ギィと魔法の粉
時は十九世紀。
ギィはフランスの詩人、パリの学生だった。
偉大なる詩人ハイネやゲーテをめざす若者で、まだ十八才だったのだが、こいつがとんでもなくおっちょこちょい。
セーヌ川に船を浮かべて娘たちを口説いていたまではいい。
だがバランスを崩して娘を川に落としてしまい、彼女の両親からこっぴどくしかられたり・・・・・・と言った日常を送る。
「ああ、ゴメンよソフィー。僕は何も、わざと落とすつもりじゃなかったんだ」
「わざとじゃないですって?」
ソフィーは恐ろしい視線でギィをにらみつけた。
「よくも言えたものだわね。あんたなんかと一緒にできることなんてなぁんも、なかったんだわ。チクショウ! おぼえてやがれ、だぼハゼ!」
「だだだ・・・・・・ダボハゼはないっしょー;」
後ろから肩をたたかれ、ギィは振り返った。
「そんなしんきくせぇ顔をするな。女なんぞ、なんぼでもおるわい。そうじゃろ」
「う、うん。でも」
「小僧。まあワシに任せな」
老人はフードをかぶり、通りかかりの娘に瓶の蓋を開けて粉を振りまいた。
するとたちまち、娘は老人に熱烈なキスを首筋に繰り返す。
「わ、すげー」
ギィは感心し、その粉を僕にもくださいと言った。
「かまわんが、使う量はこれだけにしておきな。それ以上使うと大変だぞ」
「大変って?」
「・・・・・・身ひとつじゃもたなくなる」
要するにもてて困るってことらしい(汗。
「やったあ。これで僕にも運が向いてきたんだ!」
老人はギィから離れて、
「ひひひ、そいつはどうかな」
といやらしく微笑んでいた。
さてさて、どうなるんでしょう。
なんといったらいいか。
オーディン様、魔法使ったらいいでしょうに^^;
と言う事態が起きます、きっと(汗。