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希少な魔法の弱者の勇者  作者: スーパーボール
4/5

街中にて

 俺とハティは国の門外にいた。


「おいまて、そこのセリピィ、こいつは何だ?」


「え?やだなぁ、奴隷ですよ奴隷、おら!シャキッと歩け!」


 ハティと俺の関係は門だけだが奴隷と主人いうことにしてある。

その方がセリピィであるハティが入国を拒否されたときに何かと融通が利くと思ったからだ。


「まぁいいだろう、入れ!」


重々しい音とともに門が開き無事、中に入ることができた。


「くそが!てめぇ!引っ張ったら!いてぇだろうが!」


「ごめん!だって!迫真のが!いいと思って!」


「いいわけねぇだろ!!!!」


「あ、でもハティもちょっと喜んでなかった?」


「んなわけあるか!!!」


「すいません!!!!」


もうやだ・・・演技で引っ張っただけなのにこの子本気ガチで殴ってくるんだもん・・・


 町に入ってまもなく、繁華街が見えてきたがそこはなぜか閑古鳥が鳴く、という表現がぴったしのありさまだった。


「なぁハティ、前来たときもこんなんだったのか?」


「いや、もっと栄えてたぞ?こんなに人がいないなんてことはなかった」


だろうなぁ・・・これは悪政が行われてるとしか言えないような有様だしなぁ・・・


「まぁとりあえず腹も減ったし飯にするか!」


やっとみつけた開いている飯屋に入り、注文をする


「なんかおすすめってあります?」


「大盛り炒飯ならお嬢ちゃんと兄ちゃんふたりで腹いっぱいになれるんじゃあねぇか?」


炒飯!この世界に炒飯あるのか!そんなことを思いながら嬉々として注文したが出てきたのは

飯!なぞの野菜!調味料!炒める!終わり!見たいな感じで想像したものは出てこなかった・・・

味はうまいがなんか野菜がくさい、てかくさい。もうくさい。


「これ野菜なに使ってるんです?」


「あぁこれかい?これは[タンタンタン!!!!]だよ」


「すいませんもう一度・・・」


「だから[じゅわー!!!]だよ!食ったことくらいあるだろ?」


 聞こえない!肝心なとこが聞こえない!そんなことを考えながら黙々と食べていく。

ハティは問題なさそうに食べてるから毒ではないだろうけど・・・

なんだろう・・・体調が悪くなっていく気がする・・・


 さて箸を止めるついでにそろそろ本題を切り出そう、これ以上食べたら死ぬ気がする。


「あの、そういえばこの町ってこんな貧しくなかったと思うんですけど・・・」


「そうだよ!あの日王が行方不明になって新しい王になってから税が重くなったんだ!死にはしないが奴隷になった気分だよ!」


 これまで溜めてたものが噴出すように急にすごい剣幕で語り始めた。

これだけ鬱憤が溜まってたら協力を頼めそうだがこれが王にばれたら計画が難しくなる・・・慎重に行かなk「じゃあおっちゃん!アタシ達と革命起こさねぇか?」


 ・・・一瞬理解ができなかった。

えぇ、人が慎重に考えてるのに、えぇ・・・


「アタシ達王の居場所も知ってるしさ!どうだ?いいだろ!?」


えぇ、言うか?普通もうちょい慎重になっちゃうもんじゃないのか?しかも王の居場所だなんて下手したら俺達が疑われるぞ・・・あ、この子馬鹿だ・・・馬鹿なんだ・・・もうヤダこの子・・・


「・・・」


あぁもうすごい怪訝な顔してるもん・・・


「いいじゃねぇか!!その案乗った!俺の知り合いにも声掛けてみるわ!」


「え?!いいんですか?!」


「いいんだよ!俺たちもそろそろやんなきゃ思ってたんだ!」


「は、はぁ・・・」


店主も馬鹿だった・・・いや、助かりはしたが仲間にするには不安があるなこれ・・・


「じゃ、じゃあとりあえず自分達帰ってまた7日後に作戦携えて来ますんで召集お願いしていいですか?」


「おうよ!任せときな!あ、代はいらねぇぜ?仲間から金取るわけにゃあいかねぇからな!」


・・・なんだろうこの店が裕福じゃない理由はわかった気がする。


 早速小屋に帰ってから、作戦を考え始めた。


「なぁなぁヒョウガ、普通に合戦じゃだめか?てかそれ以外になくないか?」


「そうだよヒョウガ君!そもそも各国で戦争は合戦というルールだ!」


「没です、んなの成功するわきゃない、大体ハッバのおっさん、これは革命なんですよ?戦争じゃない」


「あ、こんなのはどうかしら!無理やり、城に入って火とかを付けまくるの!」


「それはちょっと・・・城を破壊したらその後住むのが難しくなるだろ?ハッバのおっさん、追い出されたときはどんな感じで攻められたんだ?」


「前攻められたときは兵士全員が反逆を起こしたからな・・・」


もうこの人ただ単に人望なかっただけじゃないんだろうか・・・


「城の中の兵士と兵器は?」


「城に兵器などないぞ、平原での合戦しかしないのに意味がなかろう?兵士は・・・えっとなんだったかな・・・」


あぁもうこの人なんだか・・・蹴りたい・・・


「お父様、魔道士三千、歩兵が六千あとは騎兵が二千ですよ」


「なんでイリオスが把握してんのにおっさんしてねぇんだよ!!」


「ワシだって今言おうと思っとったんじゃい!」


「歩兵の内訳は?」


「重装歩兵が四千、槍兵が二千、だな」


 ハッバのおっさんの一言でふと気がつく。


「重装歩兵が多いな、それに弓兵はいないなんてどうやって遠距離攻撃すんだ?」


「遠距離への攻撃自体合戦だからあまりないがな・・・しいて言えば魔道士の魔法だな、大抵歩兵で守りながら魔法を撃つ」


 え、この世界弓矢ないの?知らなかったんだけど・・・


「だとしたら魔道士を重装歩兵で守る感じか・・・魔力切れしたらどうする?」


「交代で撃つのだよ、最初に三百魔力が切れたら次の三百、というふうにな」


「城への攻撃を想定した装備は?」


「特にない、そもそも国のほとんどが城郭都市だからな、城に攻め入られることを想定していない」


「・・・これ実はヌルゲーじゃね?」


 城を直で叩くというあらかたの作戦が決まり、三人で残りの細かいところを考えているとふと、静か過ぎるあいつの存在を思い出した。


「・・・ごめんハティ、忘れてた」


「いいし、別に傷ついてないし」


 幼女が涙ぐみながら拗ねていた・・・


「ごめんなぁ!おーよしよしよしよし!!!」


「ヒョウガ!可愛いわ!この子かわいい!」


「わっ!撫でんな!撫でんなって!!」


そんなこと言いながら尻尾をぶんぶん振ってるのを見てさらに萌えて一晩中撫で続けた。


 後日、俺はハティをつれてすぐ町に行き、集まってくれた人たちを見た。

一日後にも拘らず一万人弱の人が集まってくれた、そこから強化魔法が上手い下手関係なく使える人と、大工と力がある人に分かれてもらった。           

力自慢の人と大工の人たちに設計図を渡して作ってもらって出来たものに強化魔法をかけてもらう。


 造ってもらうのは、弓矢、投石器、あと大きい盾を用意してもらい、力自慢の人たちには弓矢の練習をしてもらった。

作り方?注文したらそれっぽいものが出来たからセーフセーフ。すごいね、大工さんて


 作戦前日、俺たちは一通りの段取り確認を終えて宴をしていた。


「お前ら今日は飲むぞ!!」


 飯屋のおっさんが大量に持ってきた。

俺も高校生ではあるが、こっちではそんなルールはないらしく、人生初のアルコールを飲むことにする。


「おいおい、流石にハティには早いだろw」


「あ?何言ってんだ?アタシお前より年上だろ?多分」


「それはないよwwwいくつ?」


「1万だけど」


「は?」


「大体種族が違うんだぞ?年齢の尺度が一緒なわきゃねぇだろ」


「・・・なんか今まですいませんでした・・・」


「おう」


何だろう、こっちにきて一番落ち込んだまま、明日の作戦に備えて寝ることにした・・・


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