幕間・平民少女の蛮勇
書籍化決定! 詳しくは活動報告をチェック!
講演会の内容は、とにかく刺激的だった。
信じられないことに、巨竜半島で七年間も通い詰めて研究していたというのは、オーディスに住んでいる私と同じ年の女の子で、彼女が語る言葉の一言一句に私は引き込まれた。
巨竜半島という名に恥じない、無数のドラゴンを中心とした独自の生態系が築かれた自然の楽園。
そこで営まれる、小動物や魔物も絡んだドラゴンたちの生態活動。
魔力食という、これまで人がドラゴンに対して抱いていたイメージを根底から覆す驚異の食性。
角を介したコミュニケーション能力と、それを十全に駆使する極めて高度な知能。
そして……人間の価値観が根底にある善悪に捉われない、アメリア博士の考え方と語り口。
何の運命の悪戯か、彼女と同じようにドラゴンの研究をしてみたいと思っていた私にとって、アメリア博士が語る話はどれも興味が尽きず、望まない形で公爵令嬢になり、自由を無くした私にとって、ただ賞賛と羨望の眼差しを送るほかなかった。
(本当は話しかけて、色んな事を聞いてみたかった)
何より、あの子の事についても相談したかった。ずっと誰にも相談できずに抱えてきた秘密だけど、アメリア博士なら皇族の方々とも懇意みたいだし、ドラゴンとの付き合い方についても何か意見をくれるんじゃないかって。
でも出来なかった。令嬢教育とか、押し付けられる事務仕事で忙しかったっていうのもあるけど……。
『第一皇子派は下賤な平民をどこからか連れて来て、ドラゴンの研究者だの、未来の国益だのと吹聴して民を騙そうとしているっ! そんな奴の事をさも英雄のように扱い、ましてや聖女などと僭称するとは、奴らはアルバラン帝国の皇族や貴族としての尊厳も捨てた、内憂の元凶そのものだ!』
曲がりなりにも、私が所属する羽目になった第三皇子派は、第一皇子派とゴリゴリに対決していた。
当然、その第一皇子派に属しているアメリア博士のことを良く思うなんてあり得ない。ジルニール様を中心にした第三皇子派の中核メンバーたちは、アメリア博士へのヘイトスピーチを各方面に広げようと躍起になっている。
『ドラゴンは人を襲う化け物! そのドラゴンを帝国内に呼び込もうとするアメリアという輩は、聖女などではなく魔女に違いない! 現に奴は、次期皇帝たる僕に三度に渡って恥を掻かせた大罪人だ! 各々、騙されないように国民にしっかりと我々の正しさを主張するように!』
特にジルニール様のアメリア博士に対する敵愾心……というか、逆恨みが酷い。
一度目は私に殴り掛かろうとしたら、腕が空ぶって一人でコケただけだし。
二度目に関しては場所を選ばずに公の場で突っかかったら、終始冷静かつ丁寧に対応されて、皇族なのに平民に立ち振る舞いで負けたって周囲が勝手に評価してるだけだし。
三度目に関しては……正直、意見が分かれるところではあるけど、それでも博士が罪を犯したかのように言われるのはおかしいと思う。
『聖女となるものは、心身ともに非常に高貴な存在! あのような下賤な輩に名乗らせていいはずがないっ! 聖女を僭称するあの女には、第一皇子派共々、正義の鉄槌を下さねばならないのだ!』
……そんなジルニール様だけど、ちょっと気になることがあった。
アメリア博士や第一皇子派に怒っているというよりも、博士が聖女様って噂されていることに強い怒りを覚えているみたいな。
思い返してみれば、三か月くらい前に短期留学から帰ってきた時くらいから、やたらと聖女っていう単語を口にするようになったように思うけど……。
『魔女が研究するドラゴンも恐ろしい化け物に違いないっ! むしろ我々は、第一皇子派の陰謀によって国内に紛れ込んでしまったドラゴンを討伐するべきではないか!?』
……いずれにせよ、そんなことをジルニール様が声高に叫んでいる以上は、私も迂闊にドラゴンの話なんて聞きに行けなかった。
どこで誰が話を聞いているのか分からないんだ。第一皇子派の人とただ話していただけなら、そこまで咎められないだろうけど……第一皇子派の支持を崩すため、第三皇子派が『ドラゴンは狂暴で凶悪、騙されるなっ!』って声高に主張している中、ジルニール様の婚約者である私がドラゴンに肯定的な口調で話してるって知られたら、どんな目に遭うか……。
単なる裏切り者として放逐されるだけならむしろ望むところだけど……殺されたり、人身売買にかけられたりしたら……。
(アメリア博士も……話してみたら、全然悪い人って訳じゃないのに)
ひょんなことから、アメリア博士に愚痴を聞いてもらうことがあったんだけど、話していて嫌な感じがする人じゃなかった。
別に優しい感じがするわけじゃないけど、それでも自分には関係ない私の愚痴を真摯に聞いてくれたし、素っ気ないながらもワンワン泣く私の背中を撫でてくれたりもしたし。
一回話しただけだから根拠は薄いけど、それでも人を騙して悪事を働こうとなんて考えているようには見えなかった。
せめて一回でもちゃんと話を聞いてみたらいいのに……なんて事を考えていたある日。
『これより、《アインバッハの怪物》の討伐に向かう!』
ジルニール様が突然、そんなことを口にし始めたのだ。
少し話を聞いてみて分かったけど、どうやら第三皇子派の国民支持率獲得の為の行動らしい。
(聞いたことある……国民からの支持率は第一皇子派にボロ負けしてて、国中の貴族もドンドン第一皇子派に流れていってるって)
でもそうなるのも仕方ないなって、第三皇子派の内部にいて思った。
ジルニール様やアリステッド公爵様を始め、第三皇子派の人たちって、どうも自分たちの利益とか権力とかしか頭に無いっていう考え方が、日頃の言動から透けて見えてるし、私も単なる一平民のままだったら、普通に第一皇子派を支持してたと思う。
(それで少しでも支持率を上げようと、薬草の宝庫であるアインバッハ大森林で最近話題になっていて、人の出入りが事実上制限されている原因を退治しようって事かな)
正直、焼け石に水にしかならないような気がするけど……そう呆れていると、私の耳に件の怪物についての情報が入った。
曰く、氷霧をまき散らして移動する。曰く、強い冷気を噴射して生物を凍死させる。曰く、その生物は飛ぶのも走るのも得意だとアメリア博士の調査で分かったと。
(あの子の事だ……!)
そういった話を聞いて、私は全身の血の気が引く思いだった。
月日を重ねるごとに、あの子の体も、使う魔法の規模も大きくなってきていたけど、それがとうとう人間にも隠し切れなくなったんだ。
(どうしよう……どうしよう……!?)
幸い、接触した人が死んだっていう話は聞かないけど、皇族を攻撃したとなると話は大きく変わってくるはず。
あの子が人間に攻撃される口実を作ってはいけない……そう考えた私は、なけなしの勇気を振り絞って行動に出ることにした。
「トロトロ歩くな愚図っ! この僕が同行を許してやったのだから、さっさと歩けっ!」
「は、はいっ! ごめんなさいっ! すぐに行きますっ!」
そして今、私はジルニール様が率いる《アインバッハの怪物》討伐の雑用係として同行していた。
頼み込んだ時、当然ジルニール様から『なんでお前の言う通りにしてやらなければならない!?』とか、『さては自分の活躍をアピールして僕からの寵愛を受けようというのか!? 卑しい庶民め!』とか、散々な言われようで怒られたけど、私だって引けない時もある。
必死に頭を下げて、荷物持ちでも何でもやるからとお願いすると、意外なことに取り巻きの人たちから援護射撃があった。
「まぁまぁ、良いではないですか殿下。おかげで私たちも重たい武器や、討伐の証明に使う汚い死体を持って森の中を歩き回らなくて済みますし……いざという時には、盾にも囮にも出来るんですから」
といっても、このニヤニヤ笑っているジルニール様の学友の人たちは、私の事なんて何とも思っていないんだけど、それでも私を連れて行った方が何かと便利と、ジルニール様に思わせることが出来た。
それでも、かなり危ない橋を渡ってる自覚はある。
(匂い袋も一応持ってきたけど、いつ魔物が襲い掛かって来るか、分からない)
店の人も、全ての魔物を遠ざけられるわけじゃないって言っていた。アインバッハ大森林にも、嫌な臭いを考慮しない魔物は居る。それは実際、この森に何度か足を踏み入れながらもドラゴンに身を守ってもらっていた、私が自分の目で確認したことだ。
「チッ……せっかく婚約破棄をして身綺麗になろうと思ったのに、母上や公爵からも『将来の事務係を手放すな』と小言を貰う羽目になったし、今はこの下民の顔など見たくもなかったんだが……なぁっ!」
「いぎっ……!?」
「それもこれも、あの女が気持ち悪い話で僕の声を遮ったからだ! そもそもあんな手間を掛けることになったのも、こんな奴が存在しているからだ! 分かっているのかぁっ!?」
「すみませんっ! すみませんっ!」
明らかに苛立ちを隠せていないジルニール様に、腕や足を何度も何度も殴られたり蹴られたりして、私は背負わされた荷物を落とさないように必死に耐える。
今私が抱えているのは、ジルニール様たちが《アインバッハの怪物》を討伐するために持ってきた、庶民じゃあ絶対に手が届かないような宝飾がたくさん施された剣五本。鉄の塊なだけあって重いけど、土汚れでも付けたらどんな目に遭うか分からない。
「それにしても……クソっ! さっきからずっと探しているのに、《アインバッハの怪物》はおろか、普通の魔物や動物まで出てこないではないぞ! これでは僕の華麗な剣技と魔法で民衆を困らせている化け物を退治したとアピールできないではないか!」
……それはそうだ。動物や魔物はある程度匂い袋で遠ざけられているし、肝心のあの子もまた、別の手段で近寄らせないようにしている。
(こっちに来ちゃダメ……! 何があっても、来ちゃダメだからね……!?)
アメリア博士の話は目から鱗が落ちる様な内容ばかりだったけど、その中の一つである角を媒介にしたドラゴンのテレパシー能力の話を聞いて、きっとあの子もその力を使って私と意思疎通をしたり、この広大な森に訪れた私の存在を感知していたりしていたんだと分かった。
だから私は今回、その力を逆手にとって、あの子をジルニール様に近付けないように思念波を送り続けた。出会う事も無ければ、あの子がジルニール様に危害を加えてしまう事もないと思って。
(そのおかげかな……何時もなら、森に入るとすぐに飛んでくるのに、今のところ姿を見せていない)
思念波の内容を複雑化させないために、ジルニール様の傍で思念波を送り続けるのが確実だと思ってたけど、これなら痛い思いや怖い思いをしながら同行した甲斐があった。
後はこのまま、魔物と遭遇するまでにジルニール様たちが諦めて帰ってくれれば……そう思っていた瞬間、ドスンドスンと地鳴りみたいな足音が近付いてきたと思ったら、木々を薙ぎ倒しながら大きなクマ型の魔物が、私たちの目の前に躍り出てきた。
「な、なぁああ……っ!?」
「こ、これが《アインバッハの怪物》かっ!?」
「お、おいっ! 何をしている!? 早く剣を!」
「は、はいっ!」
急いで宝剣五本を纏めて前に出すと、ジルニール様たちはそれぞれ一本ずつ鞘から引き抜いていく。
「は……ははははははっ! 全く、驚かせて……! 飛んで火にいる夏の虫とは貴様の事だな、《アインバッハの怪物》! 僕の華麗なる魔法剣を受けるがいいっ!」
そう叫びながら、ジルニール様は噂の生物とは全然無関係な魔物の体に、炎を纏った宝剣を叩き込もうとした。
「ガアアアアアアアッ!」
「うわああああああああっ!?」
自分たちが一方的に攻撃できるとでも思っていたのか、魔物に対して真正面から向かっていったジルニール様は、鋭い爪が生えた前脚による一振りによって呆気なく剣が弾き飛ばされ、その勢いを殺しきれずに地面をゴロゴロと転がってしまう。
「で、殿下ぁっ!?」
「こ、この……化け物があっ!」
そんな魔物に、ジルニール様の学友たちも思い思いに剣を振るい、攻撃魔法を放つけれど、そのどれもが魔物に致命傷を与えるには至らない。
むしろ中途半端に傷付けたことで怒りを買ったらしく……魔物は血走った目で口を大きく開けて叫んだ。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
「ひぎゃああああああああああああああああっ!?」
この魔物特有の、何らかの魔法だろうか。魔物の体から放たれた凄い衝撃が全身に叩きつけられ、私たちは皆吹き飛ばされて地面を転がる事に。
死ぬほどじゃない……けど、相当痛い。ジルニール様のパンチやキックなんて目じゃないくらいだ。
「うわあ……! うわああああああああああああっ!?」
「ひぃいいいいいいい! ま、待って殿下! 俺たちを置いて行かないでえええええっ!」
反撃を受けたことで、先ほどまでの威勢も消し飛んだのか、ジルニール様たちは泣きながら逃げていく。
置いて行かれた私も立ち上がり、急いで逃げようとしたけれど……足首に強い痛みが走って、咄嗟に立ち上がれずにまた転んでしまった。
さっきの魔物の攻撃で、足首を捻ったんだ。そんな動けなくなった獲物となってしまった私に、クマ型の魔物は大量の涎を垂れ流す大きな口を近づけてきて……。
=====
「クラウディア嬢が、《アインバッハの怪物》と繋がりがあったと?」
「その可能性が高いでしょうね。あくまで状況証拠からの推察ですけど」
アインバッハ大森林を木々を縫うような動きをしながら、高速で駆け回るヘキソウウモウリュウに乗って、私とユーステッド殿下はアリステッド公爵令嬢たちの捜索をしながら、これまで得た情報から導き出される仮説を話し合っていた。
ちなみにヴィルマさんは傍には居ない。今現在、二人一組の体制で捜索隊を分散しているのだ。
「アリステッド公爵令嬢の靴紐に絡まっていたドングリの殻斗ですけど、帝都に生えている木は全部、景観目的の植樹だそうですね?」
「あぁ。帝都には貴族の別邸も多く、滞在している者も大勢いる。身分が高い人間が暮らすに相応しい街になるようにと、大通りから屋敷の中庭に至るまで、全ての樹木は人工的に植えられたものだが……ドングリが成る木は、季節によっては景観を損ない、管理が大変だからと、意図的に排除された歴史がある」
実りの時期になれば、大量の種子を一斉に成して地面に落とすタイプの木は、見栄えも悪いし馬車や荷車が通るのにも邪魔になる。だから帝都の街路樹から、学院の中庭の木に至るまで、落ち葉などが目立ちにくい種の木を人為的に選んで植えていたと、植物学の教授が話してくれた。
つまり、普通に帝都に暮らしていたら、ドングリの殻斗なんて絶対に靴紐に絡まるような物じゃないのである。これは靴に付いていた泥に付いても同様で、全面石畳が敷き詰められている帝都で靴に泥が付くとなるシチュエーションなんて限られてくるし。
「その一方、アインバッハ大森林はブナ科の木の群生地。歩いていれば靴に泥も付けば、ドングリの殻斗くらい靴紐に絡まるでしょうし……《アインバッハの怪物》の物と思われる足跡と、女物みたいな小さい靴跡が寄り添うように地面に付いているのを幾つも発見すれば、疑いもしたくなりますよ。アリステッド公爵令嬢が、私が来るよりもずっと前にドラゴンを手懐けていたって」
諸々の経緯に関しては聞いてみないと分からない。しかしいずれにせよ、《アインバッハの怪物》を討伐に来たジルニール殿下たちを放置するのは、色んな意味で大問題になりかねない。
急いで彼らの身柄を確保する必要がある訳だけど……この森は広すぎて、ドラゴンの脚力を以てしても、捜索に時間が掛かり過ぎる。
(ドラゴンのテレパシー能力も、思念波を発した生物の種族まで特定するってなると、流石に無茶振りだしね)
このままだと、皆魔物に食われて終わりかねない。どうしたものかと頭を悩ませていると……ふと、周囲の気温が一気に下がったのが分かった。
「これは……氷霧か……?」
まるで真夏に冷凍庫のドアを開けたかのような冷たい風が流れ始め、視界が霧がかってきたかと思えば、全身から白い氷霧を噴射して身を隠す何者かが、私たちの前を走り出した。
ヘキソウウモウリュウに勝るとも劣らないスピードだ。そんな速度を出せ、かつ氷霧を発生させる生物となると、この森には一体しかいないだろう。
「もしや、《アインバッハの怪物》なのか……!?」
「十中八九、間違いないでしょうね」
しかし、なぜ突然姿を現したのか……そしてこの、まるで私たちを誘導するように前を走る、その意図は一体何なのか。
「……後を追いましょう。もしかしたら、アリステッド公爵令嬢の元へ案内してくれるかもしれません」
《アインバッハの怪物》がアリステッド公爵令嬢に懐いていた可能性が事実だとした場合、ドラゴンの知能の高さも考慮すれば、十分あり得る。
恐らく、自力では解決できない何らかの理由があって、たまたま近くにいた人間に助けを求めようとしているんだ。
そんな私の推察にユーステッド殿下も同意したのか、無言でヘキソウウモウリュウに思念波で指示を出して、《アインバッハの怪物》の後を追う。
バイクや車とは比較にならない速度で木々を縫うように森を駆け抜け始めて少し経つと、突如として獣の大きな雄叫びのようなものが聞こえてきた。
「今の咆哮は、魔物か!?」
殿下のその言葉は、アリステッド公爵令嬢たちが魔物に襲われている可能性が詰まっていた。
でも音の発信源と推察できる場所から現在地までの距離を鑑みれば、意外と近い。今なら間に合うかもしれない。
そんな私たちの意図を汲み取ってか、鮮やかな翡翠色の羽毛を生やした二頭の走竜は、木の根や幹を踏み砕きながら更に加速。音がした方へグングンと近付いて行き……今まさにクマ型の魔物に覆いかぶされ、食われようとしているアリステッド公爵令嬢の姿を確認することが出来た。
「制圧開始ぃいっ!」
軍で鍛えられた轟く様な号令をユーステッド殿下が放つと、ドラゴンたちは一気に行動に移る。
まずは《アインバッハの怪物》が身に纏っていた氷霧を操り、魔物に浴びせることで、その体表を氷で覆って動きを止め、そこにシグルドたちヘキソウウモウリュウによる飛び蹴りが頭に炸裂する。
氷を砕きながら、その巨体を吹き飛ばされて樹木の幹に叩きつけられたクマ型の魔物は、甲高い悲鳴を上げながらヨロヨロと森の奥へ逃げていった。
「追いかけた方がいいか……?」
「いや、別に問題ないでしょ……それよりも」
私はシグルドから降りて、アリステッド公爵令嬢の方に向き直る。
そこには真っ白な始祖鳥のような骨格をした、ライオンくらいの大きさのドラゴンに頬ずりされ、その首を抱きしめる少女の姿があった。
「この人からは、じっくり話を聞かないとねぇ……絶対逃がさない」
それを見て私は確信していた……この女、絶対に私が興味があるドラゴンの生態情報を知っていると。
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