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自白と告白2

自白と告白1の続きになります。

 

 リナは何も考えぬように、ただひたすら足を動かし続けていた。 

 王族の過ごす棟から、大臣室のある棟へと続く回廊へ差し掛かった時だった。


自分の名前を呼ぶ、大きな声が聞こえてきた。


「リナー、リナー、待ってくれ!止まってくれー!」


 大きな声で自分の名を呼ぶので、辺りをキョロキョロ見回す。


 声のする方に目をやると、エドワード殿下が身を乗り出し、声を張り上げ、上の階から自分を呼んでいるのが見えた。


「リナー、リナー、僕はまだ君に伝えていない。だから話を聞いてほしい。」


 エドワード殿下の居る方へ体を向き直した時、自分の周りや建物付近で声を聞いた人々が、ざわめき始めていることに気が付いた。


「あっ、ほら、あの大きな声、エドワード殿下だわ。リナって誰かしら?」

「ほら見て、エドワード殿下が何かしてるって。」

「リナって人を呼んでいるわ。」


 そんな声が方々で聞こえてきて、皆がリナとは、いったい誰なのかと、キョロキョロと探し始めていた。


その時、

「アルム、アルム、俺は、お前の事が好きなんだ。話を聞いてくれーーー。」


 そうエドワード殿下が大声で言い放ったのだ。


「え?アルム?アルムって、あいつだよな。好き?え、殿下が男に告白!?」

 リナのいる回廊横のベンチで休憩していた見知った文官が、そう驚きの声を上げ、リナを指さした。


 いっきに自分に視線が集まるのが分かった。


 今、殿下、何て言った?

へっ、好き?えっ?

誰を?いま…アルムって…………アルム!!!?

 アルムって言ったよね。

この状況、非常に不味いよね!!


 ちょっと殿下、こんな所で、何を言っちゃってるのよ!?

 冷汗が止まらない。


 何とか誤魔化せる、いい方法はないものか???

直ぐに、直ぐに考えつかなければ!!


 そして頭をフル回転させて思いつき、殿下が居る方へ急いで駆け寄り、言い放った。


「殿下ーー!僕をからかい、悪ふざけするのも大概にしてください。耐えられる限度がありますよ。今のは、流石に我慢なりません。今すぐそこに行きますから、そこで待っていなさい!!」

 そう大声で言い放ち、来た道を急いで早歩きで戻る。


 歩いている際、近くの人がリナの言葉に、

「なんだ、殿下の悪ふざけか~。」

「からかっただけか~。」

「えっ、違うの、残念だわ。」

 といった、反応をしているのが聞こえてきた。


良からぬ噂を立てられぬように誘導出来たと、内心ホッとし、殿下の元へと急いだ。


 嬉しさと怒り、恐怖が混在する。

 殿下の姿が見えたと時に、ニコニコしている表情が確認できたが、リナが近づくにつれて、顔色が青くなっていった。


 急いで、殿下の前まで行くと、殿下の腕をガッシリ掴み、そのまま引きずるように殿下の執務室へと無言のまま連れていく。


 勢いよく扉を開け、執務室へ入ると、殿下の腕を突き放した。

息を整える。


 最後に近衛騎士もそそくさと入室し、静かに扉を閉めた。


沈黙が流れる。


「殿下、あんなに大勢の前で、いったい何を考えて、あのようなことを口にしたのですか?」


 ギロリとリナは殿下を睨む。

あたふたする殿下。


「あの時は、リナに想いを伝えなければと、必死で。」

「アルムって言いましたよね。アルムって。アルムって。」


「リナは今、アルムの格好だから、アルムと言わないと伝わらないと思って、咄嗟に、アル………………まずいな。」


「冷静になりました?マズいですよ。私、知らないですからね。」

「ヴッ。」


「一応、フォローはしておいたので、今後、変な噂が出た際には、殿下が対処してくださいよ。兄にも、そう報告しておきますので。それでは、私はこれで失礼します。」


 踝を返し、部屋を出ようとすると、殿下に腕を掴まれた。


「な、何ですか?」

「少しだけ、少しだけでいい、話をさせてくれないか?」

「先程、話は終わったものと認識しておりますが。」

「もう少しだけ、僕の話をさせてほしいんだ。」


聞いてくれ、お願いだと、腕をガッシリ掴まれていた。


易々と離してくれそうになかったので、息を一つ吐き、分かりましたと観念し、了承する。

殿下にそこに座ってと促され、執務室のソファに殿下と向かい合って座った。


 もう一度、殿下と向かい合うことが出来たことに、リナは内心ホッとした。

と同時に、また近くに居られることが何だか嬉しかった。


 そして、殿下は、私が知らなかった事実を語り始めた。



殿下は何を話すのでしょうか。

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