第12話〜“ニャンバラ軍精鋭・ギャラクシー”〜
武装した3匹のネコが、茂みの中から姿を現した。
「やはり居たか、星光団」
「ホホホ、ここで待ち伏せしようという作戦ですか」
「ちゃっちゃと倒して、ニャンバラに帰るでぇ!」
真っ赤な鎧を着て、身長とだいたい同じ長さのデカい剣を携えた、♂のトラネコ。
深い青色の衣をまとって、いくつものカラフルな宝石をあしらった杖を持った、♂のサバトラ。
銀色に光る鎧を身につけて、ミマスのよりもデカい機関銃を持った、額に星形の模様のあるスラッとした体型の、♀の白ネコ。
3匹ともボクよりちょっと背が小せえぐらいだが、“サターン”の奴らとは風格が違う。戦わずとも、強えって事が分かる。
「……クッ! 星光団、戦闘態勢に!」
それでも星光団の5匹はビビらずに身構えるが、現れた3匹のネコどもはずっと落ち着いた様子だ。
「【ニャンバラ軍精鋭・ギャラクシー】、【白熱の星・デネブ】だ」
赤い鎧を着たネコ――デネブは淡々と言って、デカい剣を構えた。
「同じく、【大海の星・リゲル】ですよぉ。私たちここで、星光団を倒すよう命じられています。ホホホ……!」
続いて青い衣を着たネコ――リゲルが高くてこもったような声で名乗り、杖を構える。カラフルな宝石が、光を放ち始めた。
「同じく、【暁光の星・スピカ】や。ほな行くでぇ、星光団! 覚悟しぃや!」
訛りのある話し方の白ネコ――スピカも、機関銃をボクらの方に向けて、構えた。
精鋭というだけあって、落ち着き払って堂々としてやがる。星光団の5匹が、緊張した顔になったのが見えた。
メルさん、じゅじゅさんは、ルナを守りながら離れた場所へ移動していた。良かったぜ、これなら全力で戦える。
ボクは右前足で“暗黒剣・ニャインライヴ”をしっかりと持つ。
「星光団、行くぞ!」
「「「「応!」」」」
敵は3匹、こっちはボクも入れて6匹。大丈夫だ。ソールさんたちの強さは、さっきの戦いで証明済みだ。
だが。
「……何っ!」
ソールさんの剣が、一瞬で跳ね飛ばされたのが見えた。
間髪入れず、デネブの大剣が赤色の光をまといながら、火の玉を3つ放った。火の玉は周りの草や木に燃え移りながら、どんどんデカくなってソールさんたちの方へ向かっていく。
「クッ、剣も魔法も使えるのか! マーズ、気をつけろ!」
「さっきの奴らとは違う! 油断するな、ソール!」
ボクは少し離れて、デネブをよく観察した。
フン、精鋭とは言えど、やっぱりボクの敵じゃねえニャ。ボクの方が圧倒的に強え事は、感覚で分かるぜ。
だが、さっきの母ちゃんの言葉を思い出す。
『ゴマ、あなたはまだ自分の力を扱い慣れていません。少しずつ、周りを見ながら、力を合わせて戦う事を覚えていくのです』
その時はよく分かんニャかったが、今、目の前で苦戦するソールさんたちを見て、母ちゃんの言葉が重くのしかかってきた。
ここでボクがさっきみたいに大技を放ったりしたら、ソールさんたちまで巻き添えを喰らっちまうかもしれねえ。
クソ、せっかく最強の“暁闇の勇者・ゴマ”になれたのに!
「……あのスピカっていう子、美人だね〜。スラッとしてて。顔も可愛いし。羨ましいわあ〜」
離れた場所から、じゅじゅさんの呑気な声が聞こえた。……ったく、そんニャ事言ってる場合かよ。
だが、その空気を読まねえのんびりとした声を聞いたおかげで、ボクはちょっと落ち着きを取り戻した。
ん、行けるぜ――!
「ゴマくん! 共に行くぞ!」
ソールさんが駆けつけてきた。
「ソールさん!」
「ゴマくん、いいか? 僕が囮になるから、その隙に君の剣でデネブを斬りつけるんだ!」
「……ああ、分かった」
ソールさんの動きをよく見て、ボクは“暗黒剣・ニャインライヴ”を前に突き出した。
行くぞ――!




