表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/57

眠いのよ?何なの?

多少主人公の腐った発言が有りますが、あしからず。誤字脱字には目をつぶって下さいませ。

疲れが取れる香草をお湯に入れると、爽やかで少し甘い香りが浴場を漂い始める…。

う~ん…良い香りなんだけど、…我儘を言わせて貰えばジューシーな肉の香りとか、芳醇な肉の香りとか、スパイシーな肉の香りの方が好きなんだけど、流石に肉の匂いのする香草なんて無いよね?


「奥様…お召し物を脱がさせて頂きます」


マオカがドレスを脱がしてくれる。有難い…このドレスは一人では脱げ無い程に装飾されていて、どうやって脱ぐのか謎だったのだ。まるで古の呪われた装備の様相を呈していたからね。さりげなくギンギラギンに飾り立てられて居たからね。


「マオカ…脱がしてくれて有り難うね。楽になったわ~」


主に腹回りがっ!パンのおかわりが不味かったのか、それとも普段食べ慣れない豪華な料理が不味かったのか、少し苦しかったのよね……腹回りが…。


「勿体無いお言葉です奥様。お身体を洗わせて頂きますので、浴場へどうぞ…」


「まあっ!有り難う………うん?」


ちょっと待ていっ!マオカが洗うの?要らない~!身体なんて一人で洗えるしっ!少し…恥ずかしいし………。


「マオカ…私は洗ってもらわなくても、大丈夫です。自分で洗えますからっ!子爵家はそういう家だからっ!」


「……奥様は私からお仕事を奪うのでしょうか?いくら奥様でもそれはなりません!奥様がご実家でお一人で洗われて居たと言われましても、ここは侯爵家で御座います。私の仕事に関しては侯爵家のやり方を優先させて頂きますので、ご了承下さいませ」


そんなこと言われても…無理だし。私が必死の抵抗をしていると、業を煮やしたのかマオカがヒョイッと私をお姫様抱っこをしてきた。


全裸+メイドにお姫様抱っこ+抱っこしているメイドの外見が筋骨隆々の男性=黙り込む私…の図式が完成した。


突然静かになった私を怪訝な顔をしながら、マオカが浴場に歩いて行く。

マオカ…見た目を裏切らず、とても力持ちね。私の完敗だわ…大人しく運ばれますよ。

まぁ、大人しく運ばれ方が早く終わるしね?

その後も洗われたりなんなりで、叫んだり抗ったりしたのだけど、割愛させて頂きます……。恥ずかしいし。



***




「奥様…ナイトドレスの着心地は如何でしょうか?この日の為に私がホワイトシープの毛を刈って作ったのですが、気に入って頂けたでしょうか?」


そうなの~?流石マオカ…ホワイトシープは敏捷で、捕まえるのが…難しいのに…ニャム…凄いなぁ~。


浴場でのやり取りで精も根も尽き果てていた私は、眠気でマオカの言葉を聞き逃し初めていた。


「では…奥様…*☆※∀×で、$¥@♂★頑張って♪*¶θζ下さいませ」


ギイッ……パタンッ。


扉の閉まった音だけがハッキリと聞こえたのだが、最後…マオカは何を言ってのか………眠いし……まあ良いか。お休み……。




***




ゴソゴソ……グイグイ……ペチペチ……バシバシ……。


何やら…叩かれてる気がする。何だろうか?弟のメヨーヨだろうか?十歳になってもたまに怖い夢を見たから一緒に寝て!っと甘えてくる弟だ。しょうがないな~と思いながら、メヨーヨの頭に手を伸ばして胸元に抱え込もうとするが、抵抗して来る。

おかしいなぁ…何時もなら抵抗なんてしないのに。


「メヨーヨ……早くしなさい……私は眠いのよ?」


頭に伸ばした手を力一杯引っ張ると、勢い良く弟の頭が胸元に落ちてくる。


「むぎゅっ。」


全く手間のかかる弟だこと……ムニャムニャ…グ~。一仕事終えてもう一眠りしようかと、夢の世界に旅立とうとすると先程より更に激しく弟が抵抗してくる為、しょうが無く抱えている頭を放してやる。


「ぶはっ……ゴホゴホッ……な…何を…ゴホゴホ…するん…だっ!」


聞こえてきた弱々しい声は弟のものでは無かった。あれっ?何?誰?ま…まさか……強盗?こ…殺される……。パニックに陥った私はつい悲鳴を上げてしまった。


「キャーキャーキャー……死ぬっ!死んじゃう~!キャーキャッ……モガッ……」


叫んでいた口を押さえ付けられてしまうが、ここで諦めたら人生が終了してしまうと思った私は、勢い良く押さえられた手に噛みついた。


「ウグッ……ッ…さっきから何をするんだっ!お前はっ!」


その怒鳴り声に流石に気付いた……あれっ?この強盗……アルビオレ様の声と同じ……というか、アルビオレ様じゃない?

混乱が治まった私は枕元の灯りを灯して、アルビオレ様の方を振り向くと、アルビオレ様の手から血が流れているのに気付いた。

血はベッドのシーツの上に落ち、シーツが赤く染まる。


「ご…ご免なさいっ!す…直ぐに手当てをするわ…」


少し辺りを探したが止血用の布などは、流石に見付けられなかった為私は夜着の裾を引き裂いた。


ビリビリビリッ…ビリビリビリビビ~~~。


「な…何をしている?」


「見て分からないの?その手の傷をこれで覆うのよ」


アルビオレ様に裂いた夜着で作った布を見せる。


「ほら、早く手を出して?そのままだと血が止まるのが遅くなるわ…」


「くっ…元はと言えばお前が噛んだんだろうがっ!」


「そりゃ噛んじゃった私も悪いけど、アルビオレ様も何で深夜のこんな時間に私のベッドに入って来て、起こすのよ?」


「……………………………………」


何故黙るのかしら?はっ!まさか…寝言がうるさかったとか?いや、流石に部屋の外までは聞こえない…筈。

私が考えを巡らせてながらアルビオレ様の手に布を巻いていると、黙っていたアルビオレ様が喋りだした。


「いや、食事の時にお前の部屋に行くと伝えた筈だろ?どうして俺を待たずに寝てるんだよっ!」


「だって…眠かったんだもん…。来るなんて知らなかったし…」


私が悪いのかしら?げせぬ。


「いや、お前の部屋に行くと伝えたが…?大体結婚して初めての夜だろ?使用人の目があるし、一応は一緒の部屋に居なければ不自然だろ?」


こいつ…堂々と愛妾を本邸に入れておきながら、誰の目を気にしているのかしら?

実はルルさんはフェイクで、他に愛している人が居る…とか?

人には言えない様な方が相手なのでは?

不倫とか…身分の高い方とか……まっまさか……同性とか…?

キャー♪同性だったら応援するわっ!気になってはいたけど、その相手ってラハグローなんじゃないかな?年若い青年と、シブイダンディな家令の禁断の主従関係……。

萌えるわ…そのネタで三年は闘える~!



私が妄想の世界に一人で旅立っている間にも、アルビオレ様は言い訳?を口にして居る。


「おいっ……聞いているのか?」


いえ、全く…………とは言えませんので、


「ええ、お聞きしていますよ?」


「そういう事なので、今日だけは一緒の部屋で寝る事になる。俺はベッドで眠るのでお前は……ソファーででも眠るが良い」


はあっ?何故私がソファーで寝なくてはならないの?アルビオレ様……ううん、もういいや呼び捨てで。普通アルビオレがソファーで寝て、私がベッドじゃないの?


「ちょっと!何で私がソファーなの?アルビオレがソファーで寝るべきよね?」


アルビオレがムッとした顔をして話してくる。


「待て!俺の身長ではソファーで眠ると、

脚がはみ出してしまうだろ?物理的に無理だ。その点お前は小柄だし……問題は無いだろ?」


うぐっ…確かにアルビオレの言う通りなのだが………。癪に触る……。


「先に寝ていたのは私よっ!ベッドは私のだわっ!」


私は素早くベッドの中に入ると毛布を頭から被って丸まった。


「なっ…何?コラッ…!出てこいっ!」


アルビオレもベッドに乗ってくる……。ふふん…早いもの勝ちだよ~?ざまぁみろっ!ベッドを独り占めしようとするからだっ!

私が勝利を確信していると、アルビオレが毛布の上から体重をかけてくる。


「ぐえっ………止めろ~死ぬぅ~!」


「ハハハ…退いて欲しければ、ベッドを明け渡すのだなっ!」


誰が渡すか~。ちくしょう~。我慢だ~。負けんぞ~。ウググ…苦しく…なって…来た………。



そして私の意識は遠のいて行ったのだった。





















実は腐ってた主人公でした。何故こうなったかは、不明です。お嫌いな方には申し訳無いです。

ついでに、

主人公がアルビオレを呼び捨てにしている事に、アルビオレ自身は気付いてません。鈍感です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ