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エドワードside :ちょっと、リナ、目付けられすぎだから 1

お読みくださりありがとうございます

エドワード視点です。

少し前からのお話です。



ブローチ用意オッケー!

よしよしよーし!

今日こそ、これをリナに渡すぞ。


 ん?執務室前で何やら話している、カイルとリナだな。

 今度の勲章披露会?ああ、確か、モントローズ辺境伯のやつか?

 ヤバい、静かになったから入ってくるかも、ドアから離れないと。


 トントン

「アルムです。」


 騎士よ、もう分かるだろ。リナだ。

 直ぐに会いたいんだ。

 言わなくても、もう分かっているだろう?

 さあ速攻で、あ~け~ろ!


(りょ、了解です)


 フフッ、アイコンタクトが上手くなったな。


 ああ、今日のリナも可愛いな。

 よし、この後のお茶会で、今日こそブローチを渡そう。

 ドキドキするな~。


「帝王学の講義に行くのだが、君も行かないか?」

「はい、お供いたします。」


 ヤッター!神よ~。

 天使を私の元へ寄こしていただき、感謝いたします。


 今日の王妃教育の教師も絶好調だな。

 どんどん誘導の腕があがっているじゃないか~。


(殿下、やりました。次回のリナ様、講義参加も取り付けましたよ。)


 よくやったぞ、お前ならやってくれると思っていたぞ!

 さすが、王家が信頼をよせる優秀な教師だ。

 お前もアイコンタクトが上達したな。


(お褒めの言葉、ありがたき幸せ。)


 教師よ、泣くのは、部屋を出てからだぞ~。


 よし、これからは俺が頑張る番だ。

ブローチを渡すぞ!

 落ち着け、落ち着いて行けば大丈夫だ。


「これ、この前のお詫びに受け取ってくれないか。」

 よし、言ったぞ。


「ブローチですか?」


 あれ?あああ、そうかアルムの格好だもんな。

 男に男が宝飾品の贈り物ってキモいよな……。


「ええっと、リナ嬢へ渡してほしい。」


 でも、これは絶対に君に、君しかつけてほしくない物なんだ。

だから…だから、頼む!


「殿下。分かりました。お預かりします。」


 良かった!無事に受け取ってもらえて!!

本当に良かった!


 出来たら、公の場で着けてもらえると嬉しいな~。

ていうか、必ず着けて!着けてー。


 小さなダイヤモンドを並べて作られた四葉のクローバーの中央にイエローダイヤモンドが一つ添えられたブローチ。

 君に俺の気持ちを気づいて貰いたい。

 それから、他の男たちがこの意味に気づけばいいのだ。


 四葉のクローバーの花言葉は、『幸福』


 そして、もう一つの意味も、知ってもらえたら

『私のものになって』


 イエローダイヤモンドの石言葉は、『永遠の愛』


 そして、王家の者の瞳と同じ色の宝石。

俺の目と同じ色の宝石。


 俺の想いを込めて渡したこれを、是が非でも、着けてもらいたい。


  ***


トントン。

「兄上、私です。」

「入れ。」

さっきの執務室前での会話が気になったから、兄上の近衛のカイルの所に来たよ~。


「カイル、話があるんだが……。」

「ちょ、テッド、俺の部屋を訪ねて来たのに、俺の事は無視なの?」

 兄上放置して、ドア付近に居るカイルに話し掛けたから、無視したと思われたか。


「え、あっ、兄上、すみません。カイルに用があったので。」

「ああそうかよ。」


 カイルに向き直す。

「エドワード殿下、ご用ですか?」


「さっき、勲章披露会とお前たちが話しているのが聞こえたのだが、リナが行くのか?リナは王家の主催じゃない夜会以外は、でないはずだろう?」

「うわぁ、立ち聞きですか?殿下、ひきますわ。」


「お、お前らが僕の部屋の前で話していたから、聞こえてきただけだ。」

「はいはい、そうですか。勲章披露会には、リナも行くそうです。モントローズ辺境伯夫人に直接誘われたそうですよ。友人の家や両親の親しくしている方が主催のものなら、リナも時々参加していますからね。まあ、専ら壁の花ですけど。」


「僕の横に連れ歩き、いや皆には可愛すぎて見せられんな……そうか、参加するのか……。」

 カイル、憐れむ目で俺を見て来るな、無視しよう。


 勲章披露のねぎらいに王族が参加するはずだけど、今回は俺には別の公務があるから、不参加なんだよな~。 


 確か今回の参加は、

「兄上。」

「ダメだぞ。今回は代われないぞ。」

「まだ何も言っていません。」

「どうせ、披露会に代わりに出たいとか言いだすんだろ。今回のお前の公務は、お前が父上に進言し始めた案件だ。俺が代わって失敗しましたでは済まぬということはわかっているだろう。」

「ええ、分かっております。」


 そうなんだよ。

 この前、リナと行く新婚旅行やお出かけスポットの妄想をしていた時に、思い浮かんでしまった地域整備計画の第2回視察の日なんだよね。

 結婚するまでには整えたいと急がしたのが仇に出るとは……くっそおおぉ。


「テッド、そんな顔しても無理だぞ。」

「ええ、よーく、分かっていますとも。」


 俺は行けないから、披露会で着飾る、きゃわわなリナが見れない。

 きっと虫けら共がワンサカ言い寄ってくるに違いない。

 助けに行けない己がふがいなさ過ぎる。

 ぐやじぃ~。


「はぁ、分かった。お前の代わりに、カイルがリナ嬢を見張るようにする。何かあったらすぐに助けるし、お前にきちんと報告するから、それでいいか?あとは、何かあるか?」


 兄上、カイルがジト目で見てますよ。


 しかし、さっすが、兄上!

俺の気持ちを汲んでくださったのですね!


「はっ、はい。ありがとうございます!それと、ブローチを着けてきているか、確認してきてください。」

「ブローチ?」


「お詫びの品だと渡したプレゼントなのですが、着けていてもらえたら嬉しいなと。」

「ふーん、どんなのだ?」


「四葉のクローバーの中央に……イエローダイヤが付いたものです。」

「テッド……お前。王家の色のダイヤの付いた宝飾品をお詫びの品と……。」


 あれ?何かまずかったかな?

 兄上、眉間を抑えてるぞ?

 俺の想いを込めたんだ会心の出来の品なんだけど。


「おそらく着けてこないだろうな。あの家にはアルムと大臣、さらに、その夫人が居るから。」


 へ?なんで?


「いくら過保護の家族でも、着けさせないってことは無いのでは?」

「カイル、お前もそういうものに疎い人間であったのか。帰ったら花と石言葉を調べろ。それからこいつの瞳は金色だ。イエローダイヤは金色だろう。王家の色だ。自分の目の色の宝石が付いた宝飾品を女性に贈る意味は解るよな。」

「あっ、えっと、確か、僕は君だけのもの……すなわち求婚の意味でしたよね。」

 そっと、カイルがエドワードを見る。


「そうだ、弟からの愛の言葉満載のその求婚ブローチを、あの家族が着けさせるとは思えん。求婚となると着けた時点で、了承だと思われてもおかしくないのだからな。」


 ただ、想いが伝わればよいと思って渡したのだが。

求婚アピールは、さすがに急ぎすぎたかな?


「あの~、エドワード殿下も頑張っているようですが、一言よいですか?」

 ん?カイルは恋愛に疎いのではないのか?


「なんだ?」

「えーと、リナは言葉にしないと気が付きませんよ。あの家族は殿下の気持ちを教えないでしょうし、俺も教えません。この前も言いましたが、殿下がきちんと、ご自分の気持ちを言葉で伝えないと、何も変わりませんよ。緊張してしまうのは仕方がないことですが、想いは直接伝えないといけません。おそらくあいつは、恋愛に疎いのではなく、結び付けないように、無意識に排除しているので。だから、今回も伝わらないと思います。」


 カイルのくせにとか言ってやりたいけど、さすが幼馴染なのだな。

 何か知っている感じだし、ここは従っておこう。


「分かった。直接伝える機会を考えてみる。」

「それと、強引に進めるのだけは、絶対に止めてください。」

「ああ、リナが嫌がることは絶対にしない。」


 話が終わったなら出て行けと、兄上の執務室を追い出された。



長いので、2分割しました。

後程、続きを投稿いたします。

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