未来人?
私は悩まされている。
「君、命を落とすよ」
コイツに。
「あー、はいはい」
「またそうやって流す」
コイツ、と言っても他人には見えてないらしい。
だから悩んでいる。
「それで?今日はどんな予言をするの?」
「今日は死の予言をするよ、というかしてる」
「へぇ、あんたの?」
「僕じゃなくて、君の死」
「なーんだ、期待したのに」
「ひどいなぁ」
もう聞き飽きた。
退屈な話と、的中しない予言を無理矢理聞かされるのが私の下校時の日課。
「ところで、死ぬのって怖い?」
「何、その質問……そりゃ『怖い』よ」
「だよねー」
「うん」
しばらくして、男がまた口を開き、
「死ぬ時はどう死にたい?苦しみながら?それとも即死?それとも死にたくない?」
「そんなの即答で『死にたくない』だよ、決まってんじゃん」
「だよねー」
「それにしても、今日は随分と暗めの話だね」
「まあね。あ、君、ちょっとストップ」
止められた。
目の前には帰路にある三つの分かれ道。
「君、どの道通って帰りたい?僕は真ん中か右かなぁ」
「いつも通ってるからみ――、いや、『左』通りたいな」
通い慣れた道を通るのがベストだけど、なんとなくコイツに従った感じがして嫌だ。
「そう」
男は嬉しそうにニッコリと笑った。
「遠回りしちゃったよ、家に着いたからいつも通り消えて」
「ひどいなぁ、バイバイ」
男は消えた。
家に上がり、ご飯を食べてお風呂に入ってテレビ見て寝た。
しばらくして、朝が来た。
起きてすぐ、慣れた手つきで食パンを焼き、口に運ぶ。
そして朝のニュース番組をつけ、
『昨日の17時頃、建設予定だったビルが突如倒れ、辺りは瓦礫に包まれましたが、幸い負傷者はいなかったようです。』
「ふーん」
『続いて同じく昨日の17時頃にあった事件ですが、女性が後ろから来たトラックにひかれ、しばらく意識があったものの、搬送先の病院で亡くなったとの事です』
「ふーん」
――あれ、