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王妃様のお茶会1

お読みくださりありがとうございます

おかしな箇所は、円盤投げで、ポイッしてください。

 

本日、王城にて、王妃様のお茶会が開かれます。


 表向きは王妃様の主催する未来ある令嬢たちを集めたお茶会ですが、秘密裏では、第1王子アレクシス殿下の婚約者を決めるための審査会だと噂されています。


 その為、会の途中で、アレクシス殿下とエドワード殿下が、王妃主催のお茶会に、顔を出すというイベントが用意されているのです。


 まあ、周知の事実となってしまっていますが。

高位貴族令嬢の集まりですからね。


 さてさて、本日は、父さまは通常通り、お仕事で出勤。

 兄さんは、エドワード殿下の側近として、今日も王城へ出掛けていきました。


 二人を見送り、リナも王妃様のお茶会の準備に取り掛かります。


 ドレスを着付けられている途中、母さまに確認する。

「母さま、昨夜話したこと、父さまに話しましたか?」


「ええ、話したわよ。父さま、かなり驚いていたの。正直、許可したくないと、頭を抱えていたけれど、リナの幸せを一番に考えると、許可せざるをえないと言っていたわ。それは、私も同じ気持ちよ。本当は、もう少し私達の許に居てほしい・・でも、リナの気持ちが一番大切だわ。もし、腹ぐ、エドワード殿下が、あなたを泣かせるようなことがあったならば、私達は一番の味方として、あなたを助けるから、今日は存分にぶつかってきなさい。」


「母さま、ありがとうございます。嬉しいです。もし、叶わなかったなら、侯爵家に恥をかかせてしますので、家を勘当される覚悟を決めなければと考えていました。心強いです。」


「まあ、もしも、万が一そのような事があっても、決して、あなたを見放さないわ。おそらくそんな可能性は1ミリもないだろうけど。リナ、あなたは悩みや問題を一人で貯めすぎるところがあるわ。もっと、家族や親しい人に頼っていいのよ。リナが困っていたら、みんな喜んで手助けしてくれるわ。」

「はい、母さま。」


 涙目になるリナの目を、出かける前だから泣いてはダメだと慌てて拭い、整える。

 気分を変えましょうと、母さまの弟のおもしろ恋愛失敗談を話し始めた。

 支度室は笑いに包まれた。


 準備が整い、侯爵家の馬車に乗り、王城を目指す。

 車中、リナはドキドキして、手をギュッと強く握り絞めていた。


 馬車が静かに停まる。

 王城へ着いたようだ。

 前に何台か、ご令嬢の乗せた馬車が並んでいた。


 前の前の馬車から、ソフィアが下りたったのが見えた。

 おそらく、後ろに、我が家の馬車があることを、ソフィアは確認しているだろう。


 馬車から降りると、少し速足で進み、ソフィアを探した。

 案の定、少し進んだところで、歩みを止め、待っていてくれていた。


 ソフィアはリナを見つけると貴族の挨拶をし、目に飛び込んできたモノに歓喜した。

 そして、おめでとうと目を潤ませ、祝福を送り、手を取り握りしめた。


「まだ、これからなの。凄く緊張するわ。」

「大丈夫よ。絶対にうまくいくから。何かあったら、私が助けるわ。」

「ありがとう。ソフィー。」

 フフッと、顔を見合わせて、2人で笑う。


 本日の会場は、王城の西側にある広い庭園で、エドワード殿下が前に話していた通称バラ園とは違う庭園である。


 季節的に、皇帝ダリアが咲き誇っていた。

 その他にも、ケイトウやパンジーなどで作られた可愛らしい花壇や、キキョウなどが植えられ、見頃を迎えている。


 王妃様を待つ間、先に到着している令嬢達は、友人同士で話す者、花を観察する者、じっと静かに待つ者、それぞれ自由に過ごしていた。


 庭園に入って少し歩いていると、ソフィアがシャーロットを見つける。

 赤いダリアの区画前に居たシャーロットの傍へ寄っていき、挨拶をする。


 ソフィアは、シャーロットに分かるように、リナの胸元を指さし得意げに話し、シャーロットがリナに祝福を送ったあと、2人はキャッキャ、ウフフと、楽し気に声を上げていた。


リナは緊張で、それどころではない様子だ。


 入り口の方が、ザワザワしだす。

 王妃様が会場へ、いらしたようだ。


 招待されたご令嬢が、王妃様に順番に挨拶へ行く。

 どうやら爵位の高い家の者から挨拶をするようだ。


 ソフィアやシャーロットより、リナは早い順番なので、行ってくると声を掛けて王妃様のもとへと向かう。


 待っている間、緊張で心臓がバクバクし、何度も深呼吸を繰り返す。

 リナの名が呼ばれ、王妃様の前へと歩み、立ち止まる。


 挨拶を済ませて顔を上げると、王妃様は口元を手で覆い、目を潤ませていた。

 リナは内心アタフタする。


 王妃様はコレの意味を知っているはず……どんな反応になるのか、気が気ではなかったのだが、この反応は、どうなのだろうか??


 その時、王妃様の後ろに先ほどまで居た、王妃様付きの侍女が、一瞬のうちに、居なくなっていたのにも気づかないほど、リナの心中は、目の前の人物の反応に一杯一杯であった。


 王妃様の目線は、何度も確認するように、リナの胸元にある。


 すると突然、王妃様が、リナの両手を手に取り、ありがとうと呟いた。

 その様子に、周囲が少しザワついたので、王妃様は我に返り、また後程にと小さく呟き、次の令嬢の挨拶へと移っていった。


 挨拶を終えた後も、これは王妃様に認めて貰えたのか?と、未だ疑心に満ちていて、リナは動悸がしばらく治まらなかった。


 いつものように隅の席へ移動と言いたいところだが、王家のお茶会であるので、王妃様との適度の距離で無難な位置を探すことにした。


 決められずに、どうしようかとウロウロしていると、ソフィアとシャーロットも挨拶を終えてやってきた。


「あそこはどうだろう?」

 ソフィアが指さす先は王妃様の座る予定の長テーブルの近くであった。


「だって、うまくいったのでしょ?嫁と姑になるんだから、仲良く話をしなくちゃ。」

 と言ってのけた。


「嫁姑。」


「ああ、早くリナが気持ちを自覚した時の話が聞きたいわ~。」

 シャーロットがワクワクしている。


「それより先に、王子様に会わないといけないのかしら?フフッ。あの方の反応が本当に楽しみだわ。」

ソフィアが楽しそうに笑う。


「ソフィ、緊張してるんだから、揶揄わないでよ。」

リナは緊張がさらに高まった。



 その時、

「エド様!」

 という甲高い声と、黄色い令嬢たちの声がした。


 声のした方を見ると、エドワード殿下が庭園へ足を踏み入れ、キョロキョロと何かをしきりに探している様子で、見回している。


 その時、殿下とリナとの目線が合致した。


 その瞬間、殿下が満面の笑顔をむけ、リナのもとへ駆け寄ってくる。


 王妃様は、まあ、まあ、まあ~と呟き、扇を口元に広げ、微笑んでいる。

 殿下の後を追いかけきた侍女が王妃様の背後に静かにスッと戻る。


 エドワードは、ズンズンと大腕を振って、リナに近づいてくる。


「ほ~ら、未来の夫が来たわよ~。」

 と、ソフィアが言い、

「頑張って!」

 と、シャーロットが声援を送ると、2人はリナから少し距離をとった。


 そして、エドワードがリナの前に到着した。


 エドワードの後方には、イザベラ王女と、アルム、近衛騎士が2人、急ぎ足で近づいてきている。


 アレクシス殿下はひっそりと、王妃様の座る椅子の背もたれに手を置き、王妃様に近づき、声をかけていた。

 しかし、周囲の者達には全く気づかれていない。


 それもそうだろう、エドワードがこの庭園に居る人々の視線を一手に集めているのだから。


 リナの目の前に来たエドワードは、待機部屋から全力で走ってきたのか息が切れ切れであった。

 殿下は、胸に手をやり一呼吸する。


 息を整え、リナの顔を見る。

 そのあとで、リナの胸元へ視線を落とす。

 そしてリナが着けている、ブローチをまじまじと見た。


 確認するとバッと顔を上げ、リナの顔をもう一度見た時、エドワードは、今にも喜びで爆発しそうな表情を口を結び耐えていた。


 さらに一呼吸置き、

「リナ、着けてくれたのか。私を受け入れてくれたのか?」


 そう、エドワードは少し震えた言葉で聞いてきた。


「はい。私、気がついたのです。私も、エドワード殿下と同じ気持ちであったという事に。お慕いしています。」


 リナは頬を赤らめ微笑みながら答えた。


 ヒュッと、エドワードから息を飲む音がし、口に当てた手の隙間から、信じられないと、小さな呟きが何度も聞こえてきた。


 咄嗟にリナは、

「本当のことですよ。」

 と答えていた。


「夢みたいだ。これは現実か?」

 殿下がさらに呟く。


「フフッ、現実です。」


 そうリナが言ってから、数秒、殿下が何かを考え、スッとリナの前で片膝をつき、姿勢を低くした。


 そして、右手をリナに向けて差し出す。


 殿下の周囲の者たちの息を飲む音が聞こえる。


 これから殿下が何をしようとしているのか、予想が付いたのどあろう。




始まりました、王妃様のお茶会。

いきなりクライマックス!?

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