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執務室の沈黙

お読みくださりありがとうございます。

少し短いです。


 

休みの翌日は非常にダルイ。

 今、私は殿下の執務室で業務をしている。


 殿下とは、先日のお茶会の事もあり、アルムになっている今の私は、気まずい思いをするはずであったのだが、朝一で殿下から速攻謝られて話はすんなり終わった。


 うん、終わったはずなんだけど。

 それなのに、現在、横に居る殿下は、朝の後もずっと思いつめた顔をし、等間隔で溜息を吐いているのだ。


 仕事も全然はかどらない様子で、心ここにあらずといった状態である。

 別の件で何かあって悩んでいるのであろうか?

 殿下にも悩み事があるのね。


「殿下、何かございましたか?集中できないようでしたら、少し休憩をはさみましょうか?」

 コクリと殿下は頷き、大人しく従った。


 ちょっと可愛い。

 どうしたのだろう?いったい何があったのだろうか?

 少し心配である。


 お茶会の事も片付いたはずだし、兄さんとあんなに策を組んだのに、無駄に終わってしまった。

 まあ、それはそれで助かったけどね。


 しかし、何か悩み事が他にもあるのだろうか?

 仕事の捗らない、この状態は大変困るな。

 こんなに悩むなんて大変な事が起こっているとか?


 大丈夫なのであろうか……。

 私が話を聞くべきなのかな?

 横に立つカイルも殿下の様子を不思議がっている。


「では、侍女にお茶の用意を頼んできますので、しばしお持ちください。」


 席を立ち、侍女にお茶の用意を頼んだ後、私はお昼の後に食べようと、持ってきていた名店のチョコレートを大臣室に取りに行き、執務室に戻った。

 既に侍女によりお茶の用意がされており、殿下とカイルが座り、談話していた。


 殿下の様子が和らいでいるのが分かった。

 カイルが話を聞いてあげたのかな?

 そう考えながら、殿下に話し掛けた。


「殿下、休憩に甘いものはいかがですか?これ、今、評判のチョコレートなのですが、つまんでみてください。甘いものを食べると、少し元気になりますよ。」


 そう差し出すと、殿下が

「私のことを心配してくれるのか?」

 と、嬉しそうに聞いて来るので、私は答える。


「はい、朝から何か、悩んでいる様子でしたので、甘いものでも食べれば、少しは気晴らしになるかと思いまして。何か悩み事がありましたか?私に話して解決できる問題であるのならば、話を聞こうかと考えていたのですが、どうやら、解決したようですね。」


 チラリとカイルを見る。

 カイルがコクンと頷いた。


その時

「君には、相談できない・・。」

 そう殿下が呟いた。


 殿下の悩みは信頼のない私なんかが聞こうとしてはいけなかったか、ああ、失敗した。


「すみません。僕ごときがおこがましく、殿下の悩みを聞こうなど、申し訳ありません。」

「そういう意味では。」

 きっと聞いてはいけない悩み、それ以上、関わるのは少し面倒だと思えてきて、席を外そうとした。


 カイルと二人で話す方がよいだろうと、

「それでは、僕は少しの間、席を外しますので、殿下は、カイルと、ごゆっくりお話しください。」

 そう言って席を立とうとした。


 その瞬間、腕を掴まれ、

「ちょ、ちょっと待ってくれ。」

 と、呼び止められた。


 腕を掴まれているし、仕方がないので、元の席に着く。

 しばし沈黙する。


「先日のことで、あの、お茶会の、私が迷惑なことを言ってしまったので、君に謝りたくて。あの、その、本当にすまなかった。」


 あれ?朝一で謝ったのに、まだお茶会のことで、悩んでいたの?

 ん?別件で悩んでたんじゃないの?


 えーと、お茶会の事とは、リナに対するあの発言の事だよね。

 確かに、人の話を無視して、勝手な事を言っていたから、あの時は正直ムカッときたけれど、今は何とも思っていないし、私は全く気にしてない。


 今はアルムの格好だし、何て答えたらよいのだろうか・・。


「あの、朝も謝罪をいただきましたし、もう気にしていませんから。それに、あの後、ハロルドが家に来て話したのですが、良い奴でしたし。殿下が気にされることなど、いっさいありませんから、謝らないでください。」


 よし、これで、ハロルドと兄さんの仲も険悪ではないから気にするなと、伝わるはず。


「家に、来たのか。良い奴か。そうか……私は気にしてなくてもよいのか……。」

 と、殿下は呟き、仕事に戻った。


 それから殿下が猛烈な勢いで仕事をこなしたので、あんなに滞っていたのに昼食休憩前には終わった。


 リナが執務室を出る前に、殿下が聞いてきた。

「アルム、その、私の事を嫌いにならないでくれるか?」


 まだ許してもらえていないと思っているのか?

 ちょっとしつこいな。


「殿下のことを嫌いになったりなどしませんよ。」

そう返した瞬間。


「そうか!」

 そう殿下は言うと、ニコニコしだし、機嫌がよくなった。


 その様子に、殿下が元気になって良かったとホッとし、フフッと思わず声に出し笑ってしまった。

 マズイ、顔を崩してしまったと慌てて、それではと、執務室をいそいそと、後にした。


 大臣室へ向かうのに隣を歩いていたカイルが、今日は寄るところがあるからと分かれる。

 私は父さまの部屋で行き、お昼をゆっくり食べた。


今日中に投稿できてよかった。

あの男を早く登場させたくて、今話を載せてしまいました。

次回、遂にあの男が出ます。

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