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希少な魔法の弱者の勇者  作者: スーパーボール
3/5

ボロ小屋にて

小一時間歩いただろうか?こじんまりとした、よく言えば趣のある悪く言えばボロくさい小屋が見えてきた。これが王様の棲む家かよ・・・


「ちょっと待ってて、今お父様にお話をつけてくるわ」


「おう、大人しく待ってるわ」


しばらくして小屋の中でドッタンバッタン大騒ぎな音が聞こえてきたかと思ったら、バッハみたいなおっさんが出てきた。


「君がヒョウガくんかね⁈」


「は、はいそうですけど・・・」


「話は聞いたよ!ささっ中に入りたまえ!」


中は意外と綺麗にされていて広さもそこそこある様だった。

家具は手作り感満載の棚が多かったが写真立てだけは、なぜか高級感あふれるシックなデザインだった。写真立ての写真にはにはイリオスとバッハ(仮)そして、もう一人女の子が写っていた。


「イリオス、この人は?」


「あぁこれ?私の妹なの、占領された日に攫われてしまったのだけど・・・」


また地雷踏んだかな?


「あぁすまん、挨拶が遅れたね、儂はイリオスの父コネー・ハッバだ」


うわ名前もバッハみてぇ、てか言いにくいな・・・


「あぁすいません俺氷室氷河っていいます」


「そんなことはどうでもいい!早速魔法を見せてくれないか⁈エルフを救う伝説の魔法を‼︎」


うわぁ・・・このおっさんも期待しちゃってるよ・・・しかもどうでもいいって・・・

イリオスの方を見ると露骨に申し訳なさそうにしていた、可愛いけど許さん。


「じゃあ、いきますよ?」


ポフッ


「これだけかね」


「これだけです」


「これだけなんだねぇ」


「これだけなんですねぇ」


「ま、まぁこの問題はさておき、ことの問題を話そう!」


うっわこのジジイ問題とか言いやがった。

そんな苛立ちを我慢して聞いた話を要約するとこうだ。


・平和だった王国に住んでいたヒトがいきなり反乱を起こした。

・似たような現象は他の国でも起きてる。

・この世界にはエルフ以外にも多くの種族が住んでる


以上だ、これを俺に救えと言うのだが・・・いやこれおかしいだろ、絶対こいつらの意思じゃないじゃん悪の魔王的なアレじゃん。


「あ、あのすいません話おっきすぎやしませんかね?俺カス魔術師ですよ?」


しかもエセである。


「異国から来たのならそれなりの知識があるのだろう?知識もあるじゃろうしいけるだろう」


そんな軽い感じから俺達の新しい言語とその他この国の知識への勉強のための同居が始まった。

主にやったことと言えば、森へ行って狩をしたり、川へ行って釣りをしたり、勉強したり、森へ行って野草を採取したり、川へ行ってカニとかを採取したりした。

・・・ほぼ遊んでるな、俺


半年が経ちほぼほぼの言葉と、(主に森で暮らす上の)知識を得た俺はある程度氷の形の自由度が上がっていた。(と行ってもまん丸に出来る程度だか・・・役に立つことと言ったらカップに入れて冷たいジュースを飲むことぐらいだ。)


そんなある日・・・


「じゃあお父様、私食料取りに行ってくるから」


そう行って彼女は食料庫に行った。だかしばらく経っても帰ってこないので様子を見にいくと、倉庫の前でイリオスが倒れていた。


「イリオス!おいイリオス!大丈夫か⁉︎」


「ぅ、うぅん」


「よかった、眠ってるだけみたいだ・・・」


起きたイリオスに話を聞くと、倉庫を開けたら獣の耳が見えて退治しようとしたら眠気が襲って来て・・・という事らしい、これはきな臭いらしく容疑者は獣人種セリピィという奴の仕業らしい。


「わかりました、俺がそいつを取っちめますよ!」


「大丈夫か?イリオスが一杯食わされた相手だぞ?」


「安心してくださいよ、セリピィってやつに2杯でも3杯でも食わしてやるんで!」


翌日俺はイリオスが行った時間に倉庫に行き扉を開けた、するとケモミミが見えた後にスーッと緑色の球が飛んで来た。


「これかっ!」


間一髪避けた緑色の球の行く末を見てると、ハッバのおっさんに当たっていた。


「はぁ、何やってんすか・・・」


「ぐぅ」


そんな状況に少し和まされていると倉庫の奥から爪が飛んで来た。


「ぐっ!」


フードを被っていてよくわからないがセリピィと言うので違いないようだ。

ナイフで受け流すのが精一杯で攻撃を与えられそうにはない。

致命傷こそ負わないものの、こちらへのダメージは蓄積されていく。


「くっそ、がぁ!」


ヤケクソで飛んで来た爪に思いっきし氷の塊を叩きつけたら、爪が割れた。


「〜〜〜〜〜〜‼︎」


爪の持ち主はうずくまって指を咥えてている。

よくわからんがラッキーだ、最後に森で育てた腕力全開を頭に振り下ろし、気絶させた。


「ぅ、うーん」


「お、起きたか」


「⁈どこだ、ここ!」


そりゃそうなるだろう、こいつは今全てが逆さに見えてるはずだからな。


「俺の家の中だ、お前を気絶させて連れて来た。」


儂の家・・・とか小言が聞こえてくるがあえて無視する。


「んじゃフード取るぞー」


「んな⁈やめろ!」


問答無用でフードを取って見ると、可愛い可愛いケモミミ少女、いやケモミミ幼女の顔があった。

白髪の隻眼、ロリ体型、生意気口調、うーんこれまたテンプレ要素満載だな。

何だろう、こう・・・ペットにしたい。


「さぁケモミミ幼女よ、助かりたい?」


「当たり前だ!とっとと下ろせ!」


「ふーんなら」


「な、何をする気だ!」


この子を飼うにはこれしかない!


「ねぇイリオスママー!僕ペットが飼いたいなー」


「マっ⁈この子をうちで養うってこと?だめよ!食料だって限界があるんだし!」


「えぇ〜おーねーがーいー!ちゃんとお世話するからー」


「そんなこと言って!結局ママが全部やることになるの、知ってるんだからね!」


「家のお手伝いもするからー!」


「・・・ちゃんとお世話するのよ?」


勝った、イリオスがノリノリになってくれて助かった。


「ほいじゃお前、これから俺のペットだから」


「アタシの意思はどこに行った⁈」


さて、なんかギャーギャー騒いでるのは無視するとして逃げないようにするのはどうしよう。

そう悩んでいるとイリオスが家にある物置から首輪を取って来た。


「あ、あのーイリオスさん?その首輪は・・・?」


「あー、昔お城でワンコ飼ってたのよ。大きかったんだけど、あ、この子には大きすぎた?」


「いやそうじゃなくてですね?何で首輪?」


「え?その子飼うんでしょ?」


うわぁ・・・


「うわぁ・・・ま、まぁ取り敢えずそれで・・・」


首輪をつけて柱にくくりつける。


「ぃよーしよしよしよしよし、この子はねぇこうすると喜ぶんですねぇ」


「うゎぷ!やっやめろ!」


そういいながら尻尾をパタパタさせている姿に不覚にもキュンときてしまった。


「さあ、ケモミミ幼女くん、これから事情聴取を行うよ?まず名前と家族構成、これぇ教えてもらえるかな?」


「チッわかったよ、ルーブ、ルーブ・ハテ「吐いたらどうなんだ!」今言うわアホ!ルーブ・ハティだよ!家族は・・・いない」


意外な言葉が出てきて驚く、いやある意味意外でもないが。


「つまり犯行動機は貧しさに耐えかねてでいいかな?」


「まぁそうだけどさ、な、なぁこの感じいつまで「はい、本官に口答えしないでねー」・・・あい」


何だこの従順さもふもふしたい。


「う、うむ、まぁいいやじゃあハティって呼ぶとして一人なんだったら一緒に住まない?、可愛いし」


「かわっ⁈ア、アホかお前!まぁそんなに言うんだったらわかったよ飼われてやる!」


「あ、養われるじゃなくて飼われるのがいいの

ね?」


「⁉︎さっきの!さっきの無し!」


縄をほどきながらもふもふする。


「よーしよしよしよしよし」


「あーもう!こんな家入らなきゃよかったー‼︎」


何かとてもおっきくて大事なこと忘れてる気がするけど…まぁいいか。

そんなことを考えながらハティをもふもふしてるとハッバのおっさんが声をあげた。


「そろそろ国奪還のことを考えようか・・・」


あ、完全に忘れてたなぁ大体国を追われたとか言いつつも、誰かが探しに来るわけでもないしなぁ・・・


「じゃあまずアタシと・・・」


「氷河でいいよ、こっちのエルフがイリオス。」


「氷河、この二人で様子を見てくるよ」


「俺は兎も角、ハティは大丈夫なのか?」


「この前普通に入れたからいけるだろ、盗めそうな家無かったからすぐに出てきたけど」


「ほーん、じゃあ行こうか」


取り敢えず、そういうことらしいので俺とハティはテミオスに向かうことにしよう。

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