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夏の物語  作者: 皐月 朔
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神社で涼みつつ後悔する

 神社の階に腰掛け、そらを眺めていると、その視界の端に映っていた杉の枝が大きく揺れた。

 なにごとか、と思うまでもなく、杉を揺らした本人が彼にも遅いかかる。

 青嵐がほおを撫で行くのは数秒。

 神社の屋根の作る影にいるとは言っても、頭上の空に雲はない。

 影のなかで身に受ける風は室内で受ける扇風機の風よりも気持ちがいい。

 一度で終わるかと思っていた青嵐だが、それからも何度か繰り返してやってきた。

 風に吹かれるがまま、目を閉じ、耳に入ってくる音に集中する。ここに来たのは、元いた場所にいられなくなったからだが、神社を選んだのは偶然だった。行く当てもなくただ歩いていると、たまたま目に付いたのが神社だった。

 誰もいなかったため、これは都合がいい、と思い神社に足を踏み入れ、ほとぼりが冷めるまでここで過ごそうと決めた。

「あぁぁぁぁ・・・・・・。どうしてあんなこと言ったんだろう・・・・・・」

 勢いだけで出てきてしまったため、その勢いが失われてしまったため彼に残されているのは後悔のみだ。

 神社に吹き抜ける風が、己の心の中のものも全て吹き飛ばしてくれればいいと思いながら、彼は神社の長い階に横になった。

 そんな、夏休みのある1日の出来事。


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