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王妃様のお茶会3

お読みくださりありがとうございます


「本当ですの!では、わたくしと、イザベラがこちらの国に輿入れしてよろしいのですね。」


 エリザベートは、イザベラと向き合い、嬉しそうに手を合わせ喜びあった。


「いいえ、違います。我が国は、西海への道の通行禁止を選びます。あなた達はいりません。さあ帰ってください。ただし、このことは外交問題ですので、国に報告し、ネペジル国は我が国に対し、一方的に制裁を課すことを要求したとして、強く抗議させていただきますので。後ほど、こちらも国交の断絶も考慮した措置などを検討し、文書にして送らせていただきます。」


「えっ、え?今なんて……通行禁止を選ぶの?そんなこと言ったらウェルト王国が西海へ行けなくなって困るじゃない。困るでしょ?ねっ、取り消すなら今のうちよ。」

 イザベラが怪訝な表情で言い返す。


 この場にいる者達は、まだ事の重大さを分かっていないのかと周囲は呆れ、明後日の方向に主張する王女を眺めている。

 不安な表情の者もいたが、声を上げた人物により、その不安は拭い去られた。


 いつもの無表情で、眼鏡のブリッジ部分を中指で押し上げ、冷静に淡々と声を掛ける者……アルムだ。


「あなた様方は、ハルク国の事を知らないのですか?隣国ですよ。あなた様方は、ネペジル国の、一国の王女ですよね?知らないのですか?そうですか。」

アルムは困り顔で、溜め息をわざとらしくひとつつく。


「では、知識を持ち合わせない、あなた達の為に教えてあげましょう。ネペジル国の隣国であるハルク国が小さな山を一つ崩して、道を通したのですよ。西海へと続く大きな道が出来あがりました。もうかれこれ10年近くも掛けて作業し、ようやく来月、開通したことを公に発表することが出来るのだそうです。危険個所の補強や整備があり、発表は遅れまてしまいましたが、1年半前に開通して以来、そちらの道を協力国として、使わせていただいております。マナーのなっていない王女を押し付けられたりしませんし。大助かりなのですよ。きっと、他国の方々も安堵していられるでしょうね。」

 そう、抑揚のない口調でアルムが言い放った。


 それを聞いたエリザベートは顔を真っ青にし、イザベラは首を傾げていた。


 「まあまあまあ、大変ではないですか。それでは、道を通させないとおっしゃっても、脅しにもならなくなったのですね!!」


 そう、ソフィアがイザベラにも分かるように、ワザとらしく驚いたフリをした。


 それにより、イザベラはアルムが言った言葉をようやく理解し、エリザベートの顔を素早く見ると、顔を真っ青にしていることを認識し、そんなっと小さく呟いた。


 それを見たソフィアが、柔らかい口調で話し始める。


「と言うなれば、ネペジル国の王女様方も、これから厳しくなられますわね。これで、我が国との婚姻は微塵も無くなりましたもの。急いで国に帰って婚約者を探せなければなりませんね。お気の毒です。あっ、でも、そうでした、ネペジル国は、王族が権力を握ってらっしゃるから、近親婚を防ぐために、自国の高貴な貴族には降嫁出来ないのでしたわね。そうなりますと、ネペジル国と交易のある国の貴人が婚約者候補になるのかしら?おふたりの年齢ですと、ネペジル国の北側に位置するゴア帝国の皇帝の子息達、幾人かはまだ独身でしたね。でも、あの国は女性の地位が低く、扱いが……えっと、部屋の隅はお好きでしょうか?あっ、ムチ、鞭は好きですか??」


 ソフィアが王女達を見てニコリと微笑む。


 沈黙が流れる。


「気を取り直しまして、南側に位置するハヴィ王国の第2王子、第5王子、第12王子が、まだ正室は……まだいらっしゃらなかったはずです。王子達は愛に満ち溢れ、大変お心の広い方達ばかりでございます。島を沢山所有し、暖かい気候でバカンスにはピッタリですわ。ですが、あの国は、ふくよかな体であればあるほど良いとされています。王子達は、デ、失礼、ぽっちゃりでいらっしゃいます。手を握られるとねっとりしていますが、きっと暑さのせいでしょう。輿入れの際は、我が産地のタオルをお持ちになることをお勧めします。よく汗を拭きとれ、よく絞れますから。」


 想像したのか、ヒッと、イザベラが息を飲んだ。


「お気に召しませんか?そうですね、あとは、ネペジル国から東に位置する……小国ですが、ギ国という国がありまして、そこの王太子がまだ独身でしたよ。年齢の合う貴人は、これくらいでしょか?ハッ、お2人はこんな所で、モタモタしていてよろしいのですか?より良い方は、こうしている合間にも、他のご令嬢へ取られてしいますよ?例え姉妹であっても、ライバルなのですよ。さあさあ、お急ぎになりませんと。」


 そうソフィアが焚付けると、エリザベートとイザベラが顔を見合わせる。

 それからすぐに失礼いたしますわと言い放ち、競い合うように庭園を出て行った。


 軽く手を叩き、拍手をしながら、お見事とソフィアにアレクシス殿下が声を掛けた。


「あいつらを即追い払う方法をよく思いついたね。うん、女性観点の貴重な意見が聞けて、実に良かったよ。しかし、君は、ギ国に恨みでもあるのかい?あれでは、ギ国にあの2人を押し付けたようなものだが、こちらに文句が来ないか、少しばかり不安だ。」


「文句は出ないでしょう。ギ国の王太子は、自身より背が小さく、見目の良い女性であれば中身は全く気にしない方のようなのでした。その彼は外見だけは、王族だけあって良いので、イザベラ様も、あれだけ視野を狭めたので、エドワード殿下より劣っていても妥協するでしょう。あの国に恨み……我が領や親友や、他の領地の特産品の偽物を勝手に作り、売り出しまして、粗悪品であったために、こちらにもかなりの迷惑がふりかったのです。被害に遭った領主達が連名で抗議をしたのですが、あの国は生産者、販売元には関係ないと白を切ったのですよ。明らかに国が関与しているのに。しかも、手紙では、らちが明かないので直接抗議に赴いた際に、あの王太子が……とにかく、害になりそうなものは、一か所にまとめておく方が、今後、潰し……監視しやすいと思いまして、発言いたしました。」


「……そうか。それはよい案だ。注視しよう。」


 ソフィアが殿下に褒められたことで、お礼を言い、淑女の礼をしてその場を離れた。


「チェスター伯爵家、ソフィア嬢は、なかなか興味深いご令嬢だな~。」

 そう呟き、アレクシス殿下は不敵に笑う。


 ざわついた雰囲気を一掃するように、庭園の人に向かって、さあ、楽しいお茶会の続きをいたしましょうと、仕切り直しを王妃様が告げた。


 その様子を見届けて、今度こそ、リナとエドワードは、庭園を後にする。


「さあ、僕たちも行きましょう。」




ソフィアにフラグ立った。

次回は、とても甘いので、お口直しの煎餅をご用意ください。

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