アルビオレの気まぐれ
読み返しもホドホドに、投下!!
誤字脱字もホドホドに、有り!!
アルビオレ視点です。
東屋でナイアスと睨み合って居たのだが、ナイアスに城から迎えが来てしまい、微妙な空気で別れた俺に、ラハグローがどうするか聞いてきた。
「それで、アルビオレ様…いかがなさいますか?」
「うん?まあ、一応ツェリは俺の正妻であるし、ナイアスが本気かどうかも、いまいち良く分からないので、様子見だな………。あちらの出方次第だな」
「いえ、私がお聞き致しましたのは、そちらの事では無く、この後どうされるのか?で、御座いましたが?」
「なっ……………」
どうとでもとれる言い方は止めろっ!!全くコイツは何時もそうだ!
「………ツェリの体調が気になるから、確認しに行く……」
「おや?ご自分からツェツィーリア様のお見舞いに行かれると仰られるとは、思っておりませんでしたな?」
クッ……。何なんだその嘘くさい驚き顔はっ!!読んでやがったな?クソッ!
「別に……駄目ではないだろう?一応俺の妻なのだから……」
「はい、特に駄目では御座いません。むしろ喜ばしい限りで御座います……」
「フンッ………」
とても本心とは思えんが、ラハグローに口で勝てないのは理解している。
俺はそのまま東屋を後にすると、ツェリを捜す為に邸を歩き始めた。
歩きながら体調が悪いツェリを、マオカが何処に連れて行くのかと、考えると直ぐに答えは出た。
当りをつけた俺はツェリを見舞うために、寝室へと歩いて行ったのである。
途中、猛スピードで、視界から消えて行くマオカを目撃したが、奴の走って来た方には寝室があるので、ツェリが寝室に居るのは間違い無いな。
そのまま歩いて居ると、数分で寝室にたどり着いた俺だったが、何となく入りづらい。
一昨日の夜から朝にかけて一緒に過ごし、もう来ないつもりであったのに、何故か来てしまっているのだ。自分の気持ちが良くわからなく、違和感があったが、今回は体調が悪いツェリの見舞いという名目があるため、その違和感を無理矢理ねじ伏せ、寝室の扉を叩いたのであった。
叩いて直ぐに、間の抜けたツェリの声が聞こえてくる。
「はいはい、どうぞ~」
その声の調子から、推察するとそんなに体調は悪く無いみたいだな?
俺は扉を開けたのだが、開けた途端に目に入ってくるツェリの肢体に、俺は思わずドキリとしてしまった。
「体調はどう………だ……って、お前なぁ……一応女だろ?何だその格好は?」
仰向けにベッド上に倒れていて、両手足を大きく投げ出しているのだ。そのせいで真っ白な腹や、太股まで見えてしまっているのだが目のやり場に困ってしまった。
俺が目のやり場に困り、視線をさ迷わせて居ると、いきなりツェリが俺に喋り掛けてくる。
「ねえ、アルビオレ?無理に私の所へ来ないでも良いのよ?貴方は、あちらに(王子の元に)に居ても良かったのよ?」
などと、言って来る。かっ…可愛く無いな。普通は夫が他の女の所に行ったら、怒るのが普通だろ?
「なっ……あちらに(ルルの元に)……だと?お前は、それで本当に良いのか?」
嘘だと言って欲しいような…そうでは無いような。
「ふふふっ…。勿論よ!それが私の為でもあるからね?」
どういう意味だ?私の為って……まさかっ!!俺がルルと居る間に、自分はナイアスと居ようって魂胆か?ままま…まさか…な。
「お前の…為?」
「ええ、そうよ!だから私の所には来ないでくれて結構よ?だから早く行って差し上げてっ!!あの方(王子)は、お忙しい方で、余り二人だけの時間を過ごせないのでしょう?」
まあ、ルルはいつも、やれ新作のジュエリーが出ただの、サロンでの流行がどうのとか言って、忙しそうにして居るが……。
「はあ?いつも大体一緒に居るぞ?」
「あら?そ…そうなの?でも、余り私に構ってると、あの方(王子)もお寂しい思いをされていらっしゃるのではないかしら?」
むっ?何だ?そのルルへの優しさは?ツェリは正妻なのに、夫の愛人への気遣いが半端では無い気がするぞ?普通は険悪になったりするだろ?何を考えて居るのだ?
「む……。そ…そうだな、あいつも(ルル)確かに寂しいかもな……。分かった、ツェリの言う通り今から会いに行って来るか……ツェリも、体調が悪いんだろ?早く良くなると…いいな。じゃあ……」
ルルに会いに行くと、俺が宣言しても、ツェリはニコニコ嬉しそうに笑っていた。
はあ…。やっぱり俺がルルと過ごしても、全然大丈夫そうだな……いや、べっ、別にツェリに嫉妬して欲しいとかは、断じて無いからな?
それとナイアスに、ツェリは俺の妻だと喧嘩腰に言ってしまった手前、明日ナイアスに会うのは少し気まずいな。はぁ……明日も王宮に行かなきゃならんのだが、行きたくないと思ったのは初めてだ。気が重い…はあ………。
俺は重い足を引きずりながら、ルルの所へは行かず裏庭に足を向けてノロノロと歩いていた。
ああ、この裏庭は昔から変わらずにあり、とても綺麗だ。咲き誇る様々な花は、俺の心を優しく癒してくれる。
今よりずいぶん小さい頃は、父上に叱られると薔薇のアーチの下で涙を拭ったものだ。
古い記憶に引っ張られて、昔を懐かしんでいると、背後から声を掛けられた。
「坊っちゃま……お久し振りで御座いますのぉ…」
「ん?ああ…ボブか?確かに久しいな…。ギックリ腰は良くなったのか?」
ボブは、俺が産まれる以前から侯爵家に使えていてくれる庭師だ。
良く隠れて泣いている所を、慰めてもらったりしたものである。俺にとっては、もう一人のお祖父様みたいと言っても過言ではない者だ。
「ええ。大分良くなりましたので、戻って参りました。それにしても驚きました。坊っちゃまが、ご結婚なされておられたのには……」
「うっ……。まあ、な。いきなりだったからな…」
「それにしても、坊っちゃまは良い方を奥様に迎えられましたな?」
なっ…何だ?突然?ボブはツェリの知り合いか何かだったのか?
「なっ…なん……なんで、ツェリの事を知っているような口振りで話すんだ?知り合いだったのか?」
俺がそう言うと、ボブは少し驚いた顔をした後に、シワだらけの顔を更にシワシワにしながら、優しく笑った。
「ホッホッホッ…。先ほど奥様もこちらにお見えになられまして、少々言葉を交わしただけで御座います。少ない会話で御座いましたが、奥様は坊っちゃまと一緒にこの、エプスタイン侯爵家をもり立てて下さると、この老いぼれに約束して下さいました」
なにっ?…あのツェリがか?本当に俺と一緒に、侯爵家をもり立てて行くとボブに約束をした…と?
ボブには悪いが、にわかには信じがたいな。だってあのツェリがだぞ?ルルの元に行けと、嬉しそうに言う様な奴だぞ?いやしかし…ボブが俺に嘘など付くわけ無い…と、言うことはツェリは…ツェリは…………。
う~ん……悩みすぎて頭が痛くなって来てしまった様だ。
「坊っちゃま?お顔の色が優れぬ様ですが、大丈夫で御座いましょうか?」
ボブが心配して声を掛けてくれるが、本格的に頭が痛くなって…きた。ツェリの体調不良が…うつったのだろうか?意識が朦朧として………。
ドサリッ…………。
俺はその後、意識を失なったのであった。
「ぼっ…坊っちゃま?坊っちゃまっ!!たたた、
大変だっ!坊っちゃまがお倒れになられたっ!!誰かに知らせねば………」
知恵熱ですな…完璧に。だって、ツェリ仮病だし?




