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夏の物語  作者: 皐月 朔
9/16

アイスを求めて

 自転車をこぐ足に力を込める。

 日はだいぶ傾き、昼ほどの暑さはすでにない。自転車が進むことでほおを撫でる空気がその感覚を助けてくれている。

 しかし日が沈み昼ほどの暑さがないと言っても、季節は変わらない。

 自転車を漕いでいることで自然と額に汗がにじむ。


「くそッ・・・・・・。コンビニまで自転車で15分って・・・・・・これだから田舎は」


 以前住んでいた地域ではコンビニは徒歩で1分以内の位置にあった。

 引っ越してきて早くも1ヶ月。

 だんだんと引っ越してきたこの場所にも慣れてきたが、未だになれないのはふとコンビニに行きたくなったときだ。徒歩で1分と自転車で15分では利便性が段違いである。


「アイスが食べたいだけなんだが、どうしてアイスを食べるためにこんなに時間がかかるんだ」

 学生であり、まだ自分の自由にできることがまだまだ少ない少年にとって親の転勤というのはまさに天災と言って差し障りない出来事だ。

 むしろ他の人には関係なく少年にのみ降りかかるという点に限って言えば、天災よりも酷いかもしれない。

 引っ越してきた地に文句をつけながら、少年のこぐ自転車は夕焼けの中を進んでいく。

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