表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/57

アルビオレの杜撰な計画 ①

アルビオレ視点でし。続きます。はい。

合い言葉は?

「誤字脱字…スルーディング!オーバー?」

俺の名前はアルビオレ・スバース・エプスタイン。ハスハルゼ王国の三大侯爵家の一つ、武名で有名な家系のエプスタイン家の現当主ダグラス・ビート・エプスタインの長子である。


俺は侯爵位を継ぐまでは、好きにして良いと父上に言われていたので、王子の近衛隊に所属している。貴族学院で仲が良かったのと、俺の家が三大侯爵家であった為、王子の近衛隊に配属されたのだと思う。


ハスハルゼの王位継承者はナイアス・クィル・ハスハルゼ王子ただ一人なのだが、王子…ナイアスは良く城下の王都に視察と称して遊びに行くので、警護が大変であった。

だがその遊びのお陰で俺は、人生で初めての愛する女…ルルと出会えたのであるから、王子の王都遊びを強く批判出来ないのもまた事実であったが…。



ルルはハスハルゼより遠い砂漠の国よりやって来た踊り子だった。ナイアスに連れていかれた庶民の酒場で、踊っていたのを見て俺が一目惚れしてしまったのだ。

ルルの褐色の肌や、白い髪の色……それにバランスのとれた妖艶な肢体に一瞬で目を奪われてしまったのだ。


その後一月も酒場に通いつめ口説き落とし、侯爵家の離れの邸に連れてきた迄は良かったのだが、流石に周りの者達が苦言を呈して来るので煩わしくて堪らなかった。


そんな最中に父上が突然病に倒れ、療養する為に自然豊かな領地で静養する事になった。母上も一緒に領地について行くらしく、王都の侯爵邸の事は俺に一任される事となった。


そこで俺は予てよりルルからおねだりされていた、本邸に彼女を住まわせるという願いを叶える事にした。まあ、予想通り使用人の連中の反発は凄かった……。

辞めてしまうメイドや、果ては病気療養中の父上に報告しに行く者まで現れ始める始末……。



再三父上にルルを離れの邸に戻すように言われたのだが、ルルに嫌と言われるとどうしても強く出れない………惚れた弱味であろうか?

それに俺はそんなに口が上手くないので、ルルに口で負けて煙に巻かれるが習慣化していた。


両者に挟まれて精神的に疲弊していた頃、侯爵家の家令のラハグローより良い案があると、話を持ちかけられた。


「坊っちゃま……ゴホンッ……アルビオレ様、私に良い案が御座います。正妻を…花嫁を貰ってみたら如何でしょうか?」


「花嫁を…か?俺には恋人のルルが居るし……まだ成人したばかりだぞ?」


「いえいえ、むしろ侯爵家のご子息ですのに、今まで婚約者が決まって無かったのが、異常なのです。……花嫁を貰いますと色々と良い結果に結び付くのでは御座いませんか?そうですね…例えば、ダグラス侯爵にルル様とは別の、貴族出身の花嫁を正妻に持つと言えば、今よりお小言や叱責は少なくなりますでしょうし、ルル様の方も…我が儘が過ぎると、捨てられるかも?という危機感が出てきて、アルビオレ様の話もちゃんと聞くようになられるのでは?」


「う…うむ。そうかも知れないな…だが、花嫁はどうする積もりだ?そうそう条件の良い相手など見付からないんじゃないか?」


「ランペイジ子爵家に丁度良い娘が居ります…。後は私めにお任せ下さいませ!この計画をまとめて見せます!!」


ラハグローの勢いに押され……(ちょっと打算もあった)が、冷静に考えれば無謀な計画が始動したのだが………。

直ぐにルルに反対され、計画を中止にしようとしたのだが、既にラハグローが相手の子爵家に話を通して来てしまい、更に俺が結婚をすると親戚や懇意にしてる貴族の家に招待状を送っていやがった。その時点で、完全に手遅れだった。



ラハグローの手腕は分かっていたが、流石に用意周到すぎじゃ無いだろうか?

トントン拍子に話が転がって行くし、ルルには泣かれてしまうし、散々である……。

花嫁との結婚が一月後と聞いた時は流石に怒り、ラハグローを呼び出し絶対に無理だと言ったのだが、あいつ……全然俺の話を聞かず、しれっと「結婚する子爵令嬢に会われますか?それと結婚式の打ち合わせをしませんと…」だと?誰が会うものかっ!中止したいのに、打ち合わせなどするかっ!!




一月の間顔を見せない、手伝わないとしてきたが、無駄であった……。

明日俺は結婚してしまう…。悩んだ俺は今夜ルルと一緒に駆け落ちでもしようか?と考えていたのだが、ラハグローを甘く見ていた。

夕食時のワインに睡眠薬が混入していたらしく、意識が遠退いたと思ったら、次に起きるとそこは既に結婚式を行う教会の一部屋の中だった。

正気か?当主は父上だが、侯爵子息だぞ?俺は…………。


***



流石にここまで来たら諦めると思われたのか、拘束はされておらず(まあ、格好が白のタキシードだったからだろうが)最後のチャンスだと思い、教会の一室から逃げ出そうとした。



結果は知っての通りだ。そう失敗した。ラハグロー………恐ろしい奴だ。睡眠薬まで盛り、容赦なく逃走した俺を捕まえるとは………。

結婚式は開始時間が少しずれただけで、始まったのだがそれまで俺はラハグローに散々説教をされ、往生際が悪いと罵られた。そこまで言うか?普通?



しかも教会の結婚儀式の間に入るまで、ラハグローに側でガッチリ監視をされていたのだった。










アルビオレ……チョロイ奴です!脳筋なんです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ