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美味い話には裏がある…けどね?

自分の首は、自分で締める!がモットーの私が無謀にも新連載です。誤字脱字はスルーしてくださると、泣いて喜びます。(作者が)

私、ツェツィーリア・ニオ・ランペイジは今日この日を持って、ツェツィーリア・ニオ・エプスタインとなる…ええ結婚致します。


この結婚の話は、僅か一月前に決定されました。私の家は子爵家とは名ばかりの、ほぼ平民と同じ暮らしを送ってました。

そんな風前の灯火子爵家に、なんと侯爵家から縁談が舞い込んだのです。父は感激に震え、母は失神し、兄は拳を突き上げ、弟は唖然とし、祖父はヨボヨボしていた。

そして当の私は、というと自室で惰眠を貪っている最中でした。


「ツェリッお前に縁談が来たぞ!聞いて驚け!何と侯爵だっ!しかも身一つで大丈夫だそうだ…持参金も要らないと言って来ているっ!」


「ンがっ?むにゅむにゅ…もう…食べられません……ふひひ…」


スパコーンッ!!


「起きろ馬鹿娘っ!こんなにダメなお前に良縁だぞ」


寝起きに頭を叩かれて聞いた話は自分の縁談話………。はあっ?なんじゃそりゃ?


「父よ…亡くなったお婆ちゃんが、言っていたでしょ?うまい話には裏があるって……で、その侯爵様が私をもらい受けるに当たって、裏は?探ったんでしょ?一応」


ランペイジ子爵家は、女帝と怖れられた祖母が亡くなってから廃れ始めたのである。元々は情報を武器にのしあがった家系であったが、後継ぎの父が正直者で、裏での取引や采配が出来ず、現在の衰退した子爵家に至るというわけなのだが…。

父は仕入れた情報の使用方法が下手なだけで、仕入れる情報は近所の奥さんのヘソクリから、果ては王家の闇まで多岐に渡るほど知っている。

その為私は聞いた。父の掴んでいる情報で、この侯爵家からの縁談に何か裏が無いのかと。

寝惚けた私の頭でも分かる。あり得ないのだこんな《良縁》など。


侯爵家に後ろ暗い事が無ければ、まず成立して無いであろう……格下も格下。平民スレスレの子爵家の娘なんて、嫁に迎える筈がない。


「ああ…バレてるのか…お前は母さんに、似たな……普段はボケ~っとしているくせに…はぁ~~~」


父は思いっきりため息を吐き出すと、


「お前の言うとおりだよ。縁談が来ている侯爵家長男の隣には、異国の踊り子が侍っているそうだ愛妾ってやつだな」


フム…それだけなら、別に嫁を子爵家のうちから取らなくても良いのでは?正妻は身分が高い女性の方が良い。貴族の交流夜会とかあるし。


「モチロン…それだけじゃ無いんだよ…その踊り子娘が、侯爵家の王都の本邸で生活しているからだよ」


流石の私もビックリだ。普通なら愛妾ごとき別宅や本邸の離れに住まわせ、正妻はそれをあえて黙認するってのが、一般的だ。


「確か…エプスタイン侯爵家は、侯爵が病気療養のため、領地にて実務を行っていましたよね?」


「うん。その通りだよ。侯爵婦人も侯爵に着いて、領地にいらっしゃるからね……その隙に入り込んだんだろ?実に図々しい娘だねぇ~アハハ」


「笑い事では無いぞ?父よ…で、そんな馬鹿息子に侯爵が命令を出して踊り子を排除するなり、本邸から追い出すなりすればいいだけでしょ?」


「それがね~その馬鹿息子、踊り子の手練手管に完璧にはまっちゃってて、全く侯爵の言うことを聞かないみたいだよ?」


ははあ…恋に恋するお年頃ってか?馬鹿息子は確か今年で十八歳じゃなかったか?どんだけ甘やかしたんだ?侯爵よ……。


「で、無理矢理嫁がせてどうするの?私は結婚しても、グダグダ過ごしたいから侯爵家の為に何かするとかは、無いよ?」


「まあ、有り体に言えば体裁じゃない?息子が異国の踊り子に、現を抜かしているって噂されるよりも、身分は下だが純朴で清楚な子爵令嬢との結婚……」


うぎゃっ……その純朴で清楚な令嬢とは、一体誰のことでしょうか…。私じゃないよね?きっと……。私の考えを読んだのか父は、


「そのと~り!ツェリ!お前の事だよ!」


「何それ……しかも私が純朴で清楚な令嬢って無理あるでしょ?」


余りの気持ち悪さに腕にサブイボ立ったわいっ!総立ちだわっ!?


「あれっ?自分の噂話は聞かないの?お前は近隣住民の間で、そう言われているよ?余り喋らず黙々と樹木の世話をしてるって評判だよ?」


おうふっ。ジーザス………違うのに…樹木の世話じゃないのっ!裏庭の野菜畑の世話をしているのよっ!庭の木には、何もしてません…。人前でそんなに喋らなかったのも、ただ喋る必要が無かっただけだし…。寧ろお喋りな方だと思うし…。私はベッドに沈みこむ。


「ぷっ…知らなかったんだ?まあ、何にせよ婚約は一月後だから!」


ベッドから勢い良く飛び上がる。再浮上。


「決定事項かっ!」


勢いに乗り、父にツッコミをしてしまった。


「しかも…あり得ない位速いのね…普通なら半年はかけるよ?」


「まあ、良いじゃないか?しかもお前にはこの結婚最高の条件じゃないのか?」


父がニコニコ笑っている。無性に殴り付けたいのを、我慢しながら続きをほだすと、


「まず一つ目…あくせく働かなくていい」


ピクッ…。


「二つ目…侯爵の長男の相手はしなくていい、愛妾が居るしな」


ピクピクッ……。


「三つ目…お腹一杯美味い飯が食べれる」


ピクッピクピク………。


「殺りますっ! じゃない、遣ります!遣らせて下さいっ!嫁に行ってきます!」


父はボソッと一言娘には聞こえない声で、


「そんなに上手く行くかは、分からないけど…ね」


と、呟いたが舞い上がっているツェリには、聞こえては居なかった。






寝不足エンジン全開っ!バリバリ( >д<)、;'.・

ファイアーエ○ブレムが、いけません……止まらないのよ。

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