第23話〜デッカい木の家の中で〜
「さあ、みんな家に入って、ご飯の支度しましょ」
「ニンゲンさんのマサシ兄ちゃんの次は、不思議なネコさんのお友達が来てくれたね!」
「わーい! お友達ー! ネコさんって怖くなかったんだ!」
ネズミのキョーダイは、嬉しそうにはしゃいでいる。
お友達、か。何て純粋な奴らだニャんだ。
マサシについても、後で色々聞いてみることにしよう。
ボクらはネズミたちの後に続いて、デッカい木の幹の玄関のドアをくぐった。
「うわ、すげーいい雰囲気の棲家だニャア。なあ、ルナ」
「木のいい匂いがするね」
ネズミの父ちゃんが得意げな顔をする。
「少し前に引っ越して来たんだ。家族みんなでこしらえた家なんだよ。ステキな家でしょ。ご飯、すぐ出来上がるから、ゆっくりしててね」
「悪りぃ。そうさせてもらう」
「ありがとうございます、ネズミのお父さん」
木の中をくりぬいた家の中を、じっくりと眺めてみた。
木の枝とかをかき集めて、2階、3階の床が作られてて、そこにネズミのガキどものベッドが並んでいる。
これ全部、ネズミたちが作ったんだろうか。器用な奴らだ。
「ゴマ……くん? でよかったっけ。ぼくは【チップ】っていうんだ」
「おう、チップ。お前の名前は知ってるぜ。ボクの事は、ゴマって呼んでイイぞ。チップは、5匹キョーダイの3番目だな?」
「当たりー! ……って、ゴマくん、僕の名前……いつ知ったの?!」
「ん? ……ああ、まあそれは別にどーでもイイじゃねえか。とにかく、仲良くしようぜ!」
「うん、仲良くしてね! ゴマくん!」
チップ。青いキャップをかぶった、純粋そうなオスネズミのガキだ。コイツとは、きっとすぐに仲良くなれる。そんな気がするぜ。
「君はナッちゃん、……って呼ばれてたよね。僕はルナ。よろしく」
「ルナお兄ちゃん! 覚えてくれてうれしい! あたしの本名は【ナナ】だよ。でも、ナッちゃんって呼んでね!」
「分かった。ナッちゃん、マサシさん帰っちゃったけど、さみしくない? 大丈夫?」
「……うん!」
「よかった。マサシさんと、また会えたらいいね。5匹きょうだいの4番目なんだね」
「そーだよー!」
さっきまで大泣きしてやがったメスネズミのナッちゃんに、ルナの奴も話しかけていた。本名はナナっていうのか。ナッちゃんって呼びにくいから、ナナって呼ぶことにしよう。
ルナはボクらの家族では末っ子だが、元々しっかりしてやがるからか、すっかり兄貴ヅラだ。
「お父さん、イスの数はこれでいいー?」
ボクらの椅子を用意してくれる、5匹キョーダイの、一番上のオスネズミのガキ――トムって名前だったな。遠慮なく話しかけてやろう。
「おう、お前はトムって名前だろ? ボクはゴマだ」
「えっ、何で名前知ってるの!?」
「あ……。ま、まあそれはどうでもイイだろ。とにかく、世話になるぜ」
「よろしくね、ゴマくん。ちなみに僕の本名は【トーマス】だよ。でも、トムって呼んでほしいな。その方が呼びやすいでしょ?」
「分かったぜ。トム、お前は美味いモンには目がねえタイプだろ?」
「よく分かったね! 僕は、世界中のごちそうを全部食べるのが夢なんだ!」
トムは街で、マサシ、ナナと一緒にいた食いしん坊ネズミだ。茶店からカフェ行って美味そうなケーキ食ってやがったところまで、バッチリ“ニャイフォン”に撮影済みだ。
隠し撮りしてた事、後で謝っておくか。




