城を駆けるなんて、無作法でもお構いなしに必死で走った。
本当なのか、早くこの目で確認したい!
瞬く間に庭園に着き、入り口でリナを探した。
キョロキョロ見回したのち、見つけた。
居た!!
ああ、今日のドレス姿もメッチャ似合ってる。
可愛い過ぎるぜ。
マイ エンジェル。
思わず笑顔になった。
今は、それよりも……と、急いで近寄る。
そして、ブローチを確認する。
本当だった!
つ、着けてる!!マジだ!
あああああ、すげー嬉しい。
神様、ありがとう!
もう死んでもいい。
ハッ、ダメだ!これからリナと新婚さんになるんだから、死ねない。
俺、落ち着けー。
深呼吸だ。スーハースーハー。
「リナ、着けてくれたのか。私を受け入れてくれたのか?」
ゔっ、声が上ずっちゃった。
「はい。私、気がついたのです。私も、エドワード殿下と同じ気持ちであったという事に。お慕いしております。」
リナは頬を赤らめ微笑みながら答えた。
マジか。マジかー。
天使やん。天使やん。メッチャ天使やん!
っていうか、同じ気持ちであっただと!!!!
同じ気持ちって、お慕いしてるって、リナが俺を好きって事だよな!?
ああああああぁぁぁぁぁああああああ
信じられない、無意識に小さく呟いていた。
リナは俺の呟きを捉えたようで、
「本当のことですよ。」
と答えてくれる。
「夢みたいだ。これは現実か?」
いやいやいやマジで、夢であったら俺、暴れちゃうよ。
城壁ドーンってするよ。
「フフッ、現実です。」
優しく微笑むリナを見て、天に召されそうになった。
おい、俺、気力を強く持て。
地上に留まるんだ。耐えろ!
想いが通じ合っているって!
……それって、もう結婚ってことでいいんだよね?
よし、今すぐにプロポーズしよう!
うん、やるっきゃないな。
「これはどういうことですの!エド様。」
おい、バカ王女、邪魔するな。
しかも説明しろって、自分は婚約者候補とか何言っちゃってるよ?
俺、ずっと、断ってきてるからね。
でも、開通発表まであと数日の辛抱、耐えろ。
冷静に……いやいや、俺はリナと直ぐに結婚するんだし、発表関係なくない?
耐えないでよくない?
だよね、だよね~。
よし、もう、バシッと言っちゃれ!
「誰が誰の婚約者候補だと言うのですか?私の婚約者候補は、もうずっとリナ、唯一人ですよ。もう何年も私が想いを寄せ、今日ようやく良い返事を貰えたというのに、あなたと言う人は……邪魔をしないでいただきたい。」
よし、俺、完璧に決まった!
「なっ、邪魔ですって、わたくしは、わたくしはエド様の事を6年間もお慕いしてきたではありませんか、こんな仕打ちはないですわ。お父様に言いつけてやる。」
そう言われましても、リナ以外、本当に無理だからなぁ。
「あなたは、いつもそうでした。私が、何度も、何度も婚約を断っても耳を貸さず、強引に事を運ぼうとする。私が困っているのも、周りが迷惑をしているのも気にもかけずに。そのような人を、私が愛しむことはあり得ない。そう、その顔を見れば分かります。今日やっと、あなたの耳に私の真実が届いたようですね。」
よっし、これで、コイツと縁切ったぞ。
エンガチョー。
長いので、2分割しました。
後程、投稿します。




