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もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記  作者: 戸田 猫丸
第2部〜ネズミたちの住む理想郷編〜
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第43話〜始まった侵略〜


 ボクとルナの“ニャイフォン”が、粉々にブッ壊されてるじゃねえか!

 画面もバキバキに割られている。2つとも電源ボタンを押しても、ウンともスンとも言わなくなっていた。


「おい誰だ! こんな事した奴は!」


 大声で怒鳴ると、後ろから母ちゃんの声が聞こえた。


「ごめんなさい、私です」

「え、母ちゃん!?」

「やったのは私です。あなたたちの居場所を、ニャンバラ軍に知られてはいけませんから」


 そうだった。元々ボクらは、ニャンバラの奴らのスパイだったんだ。

 ネズミと一緒にいる事をニャンバラの奴らに知られると、奴らに(ニャニ)されるか分からねえ。そうすると、ネズミたちも、ボクらの家族も、巻き込まれちまうだろう。


「それは仕方ねえな。ま、別にこんなモン、無くても(ニャン)も困らねえし。……そうだ、母ちゃん。昨日の事……ネズミのガキどもにも、ちゃんと伝えなきゃいけねえよな。早くチップたちを呼んで――」


 言い終わろうとしたその時、母ちゃんの胸元から、ピピピ……ピピピ……と、音がした。

 母ちゃんの表情が引き締まる。


「……こちらムーン。そう、わかりました。すぐに向かいます」

「な……! どうしたんだ、母ちゃん!?」

「ゴマ! ルナ! ネズミの皆さんを集めてください!」


 母ちゃんが、いつになく焦ったような顔を見せている。


「わかった!」

「兄ちゃん、急ごう」


 ボクとルナは大慌てで、9匹のネズミたちを広間に集めた。

 きっとただ事じゃねえぞ、これは。


「ネズミの皆さん、聞いてください。ニャンバラ軍の偵察部隊が、すでにネズミの都会【Chutopia(チュートピア)2120(にいいちにいぜろ)】に、到着しているとの事です。今から私は、()()の元へ向かいます。偵察部隊はまだ少数で、やはり“ワームホール”を通って来ているとの事です。“ワームホール”付近の守りを固め、偵察部隊を捕縛せよとの指令が出ました」

(ニャン)だって!? 母ちゃん、ボクらも……」

「ゴマたちは、ここで待ってて下さい。では、行ってまいります」


 母ちゃんはすぐに、玄関のドアも開けっ放しで、飛び出して行っちまった。

 大人のネズミたちは、母ちゃんの話がどういう事ニャのか分かったみてえだが、ネズミのガキどもは……。


「え、何!? 何があったの!?」

「お父さん、私怖い……」

「大丈夫、大丈夫だよ。みんな落ち着くんだ」


 多分、(ニャニ)が起きてるのか、分かってねえ。

 どうすべきだろうか。やっぱり、ちゃんと伝えなきゃいけねえな。


「兄ちゃん……」

「ルナ、ここは母ちゃんに任せるぞ」

「うん……」

「大丈夫だ、母ちゃんは、きっと強え!」


 夢で見た、母ちゃん――。

 とんがった紫色の帽子をかぶって、キラキラした丈の長え紫色の服を着て、木の杖を持って――。

 4匹の仲間と、戦ってた。“星光団(せいこうだん)”と名乗って――。

 

 あれも正夢だとしたら。


 きっと、夢で見たような戦いが、始まるんだろう。

 そして、ボクも、“星光団”の仲間として戦う事になるんだ。

 最強の勇者――“暁闇(ぎょうあん)の勇者・ゴマ”として――!

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